ホームページ タイトル

 

(朝鮮民主主義人民共和国 [ウリミンジョクキリ]201293日付)

 

 . 1 関東(大震災)朝鮮人大虐殺蛮行は、過去の受難史としてだけにとどまらない

 


朝鮮人大虐殺蛮行は、過去の受難史としてだけに、とどまらない。大地震と言えば、巨大な人的、物的被害をもたらした自然災害と、誰もが思う。しかし、192391日、東京、神奈川、横浜をはじめ、日本の関東地方を襲った大地震について話をする時、誰もが、自然災害を前にして異国で血を流して倒れて行った朝鮮の人々の悲惨な姿が思い浮かんだりする。

地震が起きた当時、海外侵略戦争に狂って動きまわっていた日本政府が、関東地方の罹災民達に如何なる救済対策も取らなかった事に、日本人民の中では政府に対する不満が高まったのであり、ひいては、深刻な社会政治的危機をもたらした。

日本反動政府は、自国民たちの反政府感情を、違った方向に転換させ、危機を免れる為に、在日朝鮮人に対する無差別的な大虐殺を狙った、まさに非人間的な殺人的悪だくみを図った。それに応じて、≪朝鮮人が放火する≫、≪朝鮮人達が井戸に毒薬を入れる≫と言うなど、根拠のない話が言い触らされ、相次いで関東地方に於いて軍隊と警察はもちろん、≪自警団≫、≪青年団≫を始めとする右翼反動団体等と、ごろつき達まで動員した、日本当局の野獣のような在日朝鮮人大殺戮戦が繰り広げられた。まさに、関東地方は、在日朝鮮人達にとって、一つの生き地獄に変わった。日帝の野獣たちの鬼畜の様な蛮行で、実に23000余名に達する罪なき在日朝鮮人達が無残に虐殺された。

 歴史は、日帝の野獣達の様に、自分達に降り注ぐ社会的世論と非難をなだめる目的の下に、多民族に対する前代未聞の殺戮蛮行をこの様に悪辣に敢行した前例を知る事はできない。

 反人倫的犯罪には、徹底的にそれに対する謝罪と賠償が伴わなければならない。それにも拘わらず、日本政府は今日まで在日朝鮮人大虐殺蛮行をはじめ、彼等によって敢行された超大型反人倫犯罪に対する清算を、必死に回避している。

 国際社会で、罪悪に満ちた過去を清算していない国は、ただ日本だけだ。

 しかし、李明保守当局は、朝鮮民族抹殺犯罪を敢行した日本に対して、謝罪と賠償など徹底奥した過去の清算を要求する代わりに、≪未来志向的な<韓>日関係構築政策≫に変わりはないとか、≪日本との経済協力などは継続推進する≫とか言う、親日屈従妄言を続けて吐き出している。

ああ一方日本は、李明博の様な親日分子が、権力の座に上がって、座って居る事を良い機会に、再侵略の実現に有利な空間を用意しようと、いろんな悪あがきを尽くしている。

 決して繰り返すことが出来ないのが、日帝植民地統治の血の涙出る歴史である事を刻んでくれた、関東で罪のない死を遂げた霊魂達の叫びが、歳月の丘を越えて今日も響いて来ている。

 李明博の様な極悪非道な事大売国の群れが面をならべ、日本の再侵略策動が依然続く限り、関東朝鮮人大虐殺蛮行は、決して過去の受難史としてだけにとどまらない。

(訳 柴野貞夫 201293)

[訳者解題]

国家が主導したにしても、日本の民衆が大規模に関与した大虐殺行為は、世界に類がない。

91日の防災の日は、1923年(大正12年)に起きた、関東大震災の教訓を忘れない、という意をこめて、1960年(昭和35年)に制定されたものである。

しかし、同時にその日は、朝鮮人が「暴動を起こし、井戸に毒を入れた」など、国家と軍部が意図的に流したデマ情報に扇動された日本民衆が、関東全域で6、5007、000余名の朝鮮人を虐殺した事件の日であった事を、だれもつたえなかった。日本政府は、今もその事件の解明に手を下したことはない。

日本弁護士連合会は、2003825日、「日弁連 関東大震災人権救済申立事件調査報告書」で、 「 1、国は関東大震災直後の朝鮮人、中国人に対する虐殺事件に関し、軍隊による虐殺の被害者、 遺族、および虚偽事実の伝達など国の行為に誘発された自警団による虐殺の被害者、遺族に対し、 その責任を認めて謝罪すべきである。2、国は、朝鮮人、中国人虐殺の全貌と真相を調査し、その原因を明らかにすべきである。」として、時の小泉内閣に対し、人権救済申し立て書を送った。http://www.azusawa.jp/shiryou/kantou-200309.html

国家が主導したにしても、日本の民衆が大規模に関与した大虐殺行為は、世界に類がない。関東大震災時の朝鮮人大虐殺事件は、日本国民一人一人に、自身の歴史における加害責任を問う事件である。一方で、このおぞましい事件を歴史の頁から抹殺し、歪曲することによって、排外主義的国粋主義の跋扈や、朝鮮人排斥行為、がすすめられている事実は、「日本軍慰安婦の歴史」の正当化同様、許し難い日本人の恥辱である。

朝鮮人学校無償化除外や、朝鮮民主主義人民共和国に対する不当な抑圧政策と、日本の植民地支配に対する賠償清算を戦後64年経つ現在も放置する、日本政府の目に余る非人倫的行為と、それを平然と許容する日本の大多数の民衆の姿。

日本人は、この89年前の、自分達の祖父母や祖祖父母が関与した事件に、眼をそらさず、向き合わねばならない。

「在特会」なる、ネットごろつき集団が、京都朝鮮人初級学校の校門をよじ登りながら、「朝鮮出て行け、キムチくさいぞ」と、恥ずべき差別言語と暴力をふるう姿や、奈良「水平社博物館」での、<韓国併合100年展>に対し、「エタ、非人、朝鮮人出て行け」と叫ぶ在特・川東大了、また「日本軍慰安婦は強制ではなかった」と、あのつら下げて不勉強を晒した大阪市長・橋下の言動や姿の中に、87年前の大虐殺に関与した日本の民衆の姿を、彷彿とさせる事態に、我々は黙っているわけにはいかない。軍部と民衆によって虐殺された朝鮮人は、7000人とも23000人とも言われている。東京府、神奈川、埼玉、千葉と、関東全域にまたがる地域で、「不逞朝鮮人狩り」の名によって行われた加害の全容は、今も明らかにされていないばかりか、日本国家と地域住民によって隠蔽されてきた。
虐殺の犠牲者の氏名、出身地、家族、虐殺実態などが、虐殺された地域での住民による隠ぺい工作などで、その埋葬場所も隠されてきた。そもそも、日本国家が主導し、日本の民衆を動員して行われた関東大震災時の朝鮮人大虐殺の全容解明と遺骨の発掘は、日本国家の責任に於いて行わなければならないものだ。

国家も地域も、それを、犯行を共有する者同士の「触れてはならないも」として隠し通して来たところに問題の根深さがある。

最近、「千葉県における関東大震災と朝鮮人犠牲者追悼・調査実行委員会」の活動で、八千代市での朝鮮人虐殺犠牲者の発骨,改葬に地域の人々が参加して行われた事例は、民衆関与の歴史に向き合う動きとして、全関東に広まる事が期待される。

国家によって日本民衆に植え付けられてきた朝鮮人に対する差別意識と、国家の政策としての排外的国家主義の行きついた先が、この大虐殺事件である。これが繰り返されることがあってはならない。「日本軍慰安婦」問題同様、関東大震災時の朝鮮人大虐殺事件」の徹底した歴史認識に、日本の民衆が立ち向かわなければ、同様の事件はいつでも起こるし、その小さな火種が既に燃えている事に気がつかねばならない。(訳者)

 


<参考サイト>
☆ 229 関東大震災87周年、‘朝鮮人虐殺’忘れない! (韓国・チャムセサン 2010年9月2日付)

 

☆228[告発状](朝鮮民主主義人民共和国・朝鮮中央通信 2010年8月20日付)

 

☆ 139 日本は、在日朝鮮人問題の責任から、絶対に免れることは出来ない 
(朝鮮民主主義人民共和国・労働新聞 2009
年1月24日付)

 

☆ 186 日本の新任総理は、2003年の勧告文を想起せよ!関東大震災の朝鮮人虐殺、86周忌を迎えて(韓国・オーマイニュース 2009年9月1日付)

 

☆関東大震災における、朝鮮人大虐殺85周年を迎えて[08年9月3日更新]

 

 

●日本人と自警団、及び日本軍による、関東大震災時の朝鮮人大虐殺に関する資料

 

日弁連 関東大震災人権救済申立事件調査報告書

http://www.azusawa.jp/shiryou/kantou-200309.html

 

朝鮮新報 「関東大震災下の朝鮮人虐殺問題1」 恐るべき国家犯罪

http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2008/01/0801j0402-00001.htm


朝鮮新報 「関東大震災下の朝鮮人虐殺問題6」 戒厳司令部が作成した「虐殺記録」

http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2008/01/0801j0801-00001.htm


朝鮮新報 「関東大震災下の朝鮮人虐殺問題5」 内務省の組織的伝播で自警団発生

http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2008/01/0801j0702-00002.htm


壺井繁治と関東大震災  代わりに詠んだ「十五円五十銭」

http://www1.korea-np.co.jp/sinboj//j-2003/j06/0306j0917-00001.htm