(韓国民衆言論 チャムセサン 2011年9月19日付)
http://www.newscham.net/news/view.php?board=news&nid=63149
「ウイキリクス」-“チェジュ(済州島)海軍基地、東南アジアを往来する理想的な位置”(と、米外交文書の内容を暴露)
―この米国の外交文書は、チェジュ海軍基地に言及・・米海軍自由使用の可能性を示唆している。-
ウイキリクスを通して、チェジュ海軍基地建設に関連した米国の外交文書が公開されると同時に、チェジュ海軍基地建設が、米国海軍の自由な使用を保障するものと言う主張が力を得る事となる見通しだ。
去る8月30日、ウイキリクスを通して公開された米国外交文書には、チェジュ海軍基地と関連した情報が記載されている。この文書(文書番号、07SEOUL1211)は、去る2007年4月27日ソウルにある駐韓米国大使館側が作成したもので、大使館は関連情報を米国務省に送ったものと判明した。
○駐韓米国大使館、“海軍基地、理想的な位置に置かれている”
カンジョン村の活動家チョ・ヤクゴル氏は、19日該当の文書を翻訳分析をしたがその結果、海軍基地が事実上、米海軍の活動拠点地として使用されるものと見通した。文書翻訳によれば、駐韓米国大使館は“韓国海軍はチェジュ島に新しい海軍基地を建設し、‘大洋海軍’をつくる為に努力を傾け始めた。”とし、“大洋海軍は三つ、またはそれ以上の‘遠征航海戦団’として構成される。”と記載した。
尚且つ、“それ依る結果として、大きい機動力が強化された戦團がつくられるであろうし、イージス級駆逐艦と214級ヂーゼル潜水艦がこの機動戦団に含まれるだろう”と説明した。
△写真 チェジュ海軍基地は、ファスン、ウイミを経てカンジョン村まで、三度に亘って移され、チェジュ島民らは10年を越え、戦いを継続している。現在ファスン港で、カンジョン村チュントク海岸の基地建設に使われる大規模なセメント塊、ケーソンが製作されている。(合同取材チーム)
重要な事は、(アメリカ)大使館側が“予定された海軍基地は、恐らくウイミ港に作られるものと見えるが、東には日本へ航海し、西には中国へ航海し、南には台湾へ航海し、その上東南アジアを行き来する重要な海上疎通路のための理想的な位置に置かれている。”と、言及した部分だ。
これは、米軍が東アジアで、中国と台湾を主要な戦略的利害関係に設定しておいたので、台湾への航海を直接念頭して置いていると言うこととして解釈される。チョ・ヤクゴル氏は、“韓国海軍側は、中国と日本以外に台湾は言及して来なかった為に、米国が中国と台湾との戦略的利害関係にしたがって台湾への自由な航海を念頭しておき、作成したものと見える。”説明した。
結局米国が、海軍基地建設による航海の主体を自分たちに設定しておき、文書を作成したものではないかと言う疑惑が付いて回る他はない。
チョ・ヤクゴル氏は、“事実上原文では、航海主体が明確に表記されなかった。”とし、“しかし米国が言う‘理想的な位置’と言うのが、事実上米国の利益の観点で作成されたものの為に、こうかいの主体が‘米国’と言う分析が十分に可能だ。”と説明した。
チョ氏は、“チェジュ海軍基地がつくられれば、米国海軍がこの場所を自由に使用し、日本と中国、台湾に航海し、監視と牽制活動を広げ、この場所で、米国の利益を保証するものとして使用されることが出来る事を、今回公開されたウイキリクスの米国外交文書を通して明らかにされたものとして見ることが出来る。”と言う意見を披歴した。
△「美しい島、チェジュ島に、また新しい名所が誕生する。(大韓民国海軍)」
○“韓米相互防衛協約で、基地建設されれば米国が使用。”
その間、市民社会と海軍基地建設反対住民達は、海軍基地が建設される場合、米海軍が事実上基地を自由に使用すると同時に、東北アジアの緊張を高めるものだと主張して来た。チェジュ島が地政学的に中国、日本、米国、東南アジアなど、戦略的利害関係が衝突する地域であることから、米国が対中国用基地として、これを利用するものだと言う予想だ。
去る7月28日、ソクィポ(西帰浦)市カンジョン村会館で開かれた‘チェジュ海軍基地の米国利用可能性に対する報告会’で、イ・テホ参与連帯事務処長は“2002年米国は、海洋打撃、海洋防衛、海洋基地化など三大海洋戦略を発表したが、このうち海洋基地化戦略は米国のチェジュ海軍基地利用の可能性を示唆している。”と主張した。
海洋基地化戦略は、米国が同盟軍の本土や島に固定された基地を置かず、戦略的なハブ基地から航空母艦とイージス艦、核潜水艦を核心戦力として機動戦團を各地に派遣する形式だ。これは、米軍が駐屯軍の制限なき配置と撤収が容易な海洋基地を構築する方法だ。
一方、海軍側はチェジュ海軍基地建設作業には、米国の為の予算が策定されていないのであり、韓米同盟の為の米軍艦出入港基地は、プサン(釜山)とチンヘにすでに用意されていると主張してきた。
しかし、チョン・ウクシク、平和ネットワーク代表は、当時報告会で、“プサン港は、米国の予算(負担)が一銭も入らなかったが、米海軍の航空母艦と核潜水艦が随時出入りしている。”とし、“特に米国が、中国と台湾海峡から近くて、規模が大きい、海軍基地を利用すると言えば、現行韓米相互防衛条約及びSOFA(駐韓米軍地位協定),そして戦略的柔軟性などで韓国が拒否するのは困難な状況。”だと指摘した。
こんな物議に対し、さる8月29日、海軍基地の予決小委で国防部関係者は,“SOFAの規定上、米軍が我が施設を活用し様とすれば、外交通商部の承認が必要であり、施設能力でも空母戦団がチェジュ海軍基地に入ってくる事は出来ない。”とし、これを否認した事がある。
△資料写真 「基地NO」のポスター
しかし事実上、韓米相互防衛条約によれば、米国は韓国内に、何処でも、思うままに、駐屯する事が出来る権利を持っているので、チェジュ海軍基地の米軍使用の物議は相変わらず収まっていない状況だ。
米国の世界的な平和運動家、グロリア・スタイノムも同様に、去る8月18日、MBCラジオ[ソン・ソクヒの視線集中]に出演し“韓国と米国は相互防衛協力を締結し、韓国にある全ゆる基地を米軍の軍艦が使用出来る様にしているので、この協定は2015年まで適用されるものとして知られている。”とし、“海軍基地が建設されれば、米軍が主に活用する事となる。”と主張した。
続けて彼は、“米国の著名なシンクタンクであるランド研究所の2009年の報告書でも、チェジュ島に海軍基地を建設すれば、米国が東シナ海とその以南地域で影響力を行使するのに極めて重要な役割をする事となるのだと言う分析がある。”と説明した。
「平和と統一を開く人々」(平和統一者)のユ・ヨンジェ米軍問題チーム長は、言論の寄稿を通して、米軍艦艇の帰着に関するSOFA関連規定を挙げ、“米軍は韓国政府に通告もせずに、韓国のどんな港口や飛行場も一銭の金も出さずに思うがまま、出入りすることが出来る。”とし、“チェジュ海軍基地が中国包囲の前哨基地となれば、海軍と国防部の主張の様に安保を堅固にするのではなく、東北アジアの軍事的緊張を高め、むしろ安保を危なくする震源者となる。”と主張した。(メヂアチュンチョン、チャムセサン合同取材チーム)
* 원문 : 강정마을 까페(http://cafe.daum.net/peacekj)
(訳 柴野貞夫 2011年9月25日)
<参考サイト>
☆ 299 海軍基地建設に反対する決死的闘争 (朝鮮民主主義人民共和国・労働新聞 2011年9月6日付け)
☆ 301 チェジュ(済州)海軍基地工事―(国家による)‘不法、脱法’に対し、直接行動辞さず。 (韓国・チャムセサン紙 2011年9月21日付け)
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