(韓国民衆言論・ハンギョレ 社説 2011年4月12日) http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/472634.html
<レベル7>の福島は最後の警告、コリ(古里)1号機を閉鎖せよ
福島原発事故から1ケ月、原発事故等級中最悪の<レベル7>に至った。ソ連チェルノブイリ原発事故と同じ水準だ。国際原子力機構(IAEA)の基準では、「一国以外の広範囲な地域で大量の放射性物質が放出され、生態系に深刻な影響を招来する程度」を意味する。
チェルノブイリ事故では、当時25,000名余が放射線被爆で死亡し、奇形児出産、各種の癌発生により数10万名が苦痛を経験した。隣接国の国民として日本国民から慰められるのは当然であるが、我々の安全についても心配せざるを得ない。
チェルノブイリ事故当時、偏西風の裏側であるフィンランドなど、北ヨーロッパでも甲状腺癌などが増えた。それにもかかわらず、我が政府は放射能の不安感を‘左翼の扇動’として罵倒し、自分の無能を糊塗している。
しかし、我々は(韓国政府に)最小限の良識を期待し、もう少し真摯で具体的な対策を促さざるを得ないのだ。既に、我々の大気、土地、海は無論、一部農水産物からセシウムが検出された。福島から飛んできた可能性が大きい。
福島原発事故が最悪に至るであろう。このことは既に先月末から予想された筈だ。しかし、昨日まで<レベル5>を維持してきた。国連専門家やフランスの専門機構が、<レベル6>以上であると言って警告をしたが、日本政府は頑として耳を閉ざしてきたのだ。
急に2段階も格上げ。政府の言葉を信じてきた日本市民だけが気の毒な事となった。この様に、奇に寄りかかる点では、我が政府も違いはない。(韓国)政府はただ、偏西風を云々し、安全だと言う言葉だけ繰り返しているだけだ。寿命を終えた原発は延長稼働し、新しい原発は今後とも増やしていくと言う基調を貫徹するために、市民の不安感をなくそうというものだ。しかし国民を騙ましてはいけない。昨日、釜山弁護士会が、古里1号機の稼働中止仮処分申請を提起した。爆発した福島1号機と同様に、古里1号機は延長稼働に入った原発だ。延長の根拠だった安全性評価も信頼できないし、評価結果さえ公開しなかった。天災地変に対する対策も、事故時の住民安全対策も信頼できない。ヘウンデ(海雲台−釜山の一大観光スポット、訳注)から20kmしか離れていない。
弁護士会までもが体制転覆勢力だと、政府は罵倒するかも知れないが、福島事故は最後の警告なのだ。寿命を終えた原発は閉鎖し、新しい原発建設は放棄せよ。この決断を今すぐにやらなければならない。(△写真は釜山広域市キジャン郡チャンアンウム・古里核発電所)
(訳 柴野貞夫 2011・4・14)
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