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(韓国ネットニュース PRESSIAN 国際ニュース 2011329日付)
http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=40110329100318&section=0



     福島原発事故 最悪の局面へ −ソウルでも放射性物質を検出


                                                        イ・スンソン記者



今、日本の福島原発事態は<神のみぞ知る>大災害へ向かっている。 この間、西欧の専門家達が最も憂慮していた、MOX核燃料のメルトダウン(炉心溶融)が確認されたのだ。28日夜、原発運営会社である東京電力は福島原発敷地内の土壌で、プルトニウムが検出された」と発表した。
日本政府は、事態の深刻性を隠すため、故意にプルトニウムの調査をしていない。この隠蔽疑惑が激しくなるや、日本政府は「今から調査する」と逃げ腰に対応している。発表はその変化があった直後に出された。

西欧専門家が警告してきた<終末的状況>は現実となるか

(日本政府はプルトニウムの漏出発表を遅らせてきたとの疑惑がある)
西欧の専門家は、「ウラニウムにプルトニウムを混ぜたMOX燃料を使用している第一原発3号基(プルサーマル発電)でメルトダウンが進んでいる」と推定しており、万一これが現実になった場合は<終末的状況>が差し迫ってくると警告をした。
日本政府はプルトニウムに対する調査をしているが、発表を遅らせてきたのではとの疑惑も出されている。実際に今回の調査は、去る21日午後から22日午前に、東京電力が原発敷地内の5か所で土壌を採取したものた゜。日本原子力研究開発機構が分析した結果、プルトニウム238, 239240が検出された。
折悪しくも、プルトニウム検出に対する発表を控えて、原子産業の主務部処である経済産業省の池田モトヒサ副大臣は、参議院予算委員会で福島原発に対しては、予想出来る最悪の事態を念頭に置いているが、それ以上先は神さまだけが知っていると答弁している。

今は極少量、しかし、核燃料棒の損傷進行中

(チェルノブイリのセシウム137死の灰だが、福島のプルトニウムは悪魔の灰だ)
29日、読売新聞は東京電力は、今回、プルトニウムが原発から出たことを報告していると伝えた。
しかし、この新聞は、専門家の分析を引用して、プルトニウムの検出は核燃料棒の損傷が相当程度進行していることを示していると指摘した。東京工業大のニノバン・ヒサシ教授(原子炉工学)は、今回検出されたプルトニウムは、爆発や火災による煙に乗り、流れ出て来たものとみえる」と分析した。
今回検出されたプルトニウムの種類は、2382392403種類。数字は、原子の質量(質量数)の差異を表わしている。特に、プルトニウム239は核兵器の原料になるもので、半減期も最も長い24,000年だ。プルトニウムは自然界には殆んど存在しない。今回検出されたプルトニウムの種類別比率から核実験時の比率とは違い、原発事故に由来したものと判断された。
専門家によれば、プルトニウムは、細胞破壊力が強いアルファ線を放出するなど、毒性がひときわ強い。この為、チェルノブイリ事態の時に多量に放出されたセシウム137死の灰と呼ばれたのに対し、プルトニウムは悪魔の灰と呼ばれるほどだ。

原発半径40kmの土壌ではセシウム濃度益々濃くなる

(セシウムを検出。チェルノブイリ強制移住基準の6倍以上のレベル)
福島原発から出てくる放射性物質は、半径30kmを越えて土壌を汚染させている。29日毎日新聞によれば、福島原発から40km離れた福島県飯館村では、去る26日に文部科学省が雑草を分析したところ、1kg当たり最高287Bq(ベクレル)のセシウムが検出された。
去る20日、飯館村では雑草1kg当たり265万ベクトルのセシウムが検出されたが、今回の検出量は更に悪化している。この水準は、チェルノブイリの住民が強制移住させられた基準の6倍以上だ。
冷却のために投入した海水が、放射能物質がいっぱいの汚染水に変わった事も、今回の原発事態を悪化させている原因だ。、原子炉建物だけでなく海に水を送るトンネル溝でも、高い放射能が検出されている。東京電力は、「2号基のタービン室地下のトンネル溝に水が溢れており、水の表面からは1時間当たり1,000SVの放射線量を測定した」事を明らかにした。元来、トンネル溝の水では、放射能は検出されないのだ。

放射能があってはならない所で<致命的な>放射能

1,000SV/hは致命的水準だ。ここに4時間留まるだけで、30日以内に死ぬ)
<NHK>原子炉建物やタービン室は、放射線管理区域として指定されているが、トンネル溝は除外されている」といい、平素には放射性物質が絶対に入ってくる筈がない所に、放射能汚染水が流れこんでいる」と指摘した。
時間当たり、1,000SVの放射線量では、この場所に30分立っているだけでリンパ球が減少し、4時間留まった人の半分が30日以内に死ぬ。この程度の致命的な水準なのだ。
元来、放射能があってはならない水がこのレベルの放射能で汚染されている。したがつて、これは原子炉自体に大きな損傷がある事を示している。
前日、東京電力も「2号基では格納容器(炭素鋼)の底に穴が開いている可能性がある」事に初めて言及したし、原子力委員会も、格納容器に何らかの損傷がある事を初めて認めた
(訳者注―11日から、NHK/テレビで、福島電発事故の解説者として出ずっぱりだった東京大学教授・関村直人は、一貫して格納容器の破損、炉心溶融は絶対あり得ないと、執拗にその安全性を主張、原発にはどんな危険性もなく、4重、5重の安全の担保があると国民を欺瞞して来た。彼を始めとする「専門家」を騙る、日経連と資本家政府の原発推進の旗振り役−原発マフィア達の犯罪性は、1号〜4号基、さらには、5,6号基の危機をひきのばし、<廃炉>の条件さえ困難とし、数十万の国民の、生活を奪い、原発現場作業員の生命の安全を貶め、致命的な危機を継続的にふりまいて来た事にある。)
一方、韓国原子力安全技術院は、28日に「カンウォン(江原)道で福島原発から由来されたものと推定される放射性物質のキセノンを検出した」と発表をした。続いて、翌29日には「ソウルなどでも放射性ヨウ素とセシウムなど、福島原発からの放射性物質を検出した」事を明らかにし、衝撃がはしっている。気象庁は福島原発から飛来してきたものではないと口を極めて反駁しているにも拘わらず、(韓国)技術院は「カムチャッカ半島を経由してシベリア、北極と中国大陸などを経て、韓半島に移動した」との立場を固守している。
                                     (訳 柴野貞夫 2011330

<参考サイト>

☆ 266 爆発した日本の原発3号基には、“死の灰プルトニウムがある(韓国・PRESSIAN 2011年3月14日付)

☆ 269 “50人の決死隊”の日当、10万ウオン(7000円) どんな権利で(彼らに)死を要求するのか” (韓国・PRESSIAN 2011年3月19日付)