ホームページ タイトル

 

(韓国ネットニュースPRESSIAN 国際ニュース2011323
http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=40110323180149&section=05

 

  

福島原発は、当局の暗黙了承のもと使用延長を許可した



                                              イ・スンソン記者



 電源復旧作業が完了し、原子炉の冷却作業が進展した」と言う原発運営会社(東京電力)の自己評価は、性急だった事が明らかになった。
NHKなど、日本の現地マスコミの緊急報道によれば、「23日午後、給水ポンプの稼働が差し迫っていた3号機の原子炉で、黒い煙が湧き上がった。1号機は基準以上の高温状態が続き、2号機では強い放射能が噴き出ており、冷却システムの復旧作業は難しい状態である」と伝えられた。

安全委員会は、政府の方針通り言う学者で構成

同様に22(現地時間)、米国の西欧言論機関は、「福島第一原発は、安全管理が散々だったにもかかわらず、寿命延長を許可していた等、不誠実の固まりだった」と相次ぎ報道した。
[ニューヨークタイムス]は、日本の原発規制当局である原子力安全保安院(NISA)が出した福島第一原発審査結果を引用して、原発運営会社である東京電力は、第一原発の1号機・原子炉の使用延長を決定、その数週後に第一原発の6基の原子炉に対する安全点検の不備を認めた」と伝えた。
これは3・11大地震の直前にウェブサイトに公開していた。
東京電力は、この寿命延長が決定された後になって、「ウォーターポンプ、ディーゼル発電機など、冷却システムを構成する33カ所の主要装備で、点検か゜できていなかった」と報告した。
規制当局(政府機関=原子力安全保安院)も、福島第一原発の管理はろくにできていない、十分な検査をしていなかったと認めている。(  23日午後4時頃、福島第一原発、3号機。煙が湧き上がっている)
問題は、この様に管理不十分なのに、どうして1号機の使用延長が決定されたのかと言う点だ。これに対し、[ニューヨークタイムス](米国)は原子炉の使用延長決定、不誠実な安全点検は、原発運営会社と(政府)規制当局の癒着関係を示していると指摘している。[ガーディアン](英国)も、日本の原発非常用ディーゼル発電機に亀裂が生まれ、浸水により危弱になるとの警告にも拘わらず、規制当局は事故がおきる1カ月前に、1号機原子炉の使用延長を決定していた」と指摘している。、規制当局が有名無実だったのだ。
[ニューヨークタイムス]によれば、委員会は、主として、政府の決定を支える学者で構成されている。彼らは原子炉延長稼働に「問題はない」と意見を出した。自分達を選んでくれた規制機関の意思に逆らう道理は、ほとんど無い。
(訳者注) この間の、言論、テレビ報道番組を賑わす「東京大」「阪大」をはじめとする各大学の「原子力専門家、学者、教授」の目に余る原発擁護と、事故の見え透いた過小評価は、歴史的な犯罪行為である。彼等の多くは、原子力政策推進の政府・電力会社と深く癒着し、彼らかの「研究費」を当て込み、それに依存し、民衆の命を軽視する、学問的良心の欠けらもない連中である。

原子炉の使用延長のためにロビー活動に血眼

原発業者は、原子炉使用延長のために強力なロビー活動を繰り広げている。新旧原発建設に反対が多い事もあるが、何よりも費用問題のためだ。政府も、原油輸入を減らすために使用延長に肯定的だ。
今後10の間に、福島第一原発1号機に続いて残り5基、そして他の原発の13基が40年の設計寿命となる。
原則通り原子炉を廃炉にしたなら、莫大な費用がかかる。ここに、原子力安全保安院は規制当局でありながら、老朽原子炉に対する危険性を努めて無視する理由がある。
東京電力の安全無視は、今回が初めてではない。去る2000年には、福島第一原発の原子炉点検会社の職員が、「格納容器の弁に裂け目が入っている」と規制当局に告発した。それにもかかわらず、規制当局は原子炉稼働を停止することなく、東電に調査を指示した。
当時、福島県の知事(1988年〜2006年)であると同時に、原発反対者である佐藤栄佐久氏(71)は、格納容器に亀裂があった事実が公開されるまで2年間、住民は何も知らされていなかった」と指摘している。

修理費用節減のため、安全点検をしない

2003年、規制当局は東京電力に福島第原発の10基の原子炉と新潟県の7基の原子炉に対し、仕方なく稼働停止を指示した。内部告発者が、「東京電力が安全点検の記録を操作し、隠蔽している」事実を福島県に知らせたからだ。東京電力は、およそ16年の間、安全点検の記録をでっち上げ(操作し)、欠陥を隠蔽してきた。特に、格納容器の弁に大きな亀裂が生まれていた事も隠していた。修理費用を減らす為だ。
佐藤氏は、この様に信用のおけない会社が日本の原発の安全に責任をもっている。この問題は東京電力に:限定するものではない。原発規制体制に穴があいている」と言う。佐藤氏は「規制当局が独立的でない」ことを指摘する。日本の原子力産業庁は、原発産業を支援する経済産業省傘下の機関なのだ。東京電力など原発会社は、これら部署出身の官僚たちに多くの報酬を与え、べとべとした関係を形成している。
米国でも、原子力エネルギー委員会は日本と似た体制にあった。1970年代に、議会でエネルギー部と原子力規制委員会(NRC)に分離した。
日本の核監視団体原子力資料情報室の上澤千尋さんは、規制当局は報告書を検討するだけで、報告書自体に対する自己検証をしていない。こんなやり方で原子炉の寿命が延長されている」と警告した。
                                             (訳 柴野貞夫 2011324日)