(韓国民衆言論 チャムセサン 2010年11月26日付)
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‘北韓糾弾決議案’棄権と反対の間
民主労働党と進歩新党、同じ様で、異なる歩み、
キム・ドヨン記者
国会が最近、決議案‘北韓の武力挑発行為糾弾決議案’をめぐって、民主党と進歩新党の、同じ様で異なる歩みが目に付いた。
二つの党は、この決議案に賛成しないと言う立場を同時に出したが、進歩新党が決議案に反対した反面、民主労働党は棄権する等、表決は異なった。
25日、国会は国防委員長が提案した‘北韓の武力挑発行為糾弾決議案’を、圧倒的賛成で通過させた。決議案は、23日ヨンピョン島一帯の砲射撃行為で,無辜な人命被害が発生した事に対し、強力に糾弾し、北韓の謝罪と再発防止を強力に要求し、政府が北韓の武力挑発行為に確乎とした軍事対備態勢を基礎に、断固として対応する事を促す内容などを含んでいる。
これに、進歩新党と民主労働党は、この決議案に恒久的平和体制を構築する事が出来る対策が、十分に反映されなかったとし、賛成する事が出来ないと言う立場を明らかにした。
ウ・イヨン民主労働党大弁人は、ブリーフィングで、“北韓のヨンピョン島砲撃によって海軍兵士たちと民間人らが犠牲になったことは、明白に間違いであり、これを糾弾する。”としながらも、“一触即発の危機局面で平和的解決方案のない糾弾は、責任ある国会の姿ではない。”と指摘した。続いて、“決議案には、ひたすら安全と平和体制を願う国民の意思に従って、韓半島の緊張緩和の為に、恒久的な平和体制を構築する為の対話の努力に、政府当局が積極的に出ることを促す内容が、必ず含まれねばならなかった。”と主張した。
国会本会議の反対討論で、“挑発行為”と言う表現まで使いながら北を糾弾したチョ・スンス進歩新党代表もまた、決議案に対しては“強硬な対応、何倍もの報復、即刻的懲らしめ、果たしてこんなものが、韓半島の平和にどんな助けとなるのか”と問い返した。
チョ代表は、“休戦協定以後の、有史以来で初めての、民間人犠牲者が発生した今回の北韓政権の軍事的挑発を強力に糾弾”するが、“北韓の軍事挑発に対しては糾弾しても、我が国会はこの問題の原因を探り出し、恒久的に平和体制をどのように建設するのかを明確に盛り込むことこそ、国会が国民の代表機構として自己の役割を果たす事が出来る”と主張した。
この様に二つの党は、類似の立場を発表したが、表決だけは異にした。
進歩新党が決議案に対し、明確に‘反対’の立場を表明した反面、民主労働党は‘棄権’を選択した。
民主労働党所属議員5人以外にも、民主党チャン・セファン、創造韓国党ユ・ウォンイル、無所属ユ・ソンヨブ議員は、平和体制構築の為の南北対話を促す内容が抜けたと言う理由で棄権票を投じた。
これによって、‘北韓の武力挑発行為糾弾決議案’は、25日賛成261、反対1、棄権9人で通過された。
“反対も棄権も、すべてパルゲギ(アカ)”と。チョ・スンス(進歩新党代表)や、民労党のホームペイジに寄せられた各種非難文で‘疲労病’
在籍議員298名中、ただ一人反対票を投票した議員となったチョ・スンス議員は、26日‘KBSラジオ・こんにちわ、ホン・ジミョンです’に出演し、“今回の国会決議案が、結論的に軍事的対応だけを強調した側面があって、拡戦防止のため声を出す事も必要だと判断した。”とし、反対票を投じた理由を説明した。
チョ代表がただ一人、反対を表明した事実が知られると、チョ・スンス議員のホームペイジの自由掲示板に‘パルゲギ(アカ)’‘カンチョム(スパイ)’‘従北新党’など、進歩新党とチョ代表を非難する文が無数に上がってきている。二日間、登録された掲示物だけで350件を越えた。非難の声の間に、所々支持する文も目に付いた。
(その支持文を書いた)ファン・ソンヒ氏は、“民間人に爆撃を加えた北韓の明白な挑発と暴挙に当然応分の責任を問うが、一方では、韓半島の危機を高めさせる南と北支配層の敵対的同伴者関係が、対決を装った蜜月関係で互いを守ってやっていると言う点に、保守メディアが無差別に量産し出す憤怒の中で従がって行くのは駄目だ。”とし、“韓半島の平和政策に、いつも努力する進歩新党の立場を支持する”と明らかにした。ユ・ジンヨン氏も、“他の人たち(民主労働党を指す―訳者注)の様に、やすやすと棄権してしまっても、知らんぷりをする事が出来たかも知れないが、心から国の平和と庶民たちの人生(生命)ための選択だった”とし“勇気ある決定を応援”した。
棄権した民主労働党のホームペイジは、怨色(えんしょく―怨む気持ち)的な非難文で気の病を患っている。
‘反対’せずに、棄権した事に対する非難もあった。ニックネイム‘本当(チョンマル)’は、“北韓に対する従北も笑うが、所信だと言いながら話も出来ず、後で隠れて棄権する姿までみるぐらい失望する。”と語った。
(訳 柴野貞夫 2010・11・27)
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