(韓国・キョンヒャン(京郷)新聞 国際記事 2010年11月5日付)
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=201011042253105&code=970203
和田春樹教授とのインタビュー
日本外交は声だけ大きくて代案が無い・・米国に助けを求め、我々は属国なのか
東京/チョ・ホンミン特派員
日本は最近‘憤怒の季節’だ。去る9月、尖閣列島漁船衝突事態で、ひとしきり神経戦を繰り広げ、さる1日にはドミトリー・メドベージェロシアフ大統領のクリム列島(日本名、北方列島)訪問以後、領有権是非の火の手が激しくなった為だ。
和田春樹・東京大名誉教授(72)が、この様に周辺諸国と感情的な‘領土争い’を広げる日本民主党政府に苦言をぶちまけた。ソ連史と韓半島現代史専門家として、20余年間、東アジア領土問題を詮索して来た和田教授は、さる3日、キョンヒャン新聞とのインタビューで、日本外交に対し“声だけ大きくて代案がない。”と皮肉った。
特に、尖閣衝突事件以後、日本政府が見せた米国依存一辺倒の行動に対しては、“日本が(米国の)属国なのか”と、一喝した。
和田教授は、“前原誠司外相が、尖閣衝突事件以後、どうして米国にくっ付き、(尖閣列島を)日・米安保条約の対象に入れて呉れと言ったのか、理解が出来ない。”と口を開いた。
特に“日本は、中国と過去15年間に亘る戦争をして、これに対し謝罪までした。”とし、“絶対戦争をしてはいけない国が、どうしてその島を、安保条約の対象に含ませて守って呉れと言ったのか、異常なことだ”と指摘した。
北方領土問題と関連しても、和田教授の鋭い指摘が続いた。ロシアと日本が、互いに‘わが固有の領土’だとし、攻防を繰り広げている事自体が異常だとしながら、“もともと北方領土の主人はアイヌ族(サハリン、クリル列島、北海道の原住民)”だと語った。
彼は、“日本とロシアはアイヌの土地に侵入し、これを分配して所有しようとしたのだし、露・日がそれぞれ、アイヌの土地のどこまで手に入れるのかと言う論戦が領土問題の本質”だと強調した。第2次世界大戦の結果、ロシアがサハリン・クリル列島(北方列島)をすべて持って行ったため、日本は今、少しでも(取られた取り分を)占めたらと考える本音を取り出していると言うことだ。
メドベージェフ・ロシア大統領のクナシリ(国後)訪問に対しては、“いま日本が北方列島をどの様に解決するのか、どんな提案さえしない状況で、駐ロシア大使の召還と言う対応は、意味がない。”と語った。
北方四島を返してくれと言う日本の要求に対しては、“心情的には理解する事が出来る”と語った。しかし、“1951年サンフランシスコ講和条約で、北方領土に対するあらゆる権利を放棄した為、領有権を主張する事が出来ない。”と一蹴した。
彼は、“韓国とロシアが多年間実行支配している独島と北方領土等に対し、日本が‘不法占拠’だと言うこと自体が、交渉を難しくしている。”と付け加えた。
保守政治圏と右翼から、‘ヨワゴシ(弱腰)外交’と言う批判を受けている菅直人総理に対する評価を注文すると、いらいらした気持ちを吐露した。
彼は、“菅政権の外交が‘弱腰’とは考えない。”とし、“むしろ弱腰にならない為に、もっと強硬な主張を押し立てなければならないと言う批判は、何らの展望も、もたらす事は出来ない。”と指摘した。続けて、“‘我々の島だから差し出せ’式ではなく、‘領土問題をどのように解決していくのか’に対する提案を出さなければならない”と語った。
これと関連して、和田教授は尖閣衝突事件以後の未熟な対応を一例として挙げた。彼は、“1972年、日・中国交正常化当時、中国は日本に対し、賠償請求を放棄する代わりに領土問題を保留するとした。”とし、“こんな論理を持って接近しなくてはならず、感情的に対応するのは通じない。”と指摘した。
(訳 柴野貞夫 2010・11・11)
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