（朝鮮民主主義共和国　労働新聞　2010年8月15日付論説）

http://www.kcna.co.jp/today-rodong/rodong.htm

日を追って、さらに強化されている（日本の）再侵略策動

（8月15日、日帝の敗亡と植民地統治からの解放の日に際して）

（ピョンヤン８月15日発朝鮮中央通信）15日付≪労働新聞≫に載せられた個人筆名の論説≪日を追って更に強化される再侵略策動≫の全文は次の通り。

65度目の8・15がやって来た。この日は、我が国が日帝の植民地統治の束縛から解放された歴史的な日だ。そして日本軍国主義が敗亡した日だ。

今日、日本はその時の恥ずべき敗亡の意味を、最大限に弱めて見ようとしている。

しかし、それは卑劣な処置である。日本は8・15を迎えて、当然、軍国主義の敗亡がどれ程悲惨なものであったかを顧みなければならない。

歴史には、侵略者達に対する記録が多くないが、日本帝国主義の様にそれほどまでに暴悪で、奸悪な侵略者、掠奪者、殺人悪魔達を知ることは出来ない。過ぎた日、日帝が我が国を始めとするアジア諸国を侵略し敢行した、血生くさい殺戮蛮行と略奪行為は、国際法的見地から見ても、人倫道徳と良心の見地から見ても、特大形の人倫的犯罪行為だった。

日帝は、真珠湾を攻撃するずっと以前から、アジアの諸国に対する侵略行為を敢行した。≪明治維新≫以後、旧日本が他の諸国に対して敢行した侵略と略奪戦争は、10余例にもなる。19世紀後半期から、朝鮮を始めとした隣国等に対する本格的な侵略の道に乗り出した旧日本は、20世紀初葉に≪乙巳（을사－ウルサ）5条約≫、≪韓日合併条約≫等を捏造し、朝鮮を軍事的に非法強占し、植民地化した。

朝鮮を、大陸侵略の足場としての兵站基地とし、日帝は1931年中国を侵攻し満州を強奪したのであり、1937年中日戦争を引き起こしアジアの広い地域に侵略戦争を拡大した。

≪大東亜共栄圏≫を叫びながらアジアの諸国を征服し、≪アジアの盟主≫に君臨し様と、気が狂ったように暴れた日帝は、大陸侵略戦争期間、アジアの人民達を次から次へ殺戮する極悪無道な反人倫的犯罪をやらかした。

太平洋戦争を引き起こした日帝は、ベトナム、ラオス、カンボジア、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン、インドネシア等、アジアの諸国を強占し、インド、ニュージランド、オーストラリアまで威嚇した。

アジアの諸国を侵略した日帝は、血生臭い殺戮と破壊、放火と略奪行為を業とした。

日帝は、インドネシアのある島で、数十万名の青壮年達を軍事基地建設の場所と戦場に強制で追いたて、その内、数多い人々を無残に殺害した。フィリピンのマニラを強占した日帝侵略軍は、足の向く場所でどこでも、人々を刺殺し、首を切って殺し、生き埋めし、焼き殺すなど、鳥肌が立つ殺戮蛮行を強行した。日帝侵略軍は防空壕に身を隠していた人々を探し出し、大人は無論、乳のみ子の幼児に至るまでも、母親の胸から引き離し、踏みつけるとか、首を捻って殺したのであり、それでも死ななければ銃剣で突き殺した。日帝殺人魔達は、この様にしても気に入らず、女性たちと子供たちの手足を切り捨て、彼らを、火が付く家に投げ入れたり生き埋めして殺した。マニラで日帝が、生き埋めして殺した人だけでも、およそ6000名にもなる。マニラは当時血で河を埋め、死体で山を築いた≪死の都市≫だったと言う。

日本帝国主義は、シンガポールで3万名を≪敵性華僑≫として集めて逮捕し、その内7000名を虐殺した。タイ・ミャンマー鉄道敷設工事場で6万余名の戦争捕虜兵らと、33万名の現地住民たちを駆り出し、酷使しその内10万名を虐殺した事実を通しても、日帝がアジアの諸国でどれほど多くの人々を残忍に殺し、不幸と苦痛を与えたのかと言う事をよく知る事が出来る。マレーシアで日帝の虐殺蛮行を目撃した人達は、≪とても、目を開けては見ること出来なかった≫と、言いながら、日帝侵略軍の野獣的虐殺蛮行を暴露糾弾した。

日帝は、さらに強占地域の諸国で、前代未聞の略奪行為を敢行した。

東南アジアのいろんな国々を強占した日帝は、この地域の資源を次から次へ略奪した。

日帝が、東南アジアの諸国で略奪した主要戦略物資は、石炭4650万ｔ、原油またその加工品1870万ｔ、鋼鉄490万ｔ、食料1100万ｔに達した。

それだけでなく、日帝は、石油、ゴムなど、戦略物資等に対する略奪を強化したし、アジアの諸国の貴重な文化的財宝などを次から次へ破壊、略奪した。　　

特に日帝は、朝鮮で、その類例を見る事が出来ない反人倫的犯罪行為を敢行した。日帝は無垢な人民達を次から次に逮捕、投獄、虐殺したのであり、朝鮮人民に、推し量ることが出来ない苦痛と災難をおっ被せた。

日帝は、結局侵略と戦争で亡んでしまった。戦争は、火を好むものは必ず焼け死ぬものと決まっているのであり、これは侵略者の必然的運命だと言うことを、歴史の教訓と真理として今一度刻んでくれる。

日帝が敗亡した時から、半世紀が遙かに過ぎ去った。過ぎた日、犯罪を犯した諸国が自己の間違いを反省し、賠償する事が一つの趨勢になっている。これは、過ぎし日の間違いを悔い改め、今後再びそんな犯罪を犯さないと言う意思の表現として、国際社会界の歓迎を受けている。

しかし、唯一日本だけは、昔も今も如何なる変化も見えていない。

むしろ日本では、軍国主義的思考観点と行動方式が世紀を続いて踏襲されている。

日本は軍国化の道へ一気に走る一方、再侵略戦争策動に拍車を加えている。

新しい世紀に入って来て、以前の首相だった安倍を始めとして、特級の戦争犯罪人の後裔らが、首相をはじめとする政権の中枢的席などに居座る事態などが広がった。彼等によって、日本の軍国化は早い速度で推進されている。≪有事時法制≫が完成され防衛庁が防衛省に昇格された。日本の極右翼勢力達が、露骨的に≪戦争≫説を触れ回り、言論達と文部科学省を始めとする政府機関らが過去歴史を歪曲し、互いに相づちを打っている。

朝鮮半島に向かい合った日本の西部地域等に、多くの軍事基地が整えられた。

何年か前、日本のある言論人は、≪日本の指導者達は、北朝鮮の軍事脅威を口実に、軍事大国化へと乗り出している。おそらく、日本が米国と共に戦争を引き起こせば、その対象は北朝鮮となるだろう。≫と、憂慮を表した。これは、日本の最初の再侵略対象が、我が国だと言う事を実証してくれるものだ。

この間、朝鮮東海で敢行された米国・南朝鮮合同軍事演習に、日本≪自衛隊≫の将校らが≪オブザーバー≫の資格で参加したことは、日本の朝鮮再侵略が現実化されていると言う事を実証してくれている。

いま、日本は海空軍戦闘力を増強する一方、国防の中心を日本の西南方向に拡大しようとしている。この様にすることで、朝鮮半島のみならず、中国の広い大陸まで、再侵略対象範囲に包括させようとしている。

これは、日本が過去日本帝国主義の侵略の歴史を、そのまま繰り返そうとしていると言う事を見せて呉れている。

過去、日本軍国主義の敗亡は、避ける事が出来ない歴史の必然だった。今日の日本が、さらに再び再侵略の道に踏み込めば、その敗亡もまた、歴史の必然となるであろう。（終）

（訳　柴野貞夫　2010年8月16日）