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(韓国民衆ネット言論、オーマイニュース 2010・6・16)

http://www.ohmynews.com/NWS_Web/view/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0001401299&PAGE_CD=18

 

 

105位、最下位の善戦…最古参、チ・ユンナムのゴールが輝いた。

 

 

[南アフリカ共和国ワールドカップ] 6・15、10年目に見た北韓―ブラジルの競技・・1-2の借敗

 

チョン・スグン


 

地球村には、今ワールドカップの祝祭が最高潮だ。この前の世界人の祝祭で、韓国はギリシャとの最初の競技を、2対0で勝利する事で、16強の高みに大きく近付いて立ったのであり、それによって、大韓民国の至る所がサッカーで馬鹿騒ぎです。

 

この熱い熱気の真ん中で、16日の明け方3時半、北韓とブラジルの競技が開かれました。その競技を見て、私は今この文を書いています。我が大~韓民国の競技でもないのに、どうして私は、今日この時間に眠りもしないで、この競技を見ているのでしょうか?ブラジル選手たちの絢爛たる足のわざを見たいからでしょうか?無論、そんな理由も全くない事はないのですが、さらに大きい理由は、即ち、‘北韓’が競技をする為です。我々と同じ民族が44年ぶりにワールドカップの舞台に再び出戦し、初めての競技をする意味深い日である為です。

 

スポーツは、こんな状態で良いのでしょうか?この地球村の祝祭であるワールドカップでは、南北分断も、ヨンピョン(延坪)海戦も、チョナン艦事態もありません。もっぱら見えるものは、我々と皮膚の色、頭の色が際立って同じで、我々の言葉を使う選手たちがいるだけです。チョン・デセ、アン・ヨンハク、チ・ユンナムなどなどの、親しくした彼等がいるだけなのです。

 

そして彼等が、世界最強のブラジルを迎え、善戦する事を願う気持ちだけです。そうなのです。ブラジルではなく、私は北韓を応援しています。

 

 

○6・15、10周年に開かれたワールドカップの意味

 



△  チョン・テセ(鄭大世)の涙。北韓サッカー代表チームの攻撃手チョン・テセが16日明け方、南ア共・ヨハネスバーグ技場で開かれた最初の競技、ブラジル戦の式典行事で、北韓国歌が響き渡るや涙を流している。

 

 

15日は、6・15の10周年となる歴史的な日でした。ちょうど10年前の2000年6月、分断された南と北の首脳が、互いに手を握り合った日の感激を忘れることが出来ません。そのまま、統一の道が大きい足取りで近づいた様でした。その後に、北韓は、これ以上敵ではありませんでした。「一方的支援」であったであろうが、そうでなかろうが、それが重要なことでは決してなかったし、我々が先に手を広げて歓待をするや、彼等も我々の懐に駆けつけたのです。

 

それ以後、すぐる8年間は、南と北の我々が同じ民族である事を再確認していく時間でした。離散家族の対面があったし、南北の鉄道が連結されたし、クムガングアン(金剛関)観光が始められました。南韓企業がケソン(開城)工業団地に入居したし、南北陸路も連結されました。こんな過程を経ながら、すでに北韓は、これ以上、過去の傀儡政権ではない我々の隣人であり友として、統一の礎石が堅く置かれたのです。

 

そうした事が、2年前(政権に)踏み込んだイ・ミョンパク政権によって、完全に変化してしまいました。この間の南北関係を「一方的支援」だったと断定しながら、もはや、どんな条件もない「一方的支援」は無いとして、核を放棄する前には、援助する事は出来ないと態度を急変してしまいました。そうしながら、南北関係が急速に冷え始めるので、結局はチョナン艦の様な事件が起こったのです。

 

チョナン艦に対して、いろんな疑惑を言いますが、それが北の所業なのか、そうでないのか、問題は過ぎた10年間の‘我々の民族同士’を叫んだ南北関係が仲たがいしてしまった為に、今日のこんな事態まで来る事となったことは明らかです。

その責任から、イ・ミョンパク政府は絶対逃れる事は出来ないのです。

 

 

○サッカーで、再び一つとなる南北を夢見て。



△挽回ゴールを決めて、歓呼するチ・ユンナム。16日明け方、南ア共和国ヨハネスバーグ・エンリスパーク競技場で開かれた、北韓とブラジルの試合で0対2と後れを取っていたあと、後半44分、チ・ユンナムが挽回ゴールを成功させた後、歓呼している。

 

 

その為だからです。6・15、10周年を迎えたこの時点で開かれた地球村のワールドカップで、南と北がスポーツを通して、もう一度、おなじ民族であることを確認する事となるのを願うのです。

 

北と南がみんな善戦し、見事な勝利を収めながら一緒に16強へ、8強へ、進出する事が出来る事となるのを願うのです。

いや、すでに選手たちは、同じ心の様です。既にギリシャと評価試合(ウォオームアップ・マッチ)を経験してしまった北韓チームのチョン・テセ選手は、ギリシャの弱点を伝えながら韓国チームの善戦を願ったと言う話をすることもしました。我がチームの選手たちもまた、北韓の善戦を願うのは同じ事であると言う気がします。選手を超え、わが国民達の願いもまた同じでしょう。

 

しかし、今日寝そびれながらも、この競技を見守る理由です。特にフィファ(FIFA)ランキング1位のブラジルを相手に、出戦国中最も順位が低い105位の北韓選手たちが見せてくれた闘魂は、実にすばらしいものでした。特に出戦選手中、最古参であるチ・ユンナムが、世界最強のブラジルを相手にゴールまで成功させる時は、(感動で胸が)ジーンとした興奮のるつぼが広がるのでした。

 

たとえ、2対1で北韓が負けたとしても、44年ぶりに本戦舞台に立った出戦国の中で、最下位である北韓チームが、1位チームを相手にゴールまで入れ善戦した事は、事実上負けた競技ではありません。この日、衛星中継の解説を担当した解説者のチャ・ボンクンの言う通り、“北韓チーム、本当に良い戦いでした。”いや、今日の競技を観覧した多くの人々が北韓チームの闘魂に拍手を送る事でしょう。

 

そうなんです。南と北がこの様に最善を尽くし、よい成績を収めながら、共に16強に進出する事が出来るのを希望して見ます。ですから、サッカーで一つになった南と北を熱望し、サッカーを通した南と北の人民たちが、予め統一に声を張り上げる事が出来る事を、懇切に希望してみます。

 

韓国チームと北韓チーム、彼らの善戦を祈願します。

 

(訳 柴野貞夫 2010・6・18)