(韓国 ハンギョレ紙 2008年11月29日付 記事)
(ハンナラ党の政策)非正規職契約期間、二年→四年延長)
http://www.hani.co.kr/arti/society/labor/324727.html
李明博政権が、「非正規職保護法」の改悪を画策、
正社員化の条件を4年に延長
(記事解説)
[28日、ハンギョレ紙が、「非正規職保護法」改悪の動きを、韓国政府労働部の内部文書で入手した。現行「非正規職保護法」は、企業に対し派遣雇用の期限を2年間とし、勤務期間が2年を超過すれば正社員を義務付けたが、今回、与党ハンナラが、進めている「改定案」は、「雇用不安を改善する」と言う名目で、期限を4年に延長し、非正規職労働者の正社員化の道を回避しようとする資本の要求に従ったものとして、韓国民主労総だけではなく、大統領選挙で李明博を支持した韓国労総さえ、抗議の声をあげている。
正規労働者を、非正規労働者に置き換え、労働者の人権を蹂躙、あらゆる法の保護の外に放り出した日本資本家階級が推進した「労働者派遣法」の野蛮性と比較したとき、ノ・ムヒョン政権時施行された「非正規職保護法」は、日本と比較できない強力な労働運動の存在によって、日本の「労働者派遣法」よりも進んでいる事がわかる。1897年「IMF危機」の再現とも言うべき、今回の米国発金融危機を、労働者階級への全面的犠牲転嫁で乗り切ろうとする韓国資本と李政権。ハンナラ軍政与党は、「保護法」の改悪を意図している。非正規職が50㌫を越える韓国は、日本の明日の姿だ。] (訳者)
(以下 記事本文)
△写真 「非正規職弾圧反対!李明博はレッドカード!」と書かれている。
〇(ハンギョレ紙が)李政府労働部の‘綜合対策文件’書で、初めて確認
〇派遣対象業務拡大もあり、・・・労働界―政府の衝突の予告
〇反発激しいと、直ぐ‘与党議員 代表発議’に、方針変えて、
政府と与党が、非正規職労働者の使用期間を延長する内容を骨格とした、非正規職保護法改定案を推進する事が確認された。特に、政府・与党は労働界の反発を憂慮、政府立法でない与党議員が、代表発議する形式を取るなど、強行処理の動きを本格化しており、改定案を取り巻いた労―政の衝突が予告される。
28日、<ハンギョレ>が入手した、(政府)労働部の‘非正規職雇用改善綜合対策’を見れば、労働部は、“期間を短縮したり、使用事由を制限する方式は、雇用不安を解消する事ができる代案ではない”とし、“期間延長は現実的で不可避な、今では最善の選択”だと念を押した。この間、イ・ヨンヒ長官など、労働部関係者達が公然と‘使用期間の延長不可避’を言及はしたが、労動部次元の期間延長方針が公式文書として確認されたのは今回が初めてだ。労働部は特に、“期間制勤労者(平均勤続2年4ヶ月)の正規職転換率は、8㌫である反面、繰り返し更新者(4年4ヶ月)の53・6㌫”だと明らかにし、現行2年である使用期間を4年に延長する方針をほのめかした。労働部は、“来年初めから、雇用不安が可視化される可能性が大きく、年初まで法の補完が必要だ”と明らかにした。
昨年(2007年)7月施行された、非正規職保護法は、非正規職の雇用期間が2年を超過すれば、正規職に転換するようにしており、法施行満二年を前にして、正規職転換が本格化することとして予想されて来た。労働部はこれと一緒に、特定業種に制限された、派遣勤労対象業務の拡大も‘綜合対策’に入れて検討する事とした。労働部は最初、こんな内容を盛って、政府立法を推進しようとしたが、労働界が強く反発するや、与党側(ハンナラ党)と協議し、アン・ホンジュン、ハンナラ党・第五政策調整委員長が、代表発議する側に、推進方法を変えたことで知られた。アン議員側は“使用者と労働界の声を等しく盛る”と明らかにしたが、労働界が総力阻止を公言しており、処理過程で痛みが予想される。
ウ・ムンスク民主労総スポークスマンは、“民主党・民主労働党と協調を強化して、法案通過を食い止める”と明らかにし、ソン・チョンホン韓国労総事務処長も“労使調停委の論議も無視し、政府・与党が法案を発議すれば強力な闘争に立ち上がる”と警告した。韓国労総出身のキム・ソンテ、ハンナラ党議員は“労働部が、労使調停委員会で労働団体等と論議する手続きも無視して、非正規職使用期間延長を推進すれば、さらに多くの葛藤を引き起こす”と憂慮した。(チェ・ヘジャン、ファン・エラン記者)
(訳 柴野貞夫)
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