柴野貞夫時事問題研究会HP

（韓国　ハンギョレ紙　2008年9月22日付）

麻生総理の登場を憂慮する理由

〇　極右民族主義的世界観を持った麻生を選んだのは、日本社会の雰囲気の反映である。

〇　朝鮮人強制徴用者の搾取で悪名高い、この麻生炭鉱の末裔は、“強制徴用はなかった”と強弁してきた。

〇　麻生は、日本の植民地支配と軍国主義のあらゆる過去を肯定し、今、帝国主義日本の大東亜共栄圏の主張を連想させる‘一つのアジア’を主張している。

（本文から要約ー訳注）

昨日、執り行われた日本執権自民党の総裁選挙で、麻生太郎幹事長が勝利した。麻生総裁は、明日総理に正式に就任した後、その余勢を駆って衆議院を解散し10月か11月中に総選挙を行うものと見られる。それゆえ、新しい選挙を勝利で導くことが出来なければ、短命な総理として終る可能性がある。

そうであっても、我々は麻生総理の日本に、憂慮を表明せざるを得ない。

彼が自民党の中だけでなく一般国民らの間でも、高い人気を受け圧倒的に当選したことは、日本社会の雰囲気を反映すると見るためだ。

アジア重視を掲げた福田前総理の時節でも、日本は、独島を自国の土地だと教科書に明記するまでして我々と葛藤を引き起こした。それで始まった両国関係の梗塞はまだ解消されなかった。

こんな状況で、極右民族主義的世界観を持った麻生が総理に登場するのであるから、韓日間係の改善は更に遠のく可能性が大きい。

彼は、‘失言の製造機’と言う別名がつくほどに他国を刺激する妄言をぶちまけ物議をかもしてきた。

朝鮮人強制徴用者の搾取で悪名高い、麻生炭鉱の創業主の後裔である彼が、“強制徴用はなかった”と強弁した事は良く知られたことだ。

“創氏改名は、朝鮮人が願ってした事”だったし、“日本が植民地に義務教育をした御蔭で台湾が現在の様に発展”したとし、2007年、米下院で通過された‘日本軍隊慰安婦非難決議案’は、“客観的事実に基づかないもの”と言うのも彼の考えだ。

日本国王（天皇）自ら、中断した靖国神社参拝問題と関連して、彼は総裁選挙期間である今年9月にも“靖国参拝に反対するのは韓国と中国だけ”とし、国王（天皇）の参拝を主張した。

この様に、日本の植民地支配と軍国主義の過去に対して、徹底した無反省で一貫した彼は、驚くことにも‘一つのアジア’を主張する。

問題は、彼のアジアは、互いに尊重する共存のアジアでなく、“先駆者日本”の一方的主導の下にあるアジアと言うことだ。富国強兵を通して日本が自由と繁栄を享有するアジアを主導する力を養わなければ成らないと言う彼の主張は、帝国主義日本の大東亜共栄圏の主張を連想させる。

こんな視角を持って、周辺国と友好関係を企てると言うのは、虚言にすぎない。

麻生総裁が真に一つのアジアを願うなら、過去史に対する妄言を撤回し真摯に反省する事から始めなければならない。

そうでなければ、彼も日本も、周辺国の信頼を受けることは出来ない。