(韓国民衆言論 チャムセサン 2008年9月17日)
http://www.newscham.net/news/view.php?board=news&nid=49579
対テロ戦争7年、アフガンに何を残したか?
[9・11以後、世界は](1)―死と絶望の土地アフガン、憤怒の芽だけ開いて・・
ピョン・ジョンピル記者
米国防部は、アフガニスタン刑務所の収監者達を相手にした、諜報収集の強化のため審問専門家と情報分析家を大幅増員し、現地へ派遣する方針だと明らかにした。日刊紙,USAツデイは16日、2001年米国のアフガニスタン戦争で崩壊したタリバン勢力が攻勢を強化すると同時に、米軍がアフガンに長期駐屯しようと言う計画を示唆してくれるものだと、この様に報道した。
2001年9・11テロが発生した後、ブッシュ大統領は即刻オサマビンラデンを背後として目をつけた。そして、オサマビンラデンが身を隠しているアフガンに、オサマビンラデンを引き渡すことを要求した。しかし、当時アフガン・タレバン政権は米国の要求を拒否した。結局米国は、2001年10月対テロ報復軍事作戦としてミサイル攻撃を断行する。
しかし、7年が経ってゆく時点で、アフガンに対する戦争はまだ進行中だ。むしろ、2007年からは更に激烈な様相を見せている。
イラク派兵、米軍アフガンに向かう
去る16日、ロバート・ゲイツ米国防長官がアフガン首都・カブールを電撃訪問した。この日アフガン駐屯米軍最高司令官は、ゲイツ国防長官に戦闘軍増員を要請したという。デイビッツ・メキオノン、アフガン駐屯NATO軍司令官も、タレバンとアルカエダ等を相手にする為に一万名以上の戦闘兵力が更に必要だと、記者会見を通して要請した。
先に、米国防部は二千名の海兵隊兵力を、来る11月までにアフガンに派遣し、タレバン勢力の攻勢に対応する方針だと明らかにした。ブッシュ大統領は、イラクから撤兵したあとアフガン兵力に配置できるだろうと示唆している。
現在、アフガン駐屯米軍は、約3万3千名で世上最大であり、40カ国が派兵した6万5千余名の軍隊も現地で作戦を遂行中である。
アフガン軍の数も、4年以内に、現在の2倍である13万4千名に増やすだろうと米軍当局者が11日明らかにした。
タレバンと抵抗勢力の反撃は激しくなって
米国とNATO軍が、兵力増強を要請する背景には、2001年当時ひと月程度でカブールを陥落して、12月にはタレバンの拠点であるカンダハルまで陥落し、勢力が萎縮されたタレバンが、また攻撃を強化しているという判断でだ。
タレバンが再び勢力を広げている徴候は、いろんな所に感知されている。今年春、タレバンが攻撃再開を宣言した後、4月にはハミド・カルザイ、アフガン大統領に対する暗殺の試みが、6月には抵抗勢力がカンダハルの監獄を攻撃し、千名ばかりの収監者が逃走する事が発生することもした。
▲ 国連のアフガン危険地域表示(2003年現在)赤色が国連が危険地域として分類した所で、米軍とNATO軍が掌握出来ない事を意味する[出処:NYT]
▲国連のアフガン危険地域表示(2005年現在)2003年に比べ赤い地域が増えた[出処:NYT]
▲ 国連のアフガン危険地域表示(2007年現在)赤い地域が継続拡散されている
イントプレス(IPS)は、7月最近に入って、タレバンはカブール近隣地域にしきりに出現しているとし、夜は殆んどタレバンが統治している状況だと報道した。イントプレス(IPS)は、トゥナル、ヌリスタン地域で、警察はこれ以上検問所を守ることは出来ず、タレバンが殆んど掌握している水準だと付け加えた。カナダのグローブエンドメイル紙も、埋める地図の米国政府文書を入手して、カンダハルは殆んどタレバンによって統治されており、勢力を拡散していると報道した所だった。
タレバンは、9・11テロ七周期を迎えて、“アフガンを侵攻してから7年目を迎える米国は、歴史的な敗北を前にしている”とし、“米国はアフガンで歴史的な敗北に直面していないのか?NATO軍は、たびたびムジャヘディンによって敗退しなかったか?”と言う内容の声明を発表し、自信を表現することもした。
タレバンと抵抗勢力の攻撃が激しい事に従って、米国とNATO軍の作戦も継続して増大している。
去る8日発表されたヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)の報告書によれば、2,008年上半期の間に連合軍は362トンの弾薬を使用し、2006年対比2倍に増加した。落とした爆弾とミサイルの数も1853基に達し、昨年に比べ40%増加した。
タレバンと反軍の攻撃と抵抗が激しくなると、米軍死亡者の数も最高を記録している。今年に入って、死亡した米軍戦死者数は全部で112名、開戦以後戦死者数が最も多かった昨年の記録である111名を、通り越したとAP通信が11日報道した。
米軍の誤爆で民間人の死亡急激に増加
しかし、増えるのは米軍を始めとする連合軍の死亡だけではない。米軍の性急な作戦によった誤爆と空襲で、民間人死亡者が継続して増えながら、アフガン人たちの憤怒も極端に表出されている。
今年上半期、少なくとも540名以上の民間人が死亡したし、この数値は、2006年116名、2007年321名より、急激に増加した。
甚だしくに至っては、カルザイ大統領さえも、米軍を始めとした連合軍に戦術の変化、これをしたければ小銃の使用、民間人被害が予想される所に対する攻撃遅延、家宅捜索権限をアフガン軍に引き渡すことを要求している状況だ。
8月22日には、米軍とアフガン軍の作戦で90名の民間人が死亡したとアフガン政府並びに国連(UN)調査団が明らかにして、続いて25日と30日の間には、ヘルマント州では米軍の空襲で70名が死亡したと地域住民らが主張している。
7月にも、米軍の空襲で結婚式場に爆弾が落とされ、47名の民間人が結婚式場で死亡したし、この事件が起こったあと、二日後にまた15名の民間人が米軍の空襲で死亡することが発生したりした。
この事件が発生した当時、一人の住民は“カルザイは、殺人魔達を引き渡さなければならない。そうしなければ、我々が 、首をくくるかどうかと言うことではないか?そうでなければ、辞任せよ”、と言って、憤痛を爆発する事もした。“もしカルザイが、それでもしなかったら、我々は家を出て、我々の手で直接問題を解決するつもりだ。”と、外信に語った。
米国の作戦が増えるとともに、空襲と誤爆による民間人の死亡も増えている。ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は“空襲による被害は、即刻的な民間人の死亡としてだけ制限されない。”とし、家屋と財産の被害、爆弾によって家を去らなければならない状況が広がっていると指摘した。
死と絶望の土地アフガン、憤怒だけ芽を開いて
戦争の7年、アフガン人たちの人生(いのち)は酷(むご)い。増えている屍だけではなく、生きている人々の人生も同じだ。
多くのアフガン人たちは、現在、貧困とインフラの問題を解決しなくては、アフガン軍らが暴力を行使すること以外、何の答えを求めることが出来ないと主張している。
2002年から250億ドルの国際援助が約束されたが、今年6月まで150億ドルだけがアフガンに入ってきた。しかし、カブールに位置する一つの救護団体は、“このうち40㌫は、供与国に企業利益と賃金の形態で戻っていく”と指摘した。結局、アフガン人たちには戦争の苦痛だけが彼等に帰っていく取り分である計算だ。
▲アフガンの子供達が救護品を受けている[出処:WFP/Clive Shirlei]
▲[出処:WFP/Clive Shirley]
アフガン政府は、全体の450万アフガン人中、17㌫が食料不足また、食料価格の上昇で“高い危険”を経験しており、少しずつ、また多くの女性たちが絶望に落ち込み売春をしていると明らかにした。母性死亡率は、世界2位、公式失業率は50㌫を上回っている。
今年は、アフガン領土の半分ぐらいが旱魃で、住民等の命(いのち)は更に不安と絶望に落ち込んでいる。
(訳 柴野貞夫)
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<参考> 当サイト 世界の新聞から( 以下の記事を参照して下さい。解説もあります)
☆ 24 韓国人、拉致なぜ?(韓国・チャムセサン・韓国民衆言論 2007.8.5)
☆ 26 戦争と虐殺に同調する(韓国軍)派兵が、大切な命を犠牲にしている(韓国・チャムセサン・韓国民衆言論2007.7.28)
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