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シリーズ3



日本資本家階級(日経連)とその代理人安倍自民党政府は“憲法改正”と“民衆への悲惨な犠牲の転化”によって、人間性腐敗社会を作ろうとしている。



①  近頃、経団連と安倍自民党政府のスローガン“国際競争力の為に”とは資本家の利益を守る為には、働く民衆の犠牲だって必要だと言うのと同義語だ。



● 彼らは1960年代「社会主義」に対抗し、働く民衆に「高福祉社会」の夢を語り「資本主義」への期待をばら撒き、国民統合のイデオロギーとして来た。しかし1970年代、ドルの崩壊(1971年、ドルの金交換の廃止と変動通貨制への移行によってドルの世界支配は基本的に終わりをつげた)はアメリカの債務国への転落を決定付け、日本とEU各国は自立した帝国主義として米国と共に一国的利害をぶつけあう事になる。しかし従来、帝国主義各国の資源市場として、侵略の対称であった中東・ラテンアメリカ・アフリカの民族は自立をとげ、資本主義世界に組み込まれた「社会主義国」中国の存在は、世界の帝国主義者にとって市場分割と資源市場をめぐる争いで戦争と言う手段での解決を極めて困難とした。(イラクに対する米国の侵略は完全に破綻した)それどころか、資本主義各国を行き場のない国際市場競争に投げ込んできた。「福祉国家」の夢どころか「国際競争力」の為に働く民衆の犠牲によってしか活路を見出せないのである。



  ② 働く民衆を国家に取り組んでいくイデオロギーとは。



   ● 資本家は働く民衆を「福祉国家」の夢の換わりに、村上ファンドの代表である村氏やライブドアー前社長の堀江氏のように、金持ちになれるかも知れないと言うマネーゲームの夢と共に、「押し付け憲法」論が日本の自立を妨げて来たという日本人の自尊に訴える新たな国家イデオロギーによって、体制に取り込もうとしているのである。資本家とその国家によって、低賃金を押し付けられ資本家による独裁は支配から身を守る法的な権利さえ奪われ、尚残された生活費を重税攻勢で国家によって吸い上げられている(定率減税廃止・医療保険・介護保険・住民税・消費税等)働く民衆を、それでもまだ、その苦しみに耐えても良いと思わせる国家イデオロギーによって支配しようとしているのである。



③ 日本国憲法第9条(1項・2項)”の削除の目的は、民衆を資本家階級の戦争に狩り出し、資本家による極限の収奪を守る“国家体制”と“イデオロギー”の準備である。



● それは、1938年代のドイツのナチズム、明治から太平洋戦争における日本天皇制軍国主義と「大東亜共栄圏」、そしてアメリカ帝国主義の「対テロリズム」は民衆の意識と思想を国家イデオロギーによって直接支配し、体制に組み込まれたその民衆によって社会が支えられていると言う恐るべき人間性の腐敗社会を生み出すであろう。即ち。「民衆の国家への統合」である。侵略や殺人さえも正義と国家の為の国民の義務として合法化される。「日本国憲法第9条第2項」の削除は、日本の自衛隊を名実ともに「軍隊」として明記し“日米軍事同盟”の下での“集団的自衛権”の行使に法的根拠を与え、米軍と共に日本の自衛隊を海外に派遣し戦争行為を厭わず、“国際市場”での暴力装置として海外に送り込む事を“合法化”し、常設の軍事裁判所(自民党案)は、徴兵制に反対し、資本家たちの戦争に反対する民衆を“国民の敵”として抹殺するであろう。“教育基本法”の改悪で露呈したように“思想を裁く”法律が、過去の“治安維持法”のように新しい装いで登場するに違いない。



   ④ 資本主義の解体に向かう民衆の意識の結集こそ、非人間的な資本家階級に対する反撃となる。


   ● 従って今、我々に求められるのは、働く民衆による自立した意識の再武装・資本主義の解体以外に生きる道はない事の自覚である。資本主義の存続を前提としての資本家階級への闘いではなく、その解体の闘いに向かって、あらゆる民衆の運動を結集する為の準備をすることが求められている。我々、時事問題研究会は、かかる問題意識に基づいて日本と世界の現象の分析し、それへの批判にとどまらず、現象の本質の理解を通して、国家権力に対峙した民衆の意識の自立的な組織化へ向かって進む決意である。多くの民衆の参加の下で今後、定期的に分析と情報を示していくであろう。