日本を見る→最新の時事特集(2008・2・11)
「福田を倒せ!改憲とめよう!2.10集会」が大阪で開催された
日曜日午後、人が溢れる大阪の中心街(梅田)を、次のようなスローガンの下、400名余の戦闘的デモが繰り広げられた。メインゲストとして、米軍基地撤去と日本軍の集団自決強要の歴史改竄と戦う、沖縄・読谷村(よみたんそん)村議・知花昌一さんが参加した。
○ 内なる格差(派遣・非正規労働)、外への戦争(民族排外主義と改憲)攻撃を打ち破ろう!
○ 憲法調査会始動・派兵恒久法阻止!イラク・アフガン侵略戦争と加担をやめろ!
○ 世界の富を収奪し、侵略戦争を繰り返す世界帝国主義者の国際会議、=G
8サミットを粉砕せよ!
○ 民族差別を煽り、北朝鮮への侵略策動をゆるすな!
○ 日米帝国主義の世界侵略基地、沖縄の軍事基地をなくせ、日米軍事再編による「辺野古新基地建設」阻止!
○「朝鮮半島有事」の軍港化を視野に入れた、成田空港での三里塚農民の土地「強制収用」の再開=農地と農業の破壊を阻止し、3・30三里塚闘争に結集しよう!
3月10日(日)、午後1時30分、大阪住まい情報センターに、2・10行動に賛同する19団体(「止めよう戦争への道!百万人署名運動」、「9条改憲阻止の会(関西)」、「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」、「三里塚決戦勝利関西実行委員会」、「青年アジア研究会」、「反入管法運動関西交流会」、「辺野古に基地を絶対作らせない大阪行動」、「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部」、「関西労組交流センター」、「婦人民主クラブ」など。)と個人賛同者が集会を持ち、次のようなアピールを採択した(要旨)。
「自公政府・支配階級は、06年末の教育基本法改悪、07年の国民投票法の制定を強行し、憲法改悪に本格的に手をかけてきました。小泉政権を受け継いだ安倍政権は、最初から改憲を掲げた極右政権でしたが、そのあまりにも性急な(民衆への国家主義的な)攻撃と、格差・貧困の拡大に対する労働者民衆の怒りの中で、07・7月参議院選挙で大敗し、政権を放り投げました。福田は、安倍の政策を修正しているかに見せて、目指しているものは小泉安部路線そのものです。
対テロ特措法期限切れを、衆議院の三分の二の多数決で参議院の意思を無視し、自衛隊再派兵を強行した一方で、福祉を切り捨て差別を煽り民衆を分断するのも、小泉・安倍路線の踏襲です。
一方野党の民主党は、労働者民衆の戦いを見ながら、空きあらば(自公と)大連立を組み、憲法改悪をねらっています。我々(民衆の側)はセクト主義を排し、小異を残して大同につき、職場地域に根ざした広範な共同闘争で、労働者民衆を戦争野尖兵にする憲法改悪を阻止しなければなりません。」(アピール)
沖縄、読谷村議・知花昌一氏「沖縄は、二つの教訓を持っている」
「軍隊は、国民を守るためにあるのではないと言う事と、教育の恐ろしさだ。」
メインゲストとして参加した、沖縄・読谷村村議、知花 昌一さんは、沖縄戦の「日本軍による集団自決」の事実を掘り起こし、また、米軍基地・象の檻を奪還、米軍基地問題の先頭にたって戦ってきた。挨拶で「沖縄県民は、二つの教訓を身に沁みて持っている.軍隊は、国民を守る為にあるのでは無いと言うことと、(国家が支配する)教育の恐ろしさだ。」と指摘した。
「高校社会教科書の、集団自決の記述に対する国家の検定修正意見撤回を要求する9・29県民集会に、12万もの人々が結集したのは、県民の、日本軍による歴史体験が凝縮されている。県下41市町村が声をあげ、一部右翼を除く保守革新の老若男女が結集し、日本政府の歴史改竄に抗議した。その後の政府の“検定意見の撤回”は極めて不十分なものである。米軍再編による辺野古基地新設阻止に身を賭して戦う決意だ。」と述べた。
また、米海兵隊岩国基地の空母艦載機移転反対を理由に、政府がカットした市庁舎建設補助金に代わる合併特例債を充てる予算が自公と保守が多数を占める議会で四度に亘って否決され、民意を問うとして行われた市長選挙に触れ、「今朝ここへ来る途中、前市長・井原氏の応援に街頭に立った。しかし、岩国市中心部は別として、合併に伴なって増えた周辺市町村住民が、基地の影響に関心が薄いことと、自民・公明候補福田の、“国から金を引き出さなければ夕張になる”と言う利益誘導選挙によって、勝利は極めて困難な状況だ」と報告し、「しかしわれわれの、改憲阻止、米軍基地撤去に向けた戦いは、決して負けない大きなうねりとなっている。」と締めくくった。
「明文改憲を阻止する戦いは、小異を棄てて大同につき百万人規模の巨大な行動に!」と『とめよう戦争への道!百万人署名運動』の小田原牧師
次に、基調講演を行った「止めよう戦争への道!百万人署名運動」事務局次長の埼玉県の牧師・小田原紀雄氏は、「国家権力は、“法の外に例外を作り”それを当たり前の状態とし、“法の外にある法的なもの”としてでっち上げると言う横暴を、権力の暴力の下に実行しているのだ。日本国憲法の上位に、「解釈改憲」と「日米安保」が存在し、「テロ特措法」という自衛隊の参戦行為が、日本国の憲法の外で容認されている。米国のイラク、アフガンの無法な侵略行為も法の「例外行為」を法の上に置くものだ。その意味で、我々の明文改憲を阻止する戦いは、世界を変える戦いである。パレスチナや、アフガン、イラク、全世界の民衆と共に戦う国際闘争である。マルクス主義者も仏教徒もキリスト教徒も、小異を棄てて大同につき、この国家の横暴と戦う、戦争と改憲阻止の国民大運動を百万人の規模で結集して行こう。」と呼びかけた。
自衛隊員の戦争拒否行動を組織する、「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」
「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」代表からは、「自衛隊員24万人の中の多くが、戦争をするために自衛隊に入ったのではないと言って、事実上の戦争拒否行動を行っている。北海道では現役婦人自衛官が、上官のセクハラを訴え出たら逆に処分され、それを不当として裁判闘争を行っている。われわれは、日常的な“駐屯地行動”を通して戦争拒否の隊員を組織し家族を支える戦いに取り組んでいる」と報告があった。合同労組の代表からも、「格差社会の犠牲者の子弟が、イラクに送られているのは米軍も自衛隊も同じである。反戦闘争は資本家階級に対する戦いだ」と主張した
「君が代、日の丸」を学校に持ち込ませない教師の戦い
「みんなでとめよう教育改悪!全関西の集い実行委員会」代表の、小学校女性教師は「教育現場での教育法改悪を阻止する戦いへの取り組みの中で、自身の学校(高槻市)では、いまも職員会議の議論を通して「日の丸、君が代」を許していない」と力強い報告があった。
パトリオットミサイルの配備を阻止する戦いを行っている仲間
関東で、パトリオットミサイル(PACV)の導入に反対している組織の代表は、「ありもしない北朝鮮の攻撃をでっち上げ、飛び散る破片が20qに及ぶミサイルを“首都圏の防衛体制”として都市のど真ん中に置く国家の戦争準備と戦っていく。」と訴えた。
国会前座り込み闘争を継続する「9条改憲を許さない5・3行動」
国会前座り込み闘争を継続する「9条改憲を許さない5・3行動」の代表、前桃山学院大学経済学部長・小川登氏からも、改憲阻止闘争を広範な民衆多数派の統一行動に、更に拡大するための提議がおこなわれた。
参加した400名は、「福田を倒せ!改憲とめよう!」の横断幕を先頭に天神橋六丁目から梅田まで、多数の市民が見守る中、力強くシュプレヒコールを行いながら、デモ行進をした。いつもながら、交通整理の警官よりも数倍の公安警察の私服がデモ隊の回りを帯同し、面割りなど、市民の表現と思想の自由に対する侵害をおこなった。(文責 柴野 2008・2・11)
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