東電・福島原発の炉心融解(メルトダウン)と、核爆発の危険性を隠ぺいしてきた
東電と菅政府の責任を追及する!!(2011年3月12日)
柴野貞夫時事問題研究会
日本政府は、昨日(2月12日)、発生した東京電力福島原発1号、2号機の原子炉緊急冷却装置(ECCS)稼働装置の損傷・故障により、<炉心融解>(メルトダウン)が避けがたい重大事態を、情報を小出ししながら過小に報告し、国民の目を欺いてきた。
1979年3月28日米国・ペンシルベニア州スリースマイル島の原子力発電所で、給水ポンプ、蒸気発生器の不具合や非常用炉心冷却装置の誤操作などで、炉心溶解による核爆発を引き起こした。核被爆の影響は、即時的なものでなく長時間の経過で生れるものである事から、今も、その影響が問われている。
1986年4月26日、(当時)ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所4号炉の事故も、他でもなく、スリースマイルと同様、非常用冷却装置を含む安全装置の誤作動ないしは損傷による、<炉心融解>によって、核爆発を引き起こしたものである。この事故は、国家の情報開示の不正もあいまって、広島型原爆換算で500発分の放射性物質が、ウクライナのみならず、ロシア,白ロシア等広範囲にまき散らされ、当時発電所を管理していた3000名の軍人が即死し、長期的影響を勘案すれば、数十万人の人々を死に追いやった大惨事となった。
政府は当初(11日午後10時)、枝野官房長官(会見)で、「2号炉の緊急冷却装置への電力供給の不具合について、燃料損傷に至らないように万全の態勢を取っている。」とし、緊急事態を発令して、3キロ以内の住民の避難を要請した。しかし12日午前2時半の会見では、炉心融解が2号機でなく1号機であったと修正し、電力会社からの虚偽情報を鵜呑みにした、事態に対する無責任を曝け出し、1号機周辺住民の避難範囲を10キロとした。
また、12日午後に至って、格納庫内の水位低下で核燃料棒が露出し、セシューム等の核物質が漏れ出た事を認めながら、炉心の圧力が高まり、炉心が過熱し、炉心融解・核爆発に向かう可能性に対し楽観的な談話を繰り返している。
NHKニュースに登場する東大教授・関村直人は、政府と東電の意を酌みながら、「格容器の中の原子炉は冷やされており、核燃料は閉じ込められている。」だから、「周辺住民は政府の指示に従って冷静に行動してほしい。」と、子供騙しの妄言を弄している。
損傷し露出した燃料棒が水蒸気と反応し核爆発を起こす可能性がある事は、すでに明確であり、しかも今回の原子炉発電所事故は、日本において経験のない初めての事故であ、「冷やす事が出来ないし、閉じ込める事が出来ない」状態が解決出来ないからこそ、東電も、原子力安全保安院も迷走しているのである。
もし、核爆発が引き起こされた場合の責任を国家と東電はどうするのか。
今、この原稿を書いている最中、NHKニュースは、東京電力福島原子力発電所で、地震の様な振動と爆発音が発生し作業員数人の負傷者が発生したと報じている。しかも炉心を囲む屋やが爆発し吹き飛ばされた。
日本の様な地震国において、原子力発電所はこれ以上建設することはできない。
山口県上関町田の浦の、中国電力原子力発電所予定地の、埋め立て工事を直ちにやめさせる戦いを支援しなければならない。
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