教育公務員特例法
高橋史郎 伊藤惇夫 金井壽宏 屋山太郎 本郷美則         真中行造
 教職員
 (教職員の職務
T 公務員の定義
 身分(特例法3)
 国立学校の校長、教員等は国家公務員の身分を有し、公立学校の校長、教員等は地方公務員の身分を有する。

 国家公務員と地方公務員(国公法2、地公法3)
 国家公務員は国の公務を担当する国の職員であり、地方公務員は地方公共団体の公務を担当する地方公共団体の職員である。

 教育公務員(特例法2 同施令1)
 国立または公立の学校の学長、校長、園長、教員(法律に定義)、大学の学部長、大学付属の研究所、病院及び図書館の長、ならびに教育委員会の教育長指導主事及び社会教育主事をいう。

 教員
 学校の教職員のうち、直接児童・生徒の教育に携わる者の総称であるが、法令によって範囲が異なる。
(1)学校教育法第1条にいう学校の教授、助教授、教頭、教諭、助教諭、養護教諭及び講師(常勤)。助手、養護助教諭、実習助手、寄宿舎指導員については準用。(特例法2条2項 同施行令2、3)
(2)大学、高等専門学校の教授、助教授、講師および助手。大学以外の学校の教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭および講師。(学校法7、28@K、40、50、58@A、70の6@A)

 教育職員
 (1)小学校中学校、高等学校、中等教育学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園の教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭及び講師(常勤・非常勤)。(免許法2@)
 (2)義務教育諸学校(盲・聾・養護学校では小・中学部)の校長もしくは教頭、または教諭、助教諭もしくは講師。(中立確保法2A)
 (3)義務教育諸学校等(・高等学校、中等教育学校、盲・聾・養護学校または幼稚園)の校長(園長)、教頭教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、講師(常勤のみ)、実習助手、寄宿舎指導員。(教職給与特例法2)
 (4)省略
 (5)省略

 教育職員の法令上の名称の違い
 一般職と特別職(国公法2@A 地公法3@A)
 (1)一般職とは、国家公務員または地方公務員の職のうち、特別職に属する職員以外のいっさいの職を含み、国家公務員法または地方公務員法の適用を受ける。(国公法2@A 地公法3@A)
 (2)特別職は、政策決定職、秘書の職、臨時または非常勤の職、その他法律で個別的に定められた職で、原則として国家公務員法または地方公務員法の適用を受けない。(国公法2B 地公法3)
 (3)省略

 校長・教員の採用・昇任と選考(特例法13)
 (1)校長の採用、教員(=教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、常勤講師、実習助手、寄宿舎指導員)の採用、昇任は、任命権を有する教育委員会の教育長の行う選考による。
 (2)したがって、県費負担教職員である校長の採用、教員の採用、昇任の際の選考を行うのは、都道府県教育委員会の教育長である。
 ・公務員は採用の際に服務の宣誓を義務づけており「私は日本国憲法及び各種法令を遵守します」と約束しているのである。
 各種法令とは「国家公務員法」や「地方公務員法」は勿論、各自治体における服務に関する「条例」、「規則」も含まれている。

 ・国や地方の公務員法には「職務に専念する義務」「上司の命令に従う義務」「営利企業への兼業や政治的行為の制限」「信用失墜行為の禁止」等が定められており、このいずれかに違反した場合は懲戒処分できるのである。
 高橋史郎 明星大学教授 正論7月号 平成16年度

 <教員について>
 1.法律に定める学校の教員は、法令を遵守し、国民から負託された崇高な使命と条件を自覚し、その職責の遂行に努めなければならない。そのために研究と修養に励み、資質と能力の向上をはかり、専門性を高めなければならない。

 2.教員は教育活動の全領域について、適切な指導と評価を受けるものとする。

 (注1)「教員の身分は、尊重され、その待遇の適性が、期せられなければならない」(第6条)と定めているのは、「国民から負託された崇高な使命と条件」があるからである。また、「教員の使命と資質向上」についての規定が不十分である。そのことを明確にする必要がある。

 (注2)2項を設けたのは、教員は常に自らの教育実践について適切な指導と評価を受けて、独善に陥らないことが大切だからである。
 伊藤惇夫 政治アナリスト 諸君11月号 平成16年度

 公務員は民間労働者と違い、労働基本権(団結権、団体交渉権、団体行動権)のうち団体行動権(スト権)を中心に一部が制約されている。その代償措置として人事院という「中立的」な機関が民間の給与水準との均衡を基本に給与勧告するというのが、このシステムである。
 金井壽宏 神戸大学大学院教授 諸君12月号 平成16年度

 ・本来公務員とは、広く社会(おおやけ)にお仕えするサーバントだった。このパブリック・サーバントという言葉は死後か。
 サーバントとは、けっして下僕とか、召使というわけではなく、奉仕する人を指すと思ってみよう。われわれは、自分達のことを思って、自分達のために尽くしてくれるひとを一番信頼する。だから、相手に奉仕するリーダーにひとはついていくものだ。
 われわれが、公務員の世界で責任あるポジションに就くようになったひとに望みたいのは、サーバント・リーダーシップだ。国家公務員なら国民のこと、地方公務員なら県民、市民、町民のことを思って、それらの人々に貢献したい、役立ちたい、尽したいと思えるひとが、役所の幹部にいてくれたら、世の中はだいぶ変わるだろう。

 ・サーバントの最大の特徴は、ご主人様のいう事を聞くという点だ。すぐに、サーバントを役所とそこで働くひと、主人を国民や住民と読み替えてみてほしい。サーバント・リーダーに徹するということは、本気で相手の要望を聞けるということだ。

 ≪次世代に遺す≫
 ・役所や会社のような複雑なシステムに予算などの仕組みをつかって人々を束ねるのがマネジメントで、今ある仕組みを組替えたり破壊したりしてでも新しい変革を導入・実現するために人々を動員して巻き込むのがリーダーシップだという。

 ≪キヤリア・アンカー≫
 ・経営学のなかでは、キャリアを歩む上で、どんなに仕事が変わっても、どのように非連続的な異動があっても、場合によっては組織ごと他の組織に替わることがあっても、そのひとがおよそ仕事を続ける限り絶対に犠牲にしたくないと思うほど、大切にしている拠り所のことを、キャリア・アンカーと呼ぶ。この概念を提唱した、MITのエドガー・H・シャインによれば、キャリア・アンカーは
@どのようなことが得意でうまくできるのか(能力・才能についての自己イメージ)
Aどのようなことがやりたいのか(欲求・動機についての自己イメージ)
Bどのようなことをしている自分に納得できるか(意味・価値についての自己イメージ)
 の三つの問いからなる、自分に対して、ほかの何が替わっても維持し続けたい自分のコアを指し示す。

 ≪キャリア・アンカーの種類≫
 @専門・職能能力ー特定の仕事分野で、専門(たとえば、研究開発)や職能分野(たとえば、人事や経理)で、専門を極めていく。

 A全般管理能力ー人を束ねて、マネジメントやリーダーシップの責任を果たすことで自分を活かしたいと思う。

 B自律・独立ー規則、手順、決められた仕事時間、仕事のやり方に縛られず、自分なりの方法で自律的に仕事しているときに自分らしいと感じる。

 C保障・安定ー雇用や収入が保証され、生活が安定していることが阻害されるぐらいならよりよい条件のところにも替わりたくない。

 D起業家的創造性ー新しい製品、サービス、新企画を自分で立ててそれを自ら事業化していくことに生き甲斐を感じる。

 E奉仕・社会貢献ー社会への役立ち感を大切に思い、人々に奉仕したり、コミュニティや社会に意味のある活動で貢献していきたい。

 F純粋な挑戦ー解決不能と思われがちな困難な課題、手強い相手に挑戦を挑むことに燃える。

 G家族・私生活と仕事生活の両立ー家族とともにいる時間、私生活を犠牲にしてまで仕事に没頭したくない。そのバランスを大事にする。

 ≪ディレンマとともに生きる≫
 ・組織の中の活動が、現場レベルに下りていくほど業務そのものが多く、ミドルに近づくにつれ例外事項への対応や判断が徐々に増え、トップレベルになると戦略的な大きな方向付けとそれにまつわる決断が増える。
 現実的には、行政組織のトップが政策的判断をおこなう。そこでは、いい意味で規則に縛られない大胆さがいるようにも思える。しかし、事務次官や局長クラスになると、企業でいわれる戦略構想力が必要だとしても、幹部だからルールは曲げ放題というのでは困る。現場では一方で規則に縛られ硬直性が顧客に非能率というマイナスをもたらし、他方で規則が曖昧な部分では裁量が顧客に恣意性というマイナスをもたらす。幹部は、規則に縛られて意味のある変革もできなくなるし、かといって規則をないがしろにすれば「法律による行政」や「腐敗や情実の排除」がなされなくなってしまう。
 屋山太郎 政治評論家 「日本の教育ーここが問題」 海竜社

 <教師の政治活動について>
 「(公立学校の教育公務員の政治行為の制限)第18条:公立学校の教育公務員の政治的行為の制限については、当分の間、地方公務員法第36条の規定にかかわらず、国家公務員の例による」

 <国家公務員法第102条>
 「(政治的行為の制限)第102条 職員は、政党又は政治目的のために、寄付金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らかの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない」

 選挙権の行使以外は、勤務時間中はもちろんのこと、勤務時間外でも、国家公務員はあらゆる政治的活動をすることは禁じている。これには、特定の政党の候補者への支持や勧誘、寄付行為が含まれる。
 本郷美則 (時事評論家)「WILL−2008年12月号)

 ・「国家公務員法」第102条は、まず、国家公務員は「政党又は政治的目的のために、・・・選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない」と謳っている。
 そして「人事院規則」は、「国家公務員法」が挙げる「政治的行為」を、次のように詳しく例示する。
 まず、「適用の範囲」に該当する国家公務員を、(臨時的任用として勤務する者、条件付任用期間の者、休暇、休職又は停職中の者及びその他理由のいかんを問わず一時的に勤務しない者をも含むすべての一般職に属する職員)と明記している

 加えて、国家公務員に禁じられる「政治的行為」を、@国会議員などの公職選挙において特定の候補者を支持し又はこれに反対すること。A特定の政党や政治的団体を支持し又は之に反対すること。B政党その他の政治的団体の機関紙その他の刊行物を発刊し、編集し、配布し又はこれらの行為を援助すること、などを具体的に列挙している。⇒市の職員の職場に「赤旗」を置く豆田の行為を禁止することができる(真中)

 《明々白々の違法行為》
 ・そもそも公務員の道を選んだ際、それが並の職業ではなく、全体への奉仕者として、政治的自由の一部を犠牲にする特殊な生業であることに覚悟はできていなかったのか。

 

 真中行造 HP管理者

 《教師とは》
 ・言われないことが、信頼されている。言われるのは信頼されていないと考える人種。
 ・リーダーシップもフォロワーシップもー特にフォロワーシップのない人種。
 ・金だけ出せばいい、口は出すなと考える人種。