ダンス体操 (部位の強化)      

            元セレクションダンサーズ所属・ 元港区立青年館ダンス講師  福頼静致

        ●ダンス体操一番                

           ★ボールの真上に体重を置いて真っすぐに立った姿勢を作る。

          ★ライズ&フォールに必要な力を強化する。

          1.壁に面して立ち、両手の指先を軽く壁に当てておく。

          *指を当てておくのは、ふらついた時には助けてもらえるという安心感のため

           だから、もたれかかってはいけない。

            *両足のインサイド・エッジを平行に揃え、つま先を開かないように注意。

          2.ヒールを上げられる限り高く上げてトーで立ち、体を真っすぐにする。

           *横隔膜を上げておく。肩は下げる。股間節を伸ばす。    【ライズ完了】                  

           *ヒールを高く上げても、普通は体重をボールで支えていることが多いから、

           足の甲を壁に近づけるように前に出して、本物のトーを覚える。                                                    

                     *女子は体の上部を少し後ろにそらせる。

            左に寄せるのはもっと後にして、先ず、左右の足に体重を均等にかける。

          3.ヒールを降ろす。             【ロァーを始める動作】

           *力を抜いてストンと落ちるのではなく、コントロールしてゆっくりと、親指

           から体重を逃がさないように注意してヒールを床に触らせる。

           *降ろし初めにヒップが後ろに出やすいので、出さないように注意。

           *体を伸ばした感覚を失わないように。

           4.膝を少しずつ曲げて前に出す。大きすぎないように。【ロァーの動作】

           *深く曲げたほうが楽なのでそのようになりたがるけれども、それでは意味が無い。

                      つらいところで我慢する。

           *ヒールは床に触らせたままで。

          5.体は低い位置に保ったままで、ヒールだけを高く上げる。【ライズを始める動作】

              *日本の選手はこの足首の力が弱いと指摘されている。

             ヒールを上げにくい人は、この状態でヒールを上げたり降ろしたり反復練習をする。

          6.膝を伸ばして最初の高さにもどる。        【ライズの動作】

           *伸ばし初めにヒップが後ろに出やすいので注意。

           *全身が伸びていることを確認して、最初から繰り返す。

          ★両足で楽にできるようになったら片足で行う。

 

 

 

        ●ダンス体操二番

          ★前進と後退での中間バランスの感覚を確立する。

          ★前進と後退の時、確実に体重を受け渡しする脚力を強化する。

          1.壁に片手を当てて、横向きに、足を前後に開いて立つ。

           (背もたれの高い椅子が二脚あったら、背中合わせに置いてその間に立ち、

            両手で背もたれをつかんで行うととても好都合)

               *体を頭から腰まで真っすぐにして、前足のヒールと後ろ足のボールの真ん中に立つ。

           *両足のインサイド・エッジを一直線になるように保つ。最初は後ろの

            トーが外に向きやすいので目で見て修正する。

            体格によっては少し左右に離れてもよいが、平行を厳守する。両膝はわずかに曲げる。

           *後ろの太腿が、しっかり後ろに伸びていることを確認する。

             座って生活する日本人には膝から下しか後ろに行かない人が多い。

             特に行儀よく正座する女性にこの傾向が著しい。

          2.前足のトーと後ろ足のヒールを床から上げ、体を真ん中に保って、

            ヒールとボールで半分ずつ体重を支えている感覚を確かめる。【中間バランス】

          3.両膝をわずかに曲げ伸ばしして、体の上下運動をする。

            *ボディーの形が変わらず、前後左右に傾かないで、垂直に上下の動きをすることに注意。

           ★前後の足の取替えは確実な前進後退の練習。

           *前進は前足のトーを降ろし、床を引き寄せる力を使って後ろ足を揃え、体重を置き換える。

             *後退は後ろ足のヒールが降りないように我慢して、両足を挟みつけるように力をかけ、体重

                       をゆっくりと後ろ足に移しながら前足を引き寄せて 揃える。

           *後ろ足のヒールが床に降りるのと、両足の揃うのが同時になるように練習する。

           *足を開く時も確実な前進後退の練習。体を持ち上げながら床を押して、

              正しい中間バランスの形を作ることができるように練習する。

           ★脚を後ろに広げにくい人は、片方の足で体を支え、体重の無い足を

            少し前に置いて、そのインサイド・エッジで床をカットするように

            強くこすりながら後ろに引き抜く運動を繰り返すと良い。

          ★右手を壁に当てた前後開脚のまま、ボディーも腰も足も45度右に

            向ければ、タンゴの男子のプロムナードの練習になる。

          ★左手を壁に当てた前後開脚のまま、ボディーも腰も足も45度左に

           向ければ、タンゴの女子のプロムナードの練習になる。

 

 

 

        ●ダンス体操三番

          ★横に移動するときの中間バランスの感覚を確立する。

          ★横に移動する脚力の強化。

          1.壁に面して両手を当て、両足を揃えて立つ。

           *もたれかかっても良いから、体重をしっかりと足の前の方で支える。

           *つま先が開かないように、両足のインサイド・エッジを平行に揃える。

              *両膝をわずかに曲げ、体重を親指の付け根に置く。

           *二三度ヒールを上げ下ろしして、真っすぐな体とボールの体重を確認する。

          2.片方の足のボールのインサイドで床を横の外側に押し、一方の足を横に

            開いてボールのインサイドで体重を受け取る。

           *足を横に開いても、両足のインサイド・エッジは平行に保つ。足だけに注意し

              たのでは、なかなかできない。両方の太腿の後ろ側を横に開く力が必要。

           *Yの字を逆さに立てたような形。腰が折れないように。体が傾かないように。

          3.開いた足のボールのインサイドに床を引き寄せる力をかけ、両脚を挟み

            つけるようにして両足を閉じる。体重は移さない。

          4.全く同様の運動を、反対の足で反対側に行う。

          ★右利きの人は右に移動した時に頭が右に行き過ぎて右に傾き、左に移動

            した時には頭が左に行くことを嫌がって、やはり右に傾く傾向があるの

           で、常に背骨の真上に頭が立しているように注意することが必要。

          ★少し慣れたら、両足が揃ったところで終わりにしないで、そのままヒー

            ルを上げてライズする。

           *右利きの人は左側に行き渋るので、左に伸び上がっていけるように練習する。

           *右利きの人は右側には行き過ぎやすいので、行き過ぎないように注意する。

           *横に移動した後では体重が足の外側にかかりやすいので、親指をしっかり踏ん

            で、体重をインサイドに保つように注意する。

           *楽にできるようになったら壁を離れ、ホールドの形も整えて練習する。

 

 

 

 

 

 

 

        ●ダンス体操四番

          ★体重を親指から後ろに逃がさないでヒールを強く踏みつける力。

           *ノーフットライズに不可欠の力。

            *この力が無いとヒール・ターンが難しい。

           *この力が無いと、ラテンのヒップ・ムーブメントはできない。

            両足を揃えて立ち、左足右足と交互に足ふみをしてみる。

           最初に床に触るのは親指だけれども、体重を支えたと感じた時には、

           足の裏のかなり広い部分で体重を支えているのが分かるだろう。

           これが間違いなのであって、親指が触ったら、その親指で体重を支えて

           立たなければいけない。

          1.ダンスス体操一番のようにヒールを高く上げてトーで立つ

           2.親指だけで体重を支えてゆっくりと足踏みをする。

          3.親指で支えた体重を後ろに逃がさないでヒールを降ろし、そのヒールを

            筋肉の力で床に押し付ける。

          4.親指からヒールまでのインサイドが強く床に触っているのを感じるよう

            になる。

 

        ●ダンス体操五番  ラテンのヒップ・ムーブメント

          ★ダンス体操四番の発展として、ヒップ・ムーブメントにつなげる。

           1と2は四番と同じ。

           3.親指の体重を逃がさないでヒールを降ろしたら、膝を伸ばして後ろに押し込む。

            4.強く床に触っているインサイド・エッジで床に切れ込みを作るつもりで、もっと

                    強く床に押し付ける。

           *左足を強く踏めばヒップが左に寄ってきて、同時に少し左に向く。

               *右足を強く踏めばヒップが右に寄ってきて、同時に少し右に向く。

           *根気よく練習を積んだら、やがて背中の筋肉までもが動くようになり、

            お尻を後ろに突き出したように見える形になってくる。

          *誤解して腰を折り曲げた尻振りダンスでは、ヒップが左に寄った時に左

           に向かないで右に向くから、はっきりと見分けがつく。

 

 

 

  

 

          ★最初は「親指…踵…インサイド…ヒップ」と唱えてゆっくり確認しな

             がら左右交互に繰り返し練習して、無理なく自然に踏めるようになっ

             らルンバの音楽に合わせて、2,3,41とリズミカルに足ふみができるよう

             になるまで練習する。

             ちなみに、テクニック・ブックのラテン・アメリカン・ルンバでは、

           この動作を足型一番“ベーシック・ムーブメント・イン・プレイス”と いう。