社交ダンスの出発点

社交ダンス上達の道しるべ(7)


元セレクションダンサーズ所属 元港区立青年館ダンス講師   福頼静致・政子 (フクヨリ セイチ・マサコ)


社交ダンスを全く習ったことが無いという条件だけからすれば

ゼロからの出発

と言えるのですが、まことに不都合なことに

社交ダンスは二本の足で立って歩く運動ですから、日本人の立ち方歩き方からすれば、むしろ
マイナスからの出発と言ったほうが良いくらいに、立ち方と歩き方が異なっています。

テレビで見覚えがあるでしょうが、バッキンガム宮殿の衛兵交代や、中国の軍隊行進の歩き方は、
日本人の行進とは大きく異なっています。

この歩き方の違いは、椅子に腰掛けることが中心の生活様式と、座ることを中心とする生活様式の
違いによって足腰の筋肉が異なった育ち方をすることによるものと考えられます。

英国生まれのボールルームダンシングと呼ばれる社交ダンスを身に付けるためには、先ず、
立ち方と歩き方の違いを乗り越える大きな努力をしなければなりません。




* 三つの落とし穴
* 体重は拇指球から前
* べた足を排除する
* 真っすぐに立つ
* ポイズ
* ホールド
* コンタクト・ポイント
* 社交ダンスの種目
* ジルバ
* ジルバの功罪
* ブルース
* ブルースの踊りと音楽
* ブルースの功罪
* 教え方の研究
* クォーターターンズの前に
* CBM
* 現代に通用するブルースを教えよう
**間違えずに覚えよう**
< >は ザ・ボールルーム・テクニックの記述


三つの落とし穴

社交ダンスを習う人の前には、三つの落とし穴が待ち受けています。
この落とし穴に落ちたら、一生懸命にやればやるほど悪い癖が付いて
自ら上達の道を閉ざしてしまいます。

*  落とし穴の第一は、足を動かすことを覚えようとすることです。

足は体を運ぶ道具として動かしているのですから、足を使って
体を運ぶことを覚えなければなり ません。


*  落とし穴の第二は、体を柔らかくすると誤解することです。

上手な人の踊りは柔らかく見えますが、
それは、真っすぐな体を壊さずに運ぶという条件を満たした上で、
柔らかく見える滑らかな動きを作り出しているからです。

ピンと張りのある体で作り出す、「滑らかで継続的に変化する動き」を、
「体が柔らかいと誤解」する人が少なくないようです。

常に、全身に必要な緊張力が保たれているのです。
ダンス用語では 「トーンを保つ」 と言います。

* 落とし穴の第三は、実はこれが一番厄介なのですが、
自分は立つ事ができる、歩くことができると思い込んでいることです。

確かに何十年もの間何不自由なく立ち歩きをしてきました。
それゆえに、最初に述べたように、

日本人の立ち方歩き方がダンスの立ち方歩き方と
異なっていると聞かされても、
それを深刻な問題として意識することができないのです。


体重は拇指球から爪先までで支える

鏡の前に、鏡でなくても自分の姿が映るものならなんでも結構ですから
その前に横向きに立って、
映った自分の姿を見ながら、両足の踵を上げて爪先立ちになってください。

ほとんどの人の体は、先ず前方に動いてから高くなったでしょう。

座って生活する日本人の体は、立ち上がっても股関節に曲がりが残り、
体重は土踏まずから踵までにかかっていて、
拇指球からつま先まで (ボールと言います。トーはもっと前です。)
に体重をかけて立っている人はほとんどいません。

このままの体では、ダンスを上手になることができません。
「踵を上げなさい」と言われたら、
真っすぐな体がそのままスッと高くなるような立ち方が必要なのです。

ダンスを習おうと思い立ったその日から、

あらかじめボールやトーで 楽に体重を支えることのできる体作りに取り掛かっておいたら、

教えてもらいながら順調に足型を吸収していくことができます。

練習 バウンス運動
「ボールやトーで支える力、足のバネ、足の裏は空気圧の高いタイヤのように。」

*壁に向かって立ち、両手を壁に当てておく。
*少しもたれかかるようにして腰を壁に近づけ、股間節を伸ばして両足の親指で体重を支える。

*両足のインサイドエッジを平行に保ち、体重が外側にかかりやすい人は足を左右に離しても
よいから、体重は決して外側にかけない。

*軽く踵の上げ下ろしをしてバウンスを繰り返す。

サンバの音楽に合わせると調子よくできます。
一曲終わるまでは足が持たないでしょうから、無理にがんばらないで、
少し疲れたら片方の足で 1,2 と、体重を置き換えて 3,4 と左右交互に二回ずつ、
足を取り替えてやるほうが良いと思います。


べた足を排除する

日本人の普通の歩き方では、
片方の足を膝と股間節を曲げて前方に運んで置き、- - - その足の上に後ろの足で押し出した体を乗せますから、

前足の真上に頭と上体は乗っていても、- - - 片方の足と太腿と腰は後ろに残っています。

運んだ足が踵から先に床に着いても、
そのまま足の裏全体が床に着いてしまう足の踏み方をべた足と言います。

べた足のままでは、
ボールルームダンスの特質である振り子のような動きを作ることはできません

プロの上級選手なら 「お尻が落っこちている」 と言えば通じます。

**前進する足の踵を床に着ける時には足首と膝を引き締めて床に置き、- - - 必ず踵で体重を受け取ります。**

足の裏が平らに床に着いた時には、必ずその足にお尻が乗っているように、
普段の歩き方を変える練習をすることが必要です。
初めのうちはギクシャクするでしょうがちっともかまいません。
ダンス体操二番の練習が効果的です。

とにかく、踵とお尻が、股関節で力の切れ目無しでつながっている ことが重要なのです。
「ウエストから下が足だ」と言う人もいるくらいです。

真っすぐに立つ

英国で最大の教師協会が教師試験の基準として示したザ・ボールルーム・テクニック
(日本語版は日本ボールルームダンス連盟発行)が社交ダンスの基準ですが、

「頭を直立させ真っすぐな姿勢で立つ」
で始まります。

英国では、日本で言う学会のようなプロの勉強会ISTDコングレスが毎年開催され、
会議の重要な内容は
レターサービスによっていち早く全世界の登録メンバーに配信される仕組みが整っています。

私は30年間購読を続けて勉強させてもらいましたが、この間に何度も何度も繰り返し出てきた言葉が
「ヴァーティカル・バランス・ライン」
でした。


垂直な均整の取れた線ということですが、
「ジグの一画を書いたらザグのもう一画を書かなければならない」
という面白い言い方もあったりして、

体のどの部分も垂直な線からはみ出さないように真っすぐに立つ
事の重要性を説いていました。

背骨には三つの大きな湾曲がありますから、
これを意識して、
まっすぐに近づける努力をしなければなりません。

日本で聞くことのある 「股間節を曲げる」 など、絶対にありえません。

正座や胡坐で長時間座ることに慣れている日本人には、立った時の姿勢の悪い人が少なくありません。
現在踊っている人には、かなり長く踊っているように見える人でも、
首が曲がって頭が前に出ている人がたくさんいます。

頭が前に出たら、釣り合いを取るためにお尻が後ろに出ますから、べた足の踊りをすることとなります。

座る生活様式で育つために、立ち上がっても股関節に曲がりが残るのは、
英国式の社交ダンスを身に付けるためには
日本人に共通の最大の障害です。
 本物のボールルームダンスを覚えたい人にとっては、何が何でも、大いに努力して
 克服しなければならない最大の課題です。

 ダンス体操を根気よく練習したり、準備運動に取り入れたりして、
 一日も早くまっすぐな体を作り上げ、
 さらに美しく磨きあげるように努力してください。

 競技に参加したくなったころには、最大の強みとなっていること間違いなしです。

左右の片寄りは盲点となりやすい。

左足と右足で平等に体重を支えるというのはかなり難しい仕事です。
体重の支え方は、右利きの人は右に片寄り、左利きの人は左に片寄っていますが、
気がつきにくいものです。

長い年月をかけて育ってきた平衡感覚と筋力の均整ですから、これを修正するには
かなりの努力が必要です。

鏡に面して立ち、左右の足を交互に床から上げて片足立ちになり、体の左右のゆれが
一番小さくなる立ち方を身に付けなければなりません。

ポイズ(姿勢・立ち方)

ダンス用語では外見上の姿勢と体重の置き方をあわせてポイズと言いますが、
技術書には次のように示してあります。
男子

<頭は直立させ真っすぐな姿勢で立つ。
 ・ボディーはウエストで引き締め、
 ・体重は足のボールの方向へ前方に保ち、
 ・肩はリラックスさせ、
 ・膝はほんのわずかに曲げて保つこと。>

女子

<真っすぐな姿勢で立ち、
 ・ボディーはウエストで引き締め、
 ・体の上部と頭はわずか後方で少し左側に、
 ・膝をほんのわずか曲げ、
 ・体重を足のボールに置く。>

これが、技術書の冒頭で示された英国式ボールルームダンスの前提条件です。


ホールド(組み方)

男子

<女子をわずかに右へ向かい合って立つ。両腕を肩より低く保って横に広げる。
右肘を曲げ右手を女子の左肩甲骨の下に置く。

左肘を曲げ、女子の右手を取り、握った手はおよそ目の高さに保つ。
左前腕はわずかに前方に傾け、肘から手まで真っすぐなラインを保つ。>

女子

<左手を男子の右腕の上、肩より少し下に置く。右腕を上げ右手は男子の左手と結ぶ。>

横のずれは、両つま先の真ん中に相手の右爪先がある程度にずれます。

コンタクト・ポイント

一般的な日本人の立ち方のように、
体重を拇指球から踵までの間で支えている男女が向き合って組んだ場合には、
体の前面の広い部分が接触します。

技術書で明示されているように、英国式で
体重をボールで支えて立った場合には、ボディーの軸がボールの真上にあります。

女子は上体を少し後ろに反らせていますので、みぞおちの辺りが一番前方にありますから、
男女が組むと、みぞおちのあたりだけで接触することとなります。

『男女の接触点が点になるか面になるかは、二人の体格による』 と教えてくれたのは、
スクリブナー来日の翌年、講師として招かれた ソニー・ビニック でした。

「英国式の ホールド は K型、アルゼンチン・タンゴ の ホールド は A型」 と言った人がいますが、
特徴を捉えたうまい言い方だと感心したことがあります。

日本式では、
プロムナードポジションに開いたときの二人の腰の位置関係が
よく問題となります。

英国式では
二人の腰は離れたところにありますから、
日本式と異なって、二人の腰の位置関係が問題となることは 全く起こりません。

接触の強さについては、「レター・サービス」 によって示された公式の見解によると
『初めは "きっちりと" と教えられるであろうが、
それが基礎となって、上級者のホールドは、
"着用している衣服が一体の感じであって、ボディーが ではない。"』

ということです。

体の向きは、女子の体の前面の中心を、男子の体の内部の中心に向けておきます。

社交ダンスの種目

社交ダンスという言葉の由来についてはさまざまな意見がありますし、
一般の人が男女のペアで踊るダンスと限ってみてもたくさんの種類がありますが、

日本で社交ダンスと言えば、
インターナショナルスタイル とか イングリッシュスタイル と呼ばれる、英国で育った
ボールルームダンスを指しています。

このダンスの基準を示すため英国で最大の教師協会 ISTD が技術書を発行
(日本語版は日本ボールルーム・ダンス連盟発行) しており、日本でも競技会が行われています。

ダンスは10種目あって、 「スタンダード部門」 と 「ラテン部門」 に分けられています。
*スタンダード (かつて モダン と称していた) 部門は
・ワルツ ・フォックストロット ・クイックステップ ・タンゴ ・ウインナワルツ (ヴィニーズワルツ)
の 5種目です。

日本では スロー とか スローフォックストロット と呼びますが、
技術書では フォックストロット で、「スロー」・・・の言葉は付きません。

ラテンも 5種目あって、
・ルンバ ・チャチャチャ ・サンバ ・パソドブレ ・ジャイブ です。
日本ではこの10種目以外に、ジルバ と ブルースが広く普及しています。

ジルバ

1945年、日本の敗戦で進駐してきたアメリカ兵が、アメリカ南部で生まれたスイング音楽に
合わせて踊る jitterbug を日本に持ち込みました。

それこそ瞬く間に日本中に広がって名前も日本風に発音されてジルバとなり、
現在も踊り続けられています。

横浜近辺で広がった ハマジル と言う踊り方もあります。

アメリカと縁が深い英国にはもっと早くから伝わっていたと思われますが、英国の教師協会では
足型に名前をつけて制式を整え、ジャイブ と名づけて ラテン種目の一つと位置づけました。

その頃の ISTD は ラテン種目の採用に消極的でしたから、別の教師協会 IDTA の
ウォルター・レアード が先鞭をつけて、1961年に ラテン 5 種目の技術書を著しました。

日本では彼を招いて講習を受けましたが、日本人が ジャイブ と言う踊りを知ったのは
これが最初で、ラテン種目も盛んに踊られるようになるきっかけとなりました。

ジルバの功罪

ジルバを教える時にジャイブの足型の名前で教える人もいるようですが、
もともとのジルバには足型の名前はありません。

スイング音楽を聴いて弾むような気持ちになったら、
難しい技術は必要でなく
即興で覚えて楽しめるような自由なダンスでした。

私が社交ダンスを始めた1947年頃には、
「社交ダンスはできないけれどジルバなら踊れる」
と言う人がいるほどでした。

とっつきやすいだけに、日本人にとっては、ボールルームダンス上達のためには
「功罪兼ね備えた両刃の剣」 と言うことができます。

股間節を伸ばし、ボールで体重を支え、バウンスしながら踊ったら、
日本人に共通のべた足を改善して、ボールやトーで体重を支えるためのトレーニングを
楽しく踊りながらすることができます。

弾むような動きが特色ですから、スローとカウントしてもウォークのように動くのは間違いです。
ジャイブの技術書にも書いてあります。

その一方で、日本人の体つきが抱える問題に気づかないまま、
べた足でジルバを繰り返していると


股関節の曲がりやべた足を固定するだけでなく、
ジルバの特徴的な動きから、男子は腰を右に突き出し、女子は腰を左に突き出すという、

ボールルームダンスを身に付けるためには大きな妨げとなる
極めて厄介な癖を身に付けてしまいます。

ブルース

日本独特の踊り方です。

アメリカの黒人音楽として生まれたブルースとは全く関係ありません。

敗戦を迎えるまでの日本のポピュラー音楽事情から考えると、昭和初期に服部良一さんが
作曲した歌謡曲のブルースと関係があるのではないでしょうか。

足型の名前と動きのパターンから見て、この踊りの元になっているのが英国のクイックステップ
あることは間違いありませんが、いつごろどのように誕生したかは明らかでありません。

本来クイックステップの足型に備わるべき要素のうちのいくつかを省いて、
超スローテンポの音楽に乗せて踊るようにアレンジして踊り、
これをブルースと呼ぶようになったものです。

ブルースの踊りと音楽

現在では
殆どの人がブルースはフォックストロットの音楽で踊るものだと思っているでしょうが、
そのようになったのは
1955年にスクリブナーから本格的な英国風のダンスの手ほどきを受けた後のことです。

それ以前は、
「ブルースと言う音楽」で「ブルースと言うダンス」を踊っていました。

ブルースと言う音楽は独特の曲調があって、4/4拍子の音楽の1小節に4分音符の
三和音を四個並べてリズムを刻んでいくというスタイルでした。

音楽テープもCDも無い時代で、ダンスホールでは楽団の演奏やSPレコードの音楽を
流していましたし、ダンス教室でもSPレコードを使っていました。

音楽テープやCDが出回るのにあわせて、「ブルースと言う音楽」が消えていきました。

ブルースの功罪

社交ダンス入門者の教材としてブルースが適しているのは、テンポをうんと遅くしても、
足型のパターンを作っていくことができるところです。

一歩進むたびに立ち止まって考えながらでも、足型に必要な要素を欠いていても、
足型のパターンを作っていくことができます。

その反面、

これがダンスなのだと思い込んで、足型を踊るために不可欠の要素を身に付けないまま、
英国式の種目に進んでいく危険性を含んでいます。

現に一般の踊り手でかなり踊り慣れた人の多くが、ワルツのナチュラル・ターンや
リバース・ターンのカウント3で足を閉じることができなくなっています。


ブルースを踊るためのスローテンポの音楽が
少しテンポの速いフォックストロットに変わったのにあわせて、

本来足型に備わっている要素の中から
超スローテンポならそれが無くても踊れるので省いてあったいくつかの要素を、

元通りに復活させなければならないのです

 教 え 方 の 研 究

ブルースは普通、最初にクォーター・ターンズを教えるでしょう。
この足型は、 前進のウォーク後退のウォークと、前進の回転後退の回転 で構成されています。

この足型を上手に教えたら、
出発点でダンスの技術の最も基本的なものをすべて教えることができますし、
また、教えなければなりません。

生徒を間違った道に進ませないためです。

如何に正確に、しかし、やさしく教えることができるか、教える人の技量が試されるところでもあ ります。
英国では、教え方の研究をする場も確保されているのです。


三つ子の魂百までと言うことわざがあります。 刷り込み現象と言う動かしがたい事実があります。
最初にどのように教えられたかが、その人のダンスの将来を左右します。
社交ダンスをゼロから出発する人を教える人の責任は極めて重大です。



教える人がもしも、男子に 「左足で一歩前進」 と言い、女子に 「右足で一歩後退」 と
言っただけであったらそれはあまりにも不親切な教え方です。

男子に 「左足を前に出して」 とか女子に 「右足を後ろに出して」 と言ったら、
それは間違いを教えたことになります。

『基本的な足型を覚えることは必要だが、より重要なのはその踊り方である。』

レン・スクリブナー

『パワーはフロアーの上にある体重を乗せた足から始まる』

ビル・アービン




宇宙ステーション内の人の動きを見ることができる時代です。

重力に支配された地球上でフロアーに立っている体を移動させるためには、
これまで殆ど意識されてこなかった、
体重を支えて床と接触する足の裏にかける力をはっきりと意識しなければなりません。

左足で前進するためには、右足で体を前方に運びます。  前に広げた左足がその体を受け取ります。

右足にかけるのは押す力で、左足にかけるのは床を掻き寄せるように引く力です。
当然のことですが、体重を支えて持ち上げる力は常に必要です。

足を開いて閉じるまでが一歩です。
体重の無い左足を膝と股間節を曲げて前に運んで置き、
右足が押し出した体をそこに乗せるという日本人の普通の歩き方を、

この一歩でダンスのウォークに変更しておかないと、 将来に禍根を残します。

「左足の踵を床に置く時には、足首と膝を引き締めてお尻を乗せなさい。」
この言葉があるだけでよいのです。
いきなり 「フットワーク」 では難しがられます。

後退する女子には
「動き始めに、左足の膝を突き出すように少し曲げて、親指から体重を逃がさない」 と
「右足の親指で体重を受け取り、踵は左足が揃うまで下ろさないように我慢」
が重要な注意事項です。

男子が後退する時にも同様です。



クォーター・ターンズの前に   *立ち歩き足踏みをする

*男子なら壁に面して立ち、女子なら壁に背面して立ちます。

*両足を揃えて真っすぐに立ち、軽く踵の上げ下ろしをしてから
男子は右足に、女子は左足に体重をまとめます。

*男子は左足・右足 と二歩の前進ウォーク、 女子は右足・左足 と二歩の後退ウォークをします。

*男子は 左足・右足 と、女子は 右足・左足 と 二歩の足踏みをします。

**男子は後退に、女子は前進に変えて同様の練習をします。

**動作に慣れたら、「SSQQ」のカウントをおぼえます。

**音楽に合わせます。歩幅は小さく、充分にゆとりを持てるように行うことが重要です。

クォーター・ターンズに *徐々に移行する

*二歩ウォークしていきなり 1/4 回転するのではなく、
少し右に向きを変えて足踏みに移り、徐々に 1/4 回転に近づけていきます。

*回転量が増えるのにあわせて、スタートする方向を 「壁斜め」 に近づけます。


二歩目の 男子右足の前進・女子左足の後退は、
同じ前進・後退でも 一歩目の前進・後退とはその内容が異なります。

二歩目は、右回転につなぐ前進・後退ですから、CBM が不可欠の条件です。



C B M

人は歩く時に手を振って歩きます。右足を、前にステップする時には左手を前に振りますから
左手を前に振れば左の肩も前に動きます。

*回転を始めたい時には、
この自然に現れる動きを意図的にコントロールして、
回転の原動力とします。


ダンスでは肩と腰が鉛直線上に位置しなくてはなりませんので、胴体がねじれないように
肩と一緒に左の腰も前に動かして
右回転につなぐのです。

左足が体を前に運び始めるのと同時に
腰を右に向ける力をかけて左の腰を前に出さなければなりません。


体重を支えている左足ボールで、床を反時計回りにねじるようにすると、左の腰が前に出て体が右に向きます。

男子と組んで、リードを受けて後退する女子は、
左足の後退を始めると同時に腰が右に向いて、右腰が後ろに動きます。

ダンス用語ではこれをCBMといいます

*壁斜めに面してスタートした体は、前進しながら体が右に回転していますので、
*右足に乗り切った時には、ほとんど壁に面しています


*右足の踵にお尻を乗せて体重を受け取っておかないと、これができないのです。
せっかく体重を受け取っても、その体重をボールまで運ばないで途中で支えが
途切れたら、やはり回転も途切れます。



現代に通用するブルースを教えよう



現在ではブルースと言う音楽でブルースを踊ったことのある人はごく少数になっているでしょうが、
もともとブルースはクイックステップに手を加えて、超スローテンポで踊れるように
工夫された踊りです。

ブルースは超スローテンポで、細切れのような一歩ごとの動きをつないでいく踊り方でした。

踊り方はそのままで、音楽だけテンポのより速いフォックストロットに変えたのではいろいろと
不都合を生じます。

パーティー用に即席でブルースだけ覚えたいと言う人は別として、
*ブルースをボールルームダンスの入り口と位置づけて教えるのであったら、
元のままのブルースであってはならないはずです。


その必要性が最も顕著に現れるのが第三歩左足のステップです。

第二歩の右足に乗り切っても壁斜めに面したままの体を
垂直のまま左横に運んで、逆壁斜めに面するように 1/4 回転する動きです。

支え足が右足ですから、左肩が右肩よりも低くなって、左半身をぶら下げた状態で
振り込む人も多く見られます。

超スローテンポのブルースでは第四歩で右足を引き寄せて揃え、ゆり戻すように
体重を移してから第五歩を後退しますので何の不都合もありませんでした。

しかし、よりテンポの速いフォックストロットの音楽でこの動きを身に付けてしまったのでは
スイングを特質とするボールルームダンスに進むためには重大な妨げとなります。



**間違えずに覚えよう **
* 第一歩の左足は普通の前進ウォーク、 (女子は右足後退ウォーク)で CBM はありません。

* 第二歩の右足 (女子は左足)には CBM があります。
  前進を始めるのと同時に左の腰を前に出して (女子は右の腰を後ろに下げて)、
 体はCBMによる右回転を始めなければなりません。
* 前進した足は踵で体重を受け取り、支えを途切れさせないでボールまで進めなければなりません。
* 後退した女子の左足の踵は、右足がそろうのと同調して下ろさなければいけません。
  踵を下ろしても、親指から体重を逃がしてはいけません。

* ボールまで進んできた体は右に回転を続けていますから、左足を振り出す時には
 横の動きに変わります。
 日常生活で横の移動は多くはありませんから、ダンス体操三番を練習すると楽になります。
* 横の移動はボールとボールで体重の受け渡しをしなければなりません。
* 後退した女子は大きな移動をしてはいけません。
 扇を開くように右足のトーを右に向けて踏むだけです。
* 右足のトーに突っ張るような力をかけながら、
 前進した人の動きに合わせて体重を移し左足を揃えます。

* 回転する時には、回転の内側に体を傾けなければなりません。 (この傾きを スウェー と言います。)
 体を傾けるためには、
 体重を支えている側の股関節を横に曲げます。まっすぐな体を壊してはいけません。

* 右足を引き寄せて揃える間にも、左足のボールで回転は続きます。

* 右足はボールで体重を受け取ったら踵を下ろし、膝を突き出すように少し曲げて後退に備えます。
* ナチュラル・ターンを踊りたい時には、回転量が大きいのですから、前進を始める時にCBMを
  強くしなければなりません。



現在では、自他共に社交ダンスのベテランと認める一般の踊り手のほとんどが、
ワルツのナチュラル・ターンやリバース・ターンのカウント3で両足を閉じることができなくなっているのが実情です。

社交ダンスを習い始めた時に正しい出発をしていたら、このような結果にはならなかったはずです。
初めて社交ダンスを習う人は、(10)社交ダンス入門初期の練習計画をお読みください。

社交ダンス上達の道しるべ(1)で、[前進の正しい踊り方] を説明します。



「社交ダンス上達の道しるべ」

(8)踊りの点検・部位の強化




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