ナチュラル・ピボッツ
NATURAL PIVOTS

社交ダンス上達の道しるべ(特別編)


元セレクションダンサーズ所属・元港区立青年館ダンス講師  福頼静致 (フクヨリ セイチ)

 ナチュラル・スピン・ターンの第四歩と五歩を LOD に沿って何回も繰り返しているような
 回転のバリエーションのことを、
 右回転のピボットを複数回踊りますから、 「ナチュラル・ピボッツ」 と言います。

「スピン」は、くるくる回る様子を言い表す言葉であって、足型の名前ではありません

 目を惹かれた人は少なくないと思いますが、これを踊ることのできる人はごく少ないでしょう。
 これを踊ることができて初めて、上級競技選手と呼ぶことができるのだと私は考えています。


この回転を楽に踊ることができるようになるためには、
ザ・ボールルーム・テクニックに示された技術を充分にマスターした上で
それを超越した、より高度な技術を身に付けなければなりません。


 先ず、ナチュラル・スピン・ターン の 第四歩で男子が踊る 「ピボット」 と
 女子が踊る 「ピボッティング・アクション」 を、
 男女双方が完璧と言えるまでにマスターすることから始まります。



正しいポイズ

至極当然のこととして、ポイズが正しく身に付いていなければなりません。
何気なく立っている時の体が、技術書に示された 「
ポイズ」そのものであることが必要です。

一歩だけ歩いて止まったら、必ずその足のボールの真上に、垂直な体が保たれていなくてはなりません。
移動する時には、真っすぐで垂直な体を壊さずに移動することができなければなりません。

* 「両踵を上げて爪先立ちになりなさい」 と言われたら、 体を前に動かさなくてもスッと踵が上がりますか。
* 足元を見たら、両足の インサイド・エッジ が平行に揃っていますか。

この二つのことが身についていなかった人は、
ナチュラル・ピボッツに取り組むのはもう少し後にして、

ダンス体操一番、二番、三番をしっかり練習
ナチュラル・スピン・ターン を完璧に仕上げてからにしてください。



CBM と着床地点

CBM を伴う左足後退の着床地点

LOD に背面し、右足に体重を置いて立ちます。
左足を後ろに広げて、つま先で軽く床に触ってください。

左足のつま先は自分の後方で、LOD の方向の床に触っています。
これが CBM なしで後退した時に左足が着床する方向です。

形はそのままで、右足の靴底で床を反時計周りの方向にねじってください。
体が少し右に向きを変えて、左足のつま先が壁の方へ動くのが分かります。

強くねじるほど、つま先は壁に近づきます。
つまり、LOD に背面して左足で後退する時に CBM を強くすれば強くするほど、
左足の着床地点は LOD をそれて壁に近づき、壁斜めの方向へ後退した結果となるのです。

CBM を伴う右足前進の着床地点

LOD に面し、左足に体重を置いて立ちます。
右足を前に広げて、踵で軽く床に触ってください。

右足の踵は自分の前方で、LOD の方向の床に触っています。
これが CBM なしで前進した時に右足が着床する方向です。

形はそのままで、左足の靴底で床を反時計回りの方向にねじってください。
体が少し右に向きを変えて、右足の踵が少し壁の方向へ動くのが分かります。

強くねじるほど、踵は壁に近づきます。
つまり、LOD に面して右足で前進する時に CBM を強くすれば強くするほど、
右足の着床地点は LOD をそれて壁に近づき、壁斜めの方向へ前進した結果となるのです。

左足後退してピボット

LOD に背面し、右足で床を反時計回りに強くねじり、前方に押して左足で後退すると、
左足は壁斜めの後方へ着床します。

トーで体重を受け取り踵も床に降ろすと、
ボールを軸にして、足の向きと体の向きが一致して右に回転します。

ピボットと呼ばれるこの回転が右足を前に保った形のままらくらくとできて、
少なくも LOD を越えて壁斜めに面するまで回転することができなければなりません。

少しでも不自由を感じた場合には、
ナチュラル・スピン・ターン 男子第四歩の練習 にもどってください。

右足前進してピボット

LOD に面し、左足で床を反時計回りに強くねじり、後方に押して右足で前進すると、
右足は壁斜めの前方へ着床します。

踵が着床する時に足首と膝を引き締めて体重を受け取り、
股関節が折れないうに注意してトーを降ろし、床を掻き寄せ更に掻き抜くようにすると、
体重がボールに乗り、右足のボールを軸として右回転が始まります。

これが右足前進のピボットで、左足を後ろに保ったまま
壁斜めに背面するまでらくらくと回転することができなければなりません。

少しでも不自由を感じた場合には、
ナチュラル・スピン・ターン女子第四歩の練習 にもどってください。

ピボッティング・アクション

左足で後退した場合はピボットですから、
左足の上でコマのように回転するだけで体重の移動はありません。

右足で前進した場合は回転軸ではありませんから、ピボットだけでは足りないのです。
右に回転を続けている体を、円周を描くように左に移動させなければなりません。

この動作を ピボッティング・アクション と言います。

ピボット と ピボッティング・アクション を反復する

ピボット と ピボッティング・アクション の動作が確実に身についたら、
この二つの動作をつないで反復することで、何とか連続回転ができるようになります。

これが第一段階ですから、
多少のぎこちなさはあっても、体になじむまで繰り返し練習することが必要です。



標準技術を超越した競技用回転技術

回転を連続したいのに 実際の動きは、
後退して ピボット、前進して ピボッティング・アクション ですから、回転は連続していません。

ピボットで回転するエネルギーは、右足が体を後ろに送り出す時に CBM で作っただけですから、
左足に体重が移って回転を始めたら、靴底に働く摩擦によってそのエネルギーは減衰します。

ぎこちない回転になる原因はこの二つです。

ナチュラル・ターン の場合には、CBM を作って右足前進で回転を始めたら、
第二歩の左足を振り出すことによって大きな回転のエネルギーが得られます。

ナチュラル・ピボッツ では両足を開いたままで、振り出す足がありませんから、
CBM を最大限に活用する方法を工夫しなければなりません。

左斜め後ろに後退、右斜め前に前進
単純に斜め移動するのではありません。CBM を最大限活用した結果の話です。

足の向きと体の向きについて確認
説明が正しく理解してもらえるように、足の向きについて使う言葉を決めておきます。

足の向きが体の向きと一致している時に 「正常の向き」、
体の正面よりも外側に向いている場合を 「足外向き」、
体の正面よりも内側に向いている場合を 「足内向き」
と使います。

ナチュラル・ターン前半の三歩を踊り、
右足のトーの中にロァーを終わって、両足 「正常の向き」のところから始めます。

 1.両足とも 「足内向き」 の力をかけ、右足で床を前方に押して左足後退をすると、
  体は右に向きを変えながら後退し、左足のトーが左斜め後ろに着床します。

  トーで体重を受け取った左足は、「足外向き」に変えながらヒールを降ろします。
  ヒールを降ろした左足はピボットのような回転はしなくて、体だけが回転を続けます。

 2.両足とも 「足外向き」 の力をかけ、左足で床を後方に押して右足前進をすると、
  右足のヒールが右斜め前に着床します。

  直ちにトーを降ろし、「足内向き」に変えながら強く床をかき寄せると、
  体は右回転を続けながら右足に移動します。

 3.ほぼLOD に背面するまで回転したら、1.と同様に
  両足とも 「足内向き」の力をかけ、右足で床を前方に押して左足後退をします。

 これに続けて、「1,&,2.3」の速いいカウントで踊り、
 その後にターニング・ロック・ツー・ライト を続けて踊ったりすることが
 できるようになりたいものです。

前進後退四角ウォーク
狭い所でも効果的な練習ができるような方法を考えて、
私が勝手に名づけました。


・左足に体重を置き、両足を 「正常の向き」 に揃えて立ちます。

・両足とも 「足外向き」 の力をかけて右足で一歩前進します。

・右足の踵が着床したら 「足内向き」 に変えながら床をかき寄せます。
 体が約 90度 右に向きを変えて右足の上に移動を終わります。

・両足とも 「足内向き」 の力をかけて左足で一歩後退します。

・左足のトーが着床したら、 「足外向き」 に変えながら踵を降ろします。
 体が約 90度 右に向きを変えて左足の上に移動を終わります。

・続いて、「足外向き」の力で右足前進して繰り返します。

*ほぼ四角形に前進後退の移動を繰り返し、
 両足の向きを 「逆ハ」 (足外向き) の形  「ハ」 (足内向き) の形 と

 無理なく変えていけるように、
 そして、確実に体を運ぶことができるように練習します。


四角ウォークになれて足の力が強くなるにつれ惰力が働いて、
体の回転量が増えてきますから、
広いところで踊ると、四角が五角に、五角が六角にと変わってきます。

やがて一直線にまで広がった頃には、ナチュラル・ピボッツを楽に踊ることのできる、
上級の踊り手に育っていることでしょう。



 
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