社交ダンス競技で勝つ 取り組み
発想は広く自由に 基本は深く厳密に

社交ダンス上達の道しるべ(17)

元セレクションダンサーズ所属・元港区立青年館ダンス講師  福頼静致 (フクヨリ セイチ)



<>は ザ・ボールルーム・テクニック の記述
* ミルコ・ゴッゾリのタンゴ * 優秀なカップルの資質 (レン・スクリブナー)
* ランニング・スピン・ターン から サイド・クロス ヘ
* オーバー・スピン
* リバース・コルテ と ホバー・コルテ  3本の支柱を使い分ける
* ルドルフ・フォーラウェー
* コンタクト・ ポイント を確認
* よくある誤り、スウェー

* 規定の足型とバリエーション(2012年1月)
 [クイックステップ の バリエーション]
* ホップ と ステップ ホップ
* ペパーポット
* ロケット
* ウッドペッカー と ペンデュラム (トリツクステップ)
2012年 日本インターナショナルダンス選手権大会
 決勝ソロ ベーシック・アマルガメーション
* スキャッター・シャッセ
(追加して掲載する予定)


ミルコ・ゴッゾリ の タンゴ

全英選手権で三連覇を果たし、日本インターナショナル選手権でも四回優勝している
イタリアの選手 ミルコ・ゴッゾリが、初めて日本インターに姿を現して優勝した時、
オナーダンスで目を見張るようなタンゴを踊って見せてくれました。

このオナーダンスで使っていたアマルガメーション (足型の組み合わせ) を、
その後の競技会でもタンゴの最初に踊っていましたが、
その中にダブル・リバース・スピンが含まれていることに気がついたでしょうか。

ダブル・リバース・スピン は、ザ・ボールルーム・テクニックに
ワルツの足型 13 番 ベーシック・フィガー として記載されている足型です。



有る種目の足型を他の種目に転用して踊るのは、
バリエーションを組み立てる手法の一つであり、珍しいことではありません。

しかし、ダブル・リバース・スピンをタンゴで踊るというのは、
これまで誰も試みたことが無い、全く意表を突くものでした。

オナーダンスを録画しておき、詳しく解析して、
選手の研究過程を推測し追体験してみるのが私の現在の楽しみです。

ゴッゾリの踊りを解析して、彼はこのように考えたであろうと 大胆に推測しています。

「低い姿勢を作ってから入るライト・ランジがあるのなら、高い姿勢のままから入っても良いではないか。」
「ライト・ランジがあるのだから、レフト・ランジがあっても良いではないか。」
「現在使われなくなっているバリエーションにも、素晴らしいものがあるではないか。」
といった、広く自由な発想であろうと思われます。

事実、彼が使った タンゴの 「クォーター・ビーツ」 は、半世紀の昔、私も現役時代に使っていました。
(アレックス・ムーアのポピュラー・バリエーション集に掲載されています。)

そのゴッゾリが
NHK のインタビューに応じて次のようにベーシックの重要性を語っていました。

『勝利のコツと言うのは教えることができませんから、その代わりにアドバイスをします。
ベーシックな足型の質の良さを、そして、自分の踊りの質の良さを
確信できるように練習することです。』

大きな歩幅で大きく踊ったペアが勝つのだと誤解している人がいます。

一見派手に見える複雑なステップを踊ったら勝てるのだと誤解している人がいます。

『ムーブメントは徐々に大きくしていくべきである。
正しいバランスとスタンスを身に付けて、フィガーの足型を完全に習得するまでは
決して大幅なステッブで大きなムーブメントに挑戦してはならない。』

『忘れてはならない鉄則は、数多くの複雑なステップを下手に踊るよりも、
二三のフィガーを充分に踊りこなした方が優れているということである。』
レン・スクリブナー (1950-'52年 全英チャンピオン)


踊りが美しく見えるペアが勝つのです。
美しい踊りは正しい基礎の上にしか作ることはできません。

『約60年にわたって培われてきた基本原理を学び、正しいテクニックを身に付けたものが勝つのです。
また、そうした審査がなされなくてはなりません。』
スチーブン・ヒリア (1986-'87年 全英チャンピオン)


その基本原理を凝縮して記述したのが ザ・ボールルーム・テクニック (以後は技術書と記す) です。

多くの人が足型にばかり目を奪われますが、
技術書では、足型が成立するための前提条件として (ポイズ) と 歩き方 (ウォーク) を冒頭に示してあります

これが
ボールルームダンスの出発点です。
競技を目指すとなったら、出発点を誤ることなく ポイズ ウォーク を磨くのが必須の条件となります。
そして、上達するための一番の早道です。

ベーシックはその名のとおり 「基礎」 です。
**その種目の性格を端的に描出するのがベーシックな足型です。**

ベーシックな足型をとことん追求し踊りこなしてこそ、
バリエーションも生きてくるのだと言うことを肝に銘じて取り組むべきでしょう。

優秀なカップルの資質

レン・スクリブナーの遺稿集とも言うべ JUST ONE IDEA には、
「競技、審査編」 と言う 約 20 ページにわたる章があります。

その中の "優秀なカップルの資質" と言う一節で述べられた、
「良い選手の主要な条件」 を次に転記しておきますので、競技を目指す人は参考にしてください。

          良い選手の主要な条件メモ
     競技選手の備えるべき属性の主たるものを次に列挙する

A.影像 (シルエット)
 これには、カップルのスタイル --- ポイズや態度 --- スタンス --- ドレスなどを含む。

B.バランスとコントロール (*バランスは英国では全体的な均整の意味ですから誤解しないように)
 常に個体とカップルの調和が必要。そして種目に応じた筋肉の格調 (tone)。

C.ムーブメント
 安楽な (ease) 動きと、ボディー・スピードを変化させるに足る パワー --- その結果としての脚部の速度変化。
 脚部や足の動きを自在に操るための動力学的能力 --- 踊るための技術 --- が要求される。

D.音楽的感性
 タイミング --- リズムの正しい解釈 --- を含む。

 音楽を耳で聴かずとも、カップルのボディー・アクションからリズムを読み取ることができなければならない。
 (この要素には魅惑的、多彩な個性の放射を含む)。

  種目の特性に応じたアプローチがその助けとなる。
ワルツ  情緒的 --- スイング & スウェー の主題。パワーの波動を伴う軽やかさ。落下傘感覚(Suspension theme)
--- スイング & スウェー が結果としてロァーをもたらす。

タンゴ  スタンスと脚部、足のアクションによる性格付け。力強く、緊張感と劇的迫力。

フォックストロット  非常に滑らか (ロールス・ロイス) --- 生き生きとして、しかも静的なボディー表現 ---
  ムーブメントの流動性。高踏的、美術的、構図的な組み立て。

クイックステップ  リズム感のあるパワー --- アクションと主題の滑らかな融合。活力、スピード、熱気 ---
  幸福感 --- 進行性 --- 脚部と足の動因にアクセントを。

E.最後に
  踊りの組み立てには弾力性が求められる。自在な変化は演技の支えとなる。

  各種目の性格付けは高度でなければならない。たとえば、モダン・ボールルームの選手の中には、
  ラテン系への感受性に欠ける者があるし、ラテン系を中心に訓練された選手は、当然のことながら、
  標準ダンスに求められる高度に複合的な技術をマスターすることが至難である。



ランニング・スピン・ターン から サイド・クロス ヘ

ワルツは滑らかに回転し、浮かんで流れるように動くのが特質ですから、
カウント「1と2」で素早く走る(ランニング)ように回転して、2から3で フワーッ と
浮かぶように踊りたいものです。

しかし、大勢の人が 「1 2と3 」のカウントで踊って、
フワーッと浮かぶはずのところを忙しく走っているのが実情です。

美しく踊ることができない原因は、
明らかにナチュラル・スピン・ターンの 練習不足で、ピボットを素早く踊ることができないからです。

練習の要点

《三小節 11 歩で構成》

[第一小節]
ナチュラル・ターン 前半の三歩 カウント 「1,2,3」 と同じです。
「3 の終わりでロァー」  ロァーの仕方 が 重要なポイント です

「次のステップは後退」 という意識が働き、後ろ寄りにロァーすることが多くて、
上手なピボットができない原因となっているケースがとても多いのです。

3 でライズし終わった時には誰でもトーで体重を支えているのですから、
**その体重を親指から後ろに逃がさないように意識してロァーすることが重要です。

『後退の際のロァーは、トーの中にロァー。
足がロァーする時、向こう脛の骨が前方に動くのを感じているなら、
それが トーの中にロァーする感じである。』
ビル・アービン (1962-'64年、1966年 全英チャンピオン、元 ISTD 会長)


ダンス体操一番を片足で、
ロァーする時に体重の無い足を後ろに広げながら行うのが効率の良い練習方法です。

[第二小節]
1,&
左足後退のピボットと、右足前進して行う 3/8 右回転です。

前の小節の終わりで、右足のトーの中にロァーしていたら、
靴底全体で床を反時計回りにねじっり 強い CBM を作ることができますから、

1 で
左足後退して行うピボットの回転動作を素早く行うことができます。

体重を左足のボールよりも後ろで支えている人は、
靴底の摩擦がブレーキになって回転が妨げられます。

&
右足前進右回転は、前方へ保ってあった右足で床を強く押さえ
強くかき寄せ素早くライズを始め体重をトーに乗せる力が必要です。

ライズすると同時に、床に反時計回りのねじる力をかけると
ピボットで回転した惰力が生かされて、無理なく 3/8 右回転することができます。

2
左足 中央斜めに背面して後ろ少し横にステップしてライズを継続します。
男子の急速な動きによって女子は ブラッシュ が無くなり、 トーで素早く走る動作と変わります。

3
右足 右サイド・リーディングで、女子を外側にリードする準備をして中央斜めに後退。
アップ。 3 の終わりでロァー。
** 2-3 でホバーを意識して後退し、流動感を作ることが要点です。

[第三小節]

1
左足 中央斜めに女子を外側にして CBMP に後退、終わりでライズを始める、NFR。フットワークTH。

2
右足 中央斜めに背面して後退、CBM、左回転を始める、ライズ継続。フットワークT。

サイド・クロス 3,&
3
左足 LOD に向けて横少し前へ、2-3 の間で 3/8 左回転、体の回転を少なく、アップ、
フットワークT、スウェー右。

** 体を少し後ろに保って、前方で床を押さえるのが重要なポイントです。
まともに体を乗せてしまったら、次の足を交叉することができません。

&
右足 中央斜めに面して左足の後ろに交叉、3-& の間で 1/8 左回転、体の回転を完了、
アップ、終わりでロァー、フットワークTH、スウェー右。

* 女子は左足を右足の前に交叉、スウェー左となります。

[続行]
全てのリバース系足型が続行可能ですが、
フォーラウェー・リバース・アンド・スリップ・ピボット - - - テレスピン - - - スローアウェー・オーバースウェー
の人気が高いようです。

オーバー・スピン (1,2,&,3,&)

 ダブル・リバース・スピン を カウント 「12&3」 で踊った後に続けて
 「&」 と短いカウントで 男子は小さく トーで前進、女子は小さく トーで後退して
 回転を継続し、ピボットで 1/2 回転します。

ダブル・リバース・スピンの一回転と合わせて一小節の間に 1 と 1/2 回転しますから、
女子のドレスが良く踊って、とても見栄えのする足型となります。

しかし、ダブル・リバース・スピンを敬遠して踊らない人が少なくありません。

ダブル・リバース・スピンは技術書でワルツの 13 番 ベーシック・フイガーとして位置づけられた
重要な足型であり、決して難しい足型ではありません。

競技を目指す人はぜひともマスターしておきたい足型です。

 日本式の踊り方で、体重の無い足を前に広げて置き、
 その足にのしかかるように体重を乗せたのでは
 踊ることがとても困難な足型となってしまうのです。

** 必要な条件は、 英国式のウォークを覚えて
スイングで踊ることです。 **

技術書の記述で ダブル・リバース・スピン を確認します。
男子:
<1. 左足 LOD に面して前進、CBM、左回転を始める、1 の終わりでライズ、
 フットワークHT、スウェーなし>
CBM は、リバース・ターンの時よりも小さくするほうがうまく踊れます。

1 の終わりでライズを始めて3 まで徐々に高くなるライズではなく、
1 の終わりでは ほぼ ライズを完了します。

1 の終わりではライズと同時に前進の動きを無くし、床を時計回りにねじって
両足を 「ハ」 の字にする力をかけながら、床を左に押して体を右に運びます。

前進する動きが残っていたら、女子はヒール・ターンをすることができません。

<2.右足 壁斜めに背面して横へ、1-2 の間で 3/8 左回転、アップ、
 フットワークT、スウェーなし>
<3,左足 壁斜めに面して右足にクローズ、2-3 の間で 1/2 左回転、アップ、3 の終わりでロァー、
 フットワーク T (左足),次いでTH (右足)、スウェーなし>

註) ダブル・リバース・スピンは 中央斜め、壁斜め、LOD に始めることができる。


  * 慣れるまでは右足のトーだけでバランスを保ちながら 1/2 回転することが難しいでしょう。

右足のトーに体重を移しても左足のトーに圧力を残し、
両足のトーで挟みつけるようにすると安心して回転することができます。

     【オーバー・スピン】
この回転の終わりに女子が第四歩の左足を右足の前に交叉したことを感じ取り、
その動作にあわせて男子の右足トーで床を反時計回りにねじって CBM を作り、
左足をほとんど踏み替えのような感覚で 小さく トーで前進して回転を継続します。

続行:
LOD に背面して終わりますから、リバース・ターンの後半 や リバース・コルテ や ホバー・コルテ、
スローアウェー・オーバースウェーなどが続行可能です。


女子:
<1.右足 LOD に背面して後退、CBM、左回転を始める、1 の終わりでライズを始める、NFR、
 フットワークTH、スウェーなし>
<2.左足 LOD に面して右足にクローズ (ヒール・ターン)、1-2 の間で 1/2 左回転、ライズ継続、
 フットワークHT、スウェーなし>


* 左足のヒールに体重が移ったら、
その体重を素早く トーに進めて、更に前方へ送り出すことが重要です。
左足でも回転を続けようとして失敗している人が少なくありません。

<3.右足 壁に背面して横少し後ろへ、2-3 の間で 1/4 左回転、アップ、
 フットワークT、スウェーなし>
<4.左足 壁斜めに背面して右足の前に交叉、3-4 の間で 1/8 左回転、アップ、
 4 の終わりでロァー、フットワークTH、スウェーなし>

上級者はしばしば 「1,2,3,&」 のカウントで踊る。

このカウントで踊って オーバー・スピン に続ける場合には 「1,2,3,&,a」 となります。
「3」 は 「1 拍」、 「3,&」 は 「1/2拍, 1/2 拍」、 「3,&,a」 は 「1/2拍, 1/4 拍, 1/4 拍」  です。

オーバー・スピンでは、第五歩右足 交叉を解いて右少し後ろ となります。

練習は、
前述した ランニング・スピン・ターン から サイド・クロス を踊った後に
続けて踊ることから始めるとよいでしょう。

テレスピン から スローアウェー・オーバースウェー を踊りなれている人は、
テレスピン を オーバー・スピンに置き換えてみるとよいでしょう。

リバース・コルテ と ホバー・コルテ

ホバー・コルテは、技術書に記載されたワルツの足型が 30 個あるうちの 30 番目
ネームド・バリエーションとして記述されています。

技術書はカリキュラムとして記述してありますから、足型 30 個中の 30 番目と言うことは、
難度が高いことを意味しています。

同じホバー・コルテでも、一拍の時間ホバーするものと、
より高度なコントロールの能力を要求される三拍の時間ホバーするものとの
二段階に分けて示してあります。

難度が高いだけに表情が豊かで、取り組み甲斐の有る足型です。

* いきなりホバー・コルテ に取り組んでも、この足型を美しく踊ることはできません。
そのための基礎を作るのが、効率的な学習方法です。

足型10番として、ベーシック・フィガー にリバース・コルテ を示してありますから
先ずこれをマスターすることから始めなければなりません。

最も基本的な形は、リバース・ターン前半の三歩に続けて踊るものです。

* リバース・ターンの後半では男子が右足で後退したら、
女子が前進する勢いを横の動きに変えて 3/8 左回転を行った後、左足で前進します。

** リバース・コルテ では、右足で後退したら女子の前進の勢いを使って回転だけを行い、
横の動きはせずに、右足のトーで 3/8 左回転したら女子を外側にして後退します。

    リバース・コルテ (1,2,3)
男子:
<1.右足 LOD に背面して後退、CBM、左回転を始める、フットワークTH、スウェー直>

後退ウォークの仕方を厳守して ゆっくりとヒールを下ろしながら左足を引き寄せ、
左足がヒールで床をさすりながら寄ってきて右足に揃った時には、
右足のトーの真上に、真っすぐな体で垂直な支柱を作っていることが重要なポイントです。

<2.左足 逆中央斜めに背面して体重をかけずに右足にクローズ、1-2 の間で 3/8 左回転、
 2 でライズ、フットワーク H (左足)、次いで両足の T、スウェー右>


両足が揃ったら、トーで立ち上がって回転を続けます。
回転の主な部分はここで行われます。

<3.逆中央斜めに背面してポジションを保つ、アップ、3 の終わりでロァー、
 フットワークTH (右足)、スウェー右>


この ポジション は、位置ではなくて姿勢・様子の意味。
同じ姿勢を保って 3 をカウントする間に、女子は第三歩の左足を右足に閉じます。

ロァーの動作を終わると、右にスウェーした静止状態となります。

*スウェーは股間節を横に曲げて作ります。
傾けたつもりで肋骨の部分を曲げていることが多いので、
両方の肩から腰までを伸ばしたままで同じ長さに保ち、
ボディーの形が変化しないように注意が必要です。


< 註) 第 2 歩はフラットで、右足のボールで回転することができる。
  このときのフットワークは、1 THT, 2 両足の T, 3 TH (右足) >


女子:
<1.左足 LOD に面して前進、CBM、左回転を始める、1 の終わりでライズを始める、
 フットワークHT、スウェー直>
<女子は男子より少し早めにライズを始めることに注意。>

<2.右足 中央に面して横へ、1-2 の間で 1/4 左回転、ライズ継続、フットワークT、スウェー左>


女子はリバース・ターンの後半を踊ろうとして右足を振り出す動作を始めますけれども、
男子が右足の上に留まって移動しないために、小さな歩幅で横に移動する回転動作となり、
移動しない男子の体も回転させます。

<3.左足 逆中央斜めに面して右足にクローズ、2-3 の間で 1/8 左回転、ライズ継続、
 3 の終わりでロァー、フットワークTH、スウェー左>


ロァーが終わると、両足を閉じて左にスウェーした静止状態となります。

<註)続行の第 1 歩は全て女子を OP に CBMP に後退である。>

普通に後退したら体が折れ曲がる

第一歩で後退したら、右足のトーの真上に真っすぐで垂直な支柱を作らなければなりません。

しかしながら、普通に後退したのでは、その支柱が折れ曲がってしまうのです。

人間の両脚は骨盤の両端に近いところに付いていますから、
片方の足だけでは真っすぐに立つ事はできないはずです。

それにもかかわらず、実際には倒れずに立っています。
無意識で骨盤を横に移動させて釣り合いを整えるから、倒れずに立っていられるのです。

ボールルームダンスの前提条件となるポイズは、真っすぐに立つ事を要求しているにもかかわらず、
右足で後退すると腰が右に移動して、体は折れ曲がってしまうのです。

支柱が真っすぐであったら滑らかに回転しますが、支柱が曲がっていたら回転を妨げます。
見た目にも、シャープなシルエットを描くことができません。
生まれつき身に備わった素晴らしい能力が、競技場面では美しいダンスの妨げとなるのです。

 
右半身に支柱を作る

パーティーで楽しむ社交ダンスなら、普通に真っすぐに立っているだけで充分ですが、
ダンスの競技では、少しでも美しく見えるように踊った方が勝ちですから、
競技で勝つためには、美しさを阻害する要素は極力排除することに努めなければなりません。

*美しいダンスは、体を支える支柱を 三通りに使い分けて作ります。*

右足で前進又は後退のウォークをした時には、
支点となるトーを右半身の真下に置き、右半身に支柱を作って左半身を支えます。

左足で前進又は後退のウォークをした時には、
支点となるトーを左半身の真下に置き、左半身に支柱を作って右半身を支えます。

ナチュラル・スピン・ターンの第四歩で後退する左足や、リバース・ピボットで後退する右足では、
その足の上で体をコマのように回転させるために、支柱を体の中心に作らなければなりません。

そのためには、支点となるトーを体の中心の真下に置かなくてはなりませんので、
技術書に示されたとおり <トーを内側に向けて後退> することによって支柱を体の中心に作ります。

リバース・コルテの第一歩では

後退した右足のトーが着床した時から、
右足のインサイド・エッジに強く踏みつける力をかけて腰が右に移動しないように 横揺れを抑え
左サイド (体側) を吊り上げるように力をかけることによって、右半身に支柱を作って立つ事が可能となります。

右足のトーを支点とし、右半身を支柱として真っすぐな体がしっかりと立っていたら、
CBMによって、 左半身の動きも回転力として作用しますから、女子の動きも受けてらくらくと左に回転します。

  
     ホバー・コルテ (1,2,3,1)
男子:
<1.右足 LOD に背面して後退、CBM、左回転を始める、1 の終わりでライズを始める、NFR、
 フットワークTH、スウェー直>
リバース・コルテ では まだ ライズ を始めませんが、ホバー・コルテ では ノーフット・ライズを始めます。

<2.左足 壁斜めに向けて横少し前へ、1-2 の間で 3/8 左回転、体の回転を少なく、
 2 で体の回転を継続、ライズ継続、フットワークT、スウェー右>

ゆるやかに回転しながらゆっくりとライズする動作を ホバー と言います
右足のトーから左足のトーへ体重を移す動作も ゆっくりと行います。

** 右足のトーにも圧力を保って体重の移動をコントロールすることが必要です。
この動作を充分にマスターすることによって、小節数を増やして ホバー を踊ることが可能となります。

<3.逆中央斜めに背面して、横少し後ろの右足に体重を戻す、アップ、3 の終わりでロァー
 フットワークTH、スウェー直>

体重を後方へ動かしてからロァーしたので、第 4 歩を後退して足型が完結します。
<4.左足 逆中央斜めに背面して CBMP に後退、CBM、フットワークT、スウェー直>

1 の終わりでライズを始めたところから、3 で右足のトーに体重を戻すまでの動作が不自由なく、
女子をリードしながら自在にコントロールして、美しく行えるように練習することが重要です。

女子:
<1.左足 LOD に面して前進、CBM、左回転を始める、フットワークHT、スウェー直>
<2.右足 中央に面して横へ、左足を右足の方向へブラッシュ、1-2 の間で 1/4 左回転し、
 2 で 1/8 回転を継続、逆中央斜めに面して終わる、ライズ継続、フットワークT、スウェォー左>
ブラッシュする左足は右足に閉じないで、近寄ってから離れます。
<3.左足 逆中央斜めに面して斜め前へ、アップ、3 の終わりでロァー、フットワークTH、スウェー直>

**
女子の見せ場ですそして大きな責任があります

男子がどれほど上手に踊っても、
直立した体がわずかに移動して回転するだけですから、華やかさを描くことはできません。

女子が、上体を大きく後ろにそらせてなびかせながらホバーすることで、華やかさを演出します。
**ブラッシュする左足のトーで、強く床をこすることによって、 安心して反り返ることが可能となります。

体重を前方へ動かしてからロァーしたので、第 4 歩を前進して足型が完結します。
<4.右足 逆中央斜めに面して OP で CBMP に前進、CBM、フットワークH、スウェー直>

<註) この足型は、小節数を多く取ることができる。
  このときのテクニックは次のとおりである。>


     3拍の間 ホバーする (1,2, 3.1.2. 3,1)

男子:
第一歩と第二歩は 通常の ホバーコルテ と同じです。

< 3-5. 右足を左足の方向へ動かしながら、体の回転を継続、ライズ継続
 フットワーク 左足T, 右足 T の IE でプレッシャー、スウェー右>

ホバー を 3 拍の間 コントロール するためには、右足 T のプレッシャーが特に重要です。

*男子は腰の動きで回転をリードします。手を使ってはいけません。
手を使うとボディーがねじれます。


この後のステップは、通常のホバー・コルテと同じです。

女子:
第一歩と第二歩は 通常の ホバー・コルテ と同じです。

<3-4. 左足を 右足の方向へブラッシュ、左回転を継続、スウェー左>
<5. 左足 逆中央斜めに面して右足にブラッシュ、3-5 の間で 1/8 左回転、
 3-5 のフットワーク 右足 T, 左足 T の IE、スウェー左>

ブラッシュは、
上体を大きく後ろに反らせて頭で円を描きながら ホバーする表現 をコントロールする、
極めて重要な技術です。


**ナチュラル・スピン・ターン や インピタス でも、
右回転して右足を左足にブラッシュで、同じ技術が適用されます。

** 女子だけに求められる重要な表現技術ですから、ここでしっかり意識して練習してください。

     続行

あっさりと終わりたい場合には、
「バック・ウイスク」 を踊って 「シャッセ・フロム・PP」 に続けると良いでしょう。

回転を続けて派手に踊りたい場合には、
アウトサイド・スピン」 を踊って 「ルドルフ・フォーラウェー」 が楽しいでしょう。

もっと回転を多くしたいなら、
アウトサイド・スピン---
ナチュラル・ピボッツ---ルドルフ・フォーラウェー
と言った踊り方もあります。

     左右の支柱を体感する

かなり上級の技術ですから、
先ず、最も基本となる力をダンス体操で 身に付けてください。

一番で、本物のトーで真っすぐに立つ事ができる力を、片足でもできるように。
二番で、正しく後退することができる力を。
三番で、インサイド・エッジで体を支えることができる力を。

その上で、
・壁に面して両手を壁に当て、両足を肩幅くらいに横に開いて立つ。
 両膝を内側に引き締め、踵の内側で体重を支える (東京タワーの脚のように)。

・体を少し左右に傾けて左右の踵の内側で 交互に コツ コツ と床を突くように足踏みをする。
 踵の内側がコツンと床に当たった時に、その足の側の半身に支える力が感じられる。

・その力の感じを無くさないように体重をトーに移して、体の半身に支柱を作ることを覚える。
 


応用

レフト・ホバー・ライン

ライン・フィガー は、日本では ピクチャー とか ピクチャー・ステップ と呼ばれています。

小節数を増やしたホバー・コルテの第一歩右足後退を
PP からの右足前進に置き換えて、ライン・フィガー として踊ることが可能です。

例えば
*オープン・テレマーク - - - レフト・ホバー
*ウイーブ・フロム・PP を PP で終わって - - - レフト・ホバー
*シャッセ・フロム・PP を閉じないまま踊って (プロムナード・シャッセ) - - -レフト・ホバー
のように踊ることが可能です。

ルドルフ・フォーラウェー

ボールルームダンス への偉大な貢献を称えて、
技術書の巻頭に肖像写真を掲げてある アレックス・ムーアが、
生前に自ら命名した唯一の足型が 「ルドルフ・フォーラウェー」 です。

何かの記事で呼んだ記憶がありますが、
その当時 ハリウッド に、かっこいいと評判の 「ルドルフ」 という名の俳優がいて、
その 「ルドルフのようにかっこいい足型」 と言うことで、この名前にした とのことでした。

男子が右足を斜め前に、ちょうどライト・ランジを踊るようにステッブして、
女子に対して 「右足を回せ」 と要求している場面を見たことがあります。

それは無理と言うものです。

女子の右足を回してもらいたかったら、
女子の右足が回るような動きをしなければなりません。

左膝を少し緩めて右足を踏み出すところはランジと同じですが、
ランジは右サイド・リーディングで踏み出すのに対して、

[ルドルフ・フォーラウェーの場合に必要なのはCBM です。
右足でコントラ・チェックを踊るような感覚でステップしなければなりません。]

[女子は右足を円を描くように回しますが、調子に乗って回しすぎると、
足が絡んで出られなくなってしまいます。足を回すのは右足が横に来るまでです。]

[その後は、フォーラウェー・リバース・アンド・スリップ・ピボットです。]


男子は踏み出した右足の膝を少し曲げ、女子のロンデに合わせて腰を右に回転し、
女子の右足が横まで動いたら、左足をフォーラウェーの後方に少し動かした後、
スリップ・ピボットを踊ります。

足を回す時に、床をさすりながら回す通常の 「ロンデ」 と、
床から少し持ち上げて回す 「エーリアル・ロンデ」 と呼ばれる方法の二通りがありますが、
どちらを選択するかは女子に任されます。

スタンダードで足を上げても良いのは膝の高さまでですから、
ラテンのように高く上げてはいけません。

アレックス・ムーア の ポピュラー・バリエーション集では、
ルドルフ・フォーラウェー を ランジ・ポイント に続けるように使ってありますが、
現在では、右回りのスピンに続けるのが主流になっているようですから、
アウトサイド・スピンの後に続けて踊るのも一つの方法です。

ここまでに記述した足型を中心にして作った、
ワルツの上級用アマルガメーションを次に記述しておきます。
     ワルツ の 上級用アマルガメーション の一例

壁斜めに面して ナチュラル・ターン の前半三歩を踊って LOD に背面し  (1,2,3)、
ランニング・スピン から サイド・クロス で中央斜めに面する (1,&,2,3 1,2,3,&)。

フォーラウェー・リバース・アンド・スリップ・ピボット でLOD に面し (1,&,2,3)、
オーバー・スピン で LOD に背面する (1,2,&,3,&)。

小節数を多くしたホバー・コルテ を踊り (1,2,3, 1,2,3)、
アウトサイド・スビン を踊って壁斜めに面したら (1,2,3)、

「ルドルフ・フォーラウェー」 を踊り、ピボット を中央斜めに面して終わる (1,2,3)。

プログレッシブ・シャッセ・ツー・ライト を中央斜めに動いて踊り、
アウトサイド・チェンジを続けて (1,2,&,3 1,2,3)壁斜めに面し、ナチュラル・ターン に入る。


コンタクト・ポイント

日本人の一般的な立ち方で、拇指球から踵までの間で体重を支えている男子と女子が
向き合って ホールド すると、体の前面のかなり広い部分が接触します

みぞおちの辺りから股関節の辺りまで接触させて踊る人が少なくないようです。

ザ・ボールルーム・テクニックで明示されている 「ポイズ」 のように、
ボールで体重を支えて立つと、
男子の体はボールの真上に垂直に立っています。

女子はボールで立って上体を少し後ろに反らせますから、
その形でバランスを保つためには、
みぞおちの辺りを一番前方に位置させることとなります。

したがって、男子と女子が向き合って ホールド した時には、
みぞおちの辺りの小さい面積だけで接触することとなります。
この接触点が 「コンタクト・ポイント」 です。

ボールルームダンスのホールドは K型、アルゼンチンタンゴのホールドは A型、
と言った人がいましたが、特徴を捉えたうまい言い方だと感心しました。

『コンタクト・ポイントが小さい点か、あるいは少し広い面になるかは、二人の体格による。』
と教えてくれたのは、スクリブナーが来日した翌年に講師として迎えた ソニー・ビニック でした。

接触の強さについては、「レター・サービス」 によって示されました。
『コンタクトは明白でなければならないが、常に軽くなければならない。

初心者の頃に 「きっちり」 と教えられたであろうが、これが基礎となって、
上級者は "着用している衣服が一体の感じであるボディーがではない。"』

ということです。

男子と女子と双方が、コンタクト・ポイントにずれを生じないように注意して
体を運ぶことで美しい踊りが作られます。

一般の日本人の場合は、先ず第一に、
体重を支える基準点をボールに作り変えなければなりません


足型を構成する要素の一つである 「ライズ・アンド・フォール」 を実現するためには、
踵を上げて爪先立ちになったり、踵を降ろしてフラットにしたりしなくてはなりませんが、

拇指球から踵までの間で体重を支えている人は、先ず体を前に動かしてから爪先立ちになり、
踵を下ろしたら体を元のように後ろへ下げます。

ライズ する時には、お互いに体を前に動かしてから爪先立ちになりますから、
向き合って組んでいる二人は当然、押し合いとなります。

ロァー をすれば踵を降ろしてから体を後ろに動かすので引っ張り合いとなります。
「押すなよ !」 「引っ張るなよ !」 のトラブルが多発します。

ザ・ボールルーム・テクニック の最初に 「ポイズ」 として示してあるように、
ボールで体重を支えて真っすぐに立っている ことを前提条件として、
ボールルームダンス は成り立っているのです。


そのため、男女双方に足首と膝の強い力が必要です。
女子はハイヒールで 初めから踵が上がっていますから、
爪先立ちになっても少ししか体は持ちあげられません。

最初から膝をたわめておいて、膝を伸ばすことで体を持ち上げます。
男子はこのことをよく理解して ライズ や ロァー をしなければなりません。

『男子は、女子がロァーできる深さの中でコントロールすべきである。』  アンソニー・ハーレイ
(6)競技会 の 女子についての観点 を参照してください。

日本式の踊りでは 「股関節」が問題となって、よくこの言葉を聴きますが、
これは日本独自の現象であって、
ボールルームダンス では全く取り上げられたことがありません。

私が 30年間購読を続けた 「レター・サービス」 や ダンス関係の書籍の中で
「股関節 (hip joint)」 の言葉を見たことは一度もありませんでした。

男子と女子の腰は離れたところにありますし、足の位置はもっと離れていますから、
プロムナード・ポジション に開いた時に
二人の腰や足の位置について問題が起きるようなことも全くありません。

唯一、このことに関して述べられていたのは、
アレックス・ムーアの著書 「ボールルーム・ダンシング」 の記事、
『開きすぎると不恰好に見えるので、
上級者は より コンパクト に保ち、足の向きは LOD に近づける傾向がある。』

これだけでした。

よくある誤り、スウェー

レターサービスに、"COMMON FAULT SWAY" と題する論説が掲載されたことがあります。

その要旨は、
スウェーはスイングの一部であるから、

スイングについてまだまだ学ばなければならない初心者に、
いつこれを教えたらよいかは難しい問題だけれども、
少し大きく踊らせたいと思った時には直ちにこれを教える。』

よくある誤りは、スウェーを全く無くしているか、又は
やりすぎてバランスを壊してしまう。

と述べた後に、

ワルツのナチュラル・ターン前半三歩を例に挙げてスウェーの作り方を説明し、
( ファイル1前進の正しい踊り方 "回転を安定させるスウェー" に記述してあります。)

次の 1の終わりで垂直に戻る
と結んでありました。

日本式の踊り方の前進は、
先ず体重の無い足を前方へ動かし、その足を床に置いて、
のしかかるように体重を乗せますからスイングはできません。

従って、スウェーが必要だと知っている人は
ナチュラル・ターンの 2と3 でスウェーを行いますが、

スイングの一部として有機的に連関したスウェーではなく、
別個の運動としてスウェーを行いますから不自然なものとなります。

特に、
スウェーを 3 の終わりで無くして垂直に戻すと言う誤り
が多いようです。

ナチュラル・ターン前半の三歩に続けるのは左足の後退です。

日本式の踊り方の後退では、
前進の時に先ず足を前に進めて、その足にのしかかるように体重を乗せたのと同様に、
先ず左足を後ろにステップしてその足に体重を乗せようとしますから、

スウェーがあるままの体では、左足を後ろへステップしにくいので、
そのように考えたものと推測されます。

英国式の踊り方では、
後退の1の初めに、先ず左足を後ろへ運ぶのではなくて、
先ず、支え足の右足が床を前方へ押して、
スウェーしている体を後ろに運び始めます


その動作に合わせて左脚を後ろに開き始めます。
体を後ろへ運ぶ、後退のウォークを始めるのです。

両脚が二辺で腰が頂点となる二等辺三角形の
頂角がだんだん広がっていくような動作です。

『後退ステップの過程で、常に三角形の土台を作りなさい。』 ビル・アービン

体を後ろへ運びながら徐々にスウェーを解消し、
後ろへステップした左足に乗り切った時に垂直に戻します

ウインナワルツを録画したものがありましたら、
どの時点で体が垂直になっているか、観点を絞って見直してください。

正しいスウェーをするためには、
先ず第一に
正しいスイングを 学ばなければなりません。

スイングのためには、
正しいウォーク と 正しいライズ が必要です。


規定の足型とバリエーション

『社交ダンス』 をする人が 「ベーシック」 という言葉を使いますが、
その言葉の意味があまり明確ではありません。

英語の言葉の意味は 「基礎の」 と言うことですから、
『ダンスの基礎』 の意味で使っている場合があるでしょう。

しかし、何がダンスの基礎なのかと問われたら、
明確に答えることのできる人は少ないでしょう。

また、ある人は 『基礎の足型』 の意味で使っているでしょうが、
基礎の足型は何かと問われたら、これも、明確に答えることのできる人は少ないでしょう。


『ボールルームダンス』 の基準を明確にするため、
約60年昔に英国の教師協会ISTDが、 「リバイズドテクニック」 を刊行しました。

現在は大きく改訂されて 
「ザ・ボールルーム・テクニック」 (日本語版 日本ボールルームダンス連盟発行) となっています。

ICBD (インターナショナル・カウンシル・オブ・ボールルーム・ダンシング) と言う国際機関があり、
世界中の国々で、『ボールルームダンス』 の名前で踊られる限りこれが基準とされていて、
「イングリッシュ・スタイル」 よりも、「インターナショナル・スタイル」 と
呼ばれることが多くなっています。

『ダンスの基礎』 は、
この本の 『最初から足型に入るまで』 の部分です。
「立ち方」「歩き方」 をはじめ、ダンスの諸要素を説明してあります。

座ることが中心の生活様式で育つ日本人は、
この 『立ち方』 と 『歩き方』 が大きく異なっています。

『社交ダンス』 を踊ってきた人の間に日本独自の踊り方が深く浸透していて、
『ボールルームダンス』 を学ぶ上で大きな障害となっています。

現在社交ダンスを踊っていらっしゃる方々は、
この重要な 『立ち方』 と 『歩き方』 を習ったでしょうか。

足型に入ると、教師試験の四段階に対応して、足型を四段階に分けて記述してあります。

リバイズドテクニックには含まれていたけれども、この四段階には含まれなくなったものを、
『追加の足型』 として記述してあります。

四段階は、二つの段階に分けた「ベーシック・フィガー」 と
「スタンダード・フィガー」 と 「ネームド・バリエーション」 の四つです。
技術書ではこの四つを一括して SPECIFIED FIGURES (規定した、明細に述べた足型) と呼んでいます。

その名前から見て、『基礎の足型』 は、この二つの段階の 『ベーシック・フィガー』 をさしています。

+「スタンダード・フィガー」 は、リバイズドテクニックでは 「スタンダード・バリエーション」 でした。
その名前に、ダンスが発展してきた足跡を残しています。


規定として文章化されたら、基準がはっきりして揺らぐことは無くなりますが、
『バリエーション』 として人から人へ伝わるだけの間には、様々な変化が起こります。

「個人的な踊り癖」 を持った先輩の踊りを、「正しい踊り」として後輩が受け取りますから、
技術書に記載されていない 『バリエーション』 は、年月の経過と共に、
創作者が発表した当時のものとは、その様相が異なっている場合が少なくありません。

クイックステップには、
名前のつけられたバリエーションがたくさんありますけれども、
発表された当時の姿があいまいになっているものも少なくありません。

手元に文書が残っているものも含めて、
これらについて記述していこうと考えています。

ホップ と ステップ ホップ

これは、ザ・ボールルーム・テクニック には記述されていない
クイックステップ だけに使われる技術です。

フォックストロットは
流れるような動き (スイング・ムーブメント) だけで構成されます。

クイックステップ は フォックストロット と 同じ スイングダンス でありながら、
上級競技会の クイックステップ では、
飛び跳ねるような動きが、これがなくては クイック ではない と言うくらい 多用されています。

本来 クイックステップ は スイングダンス ですから、
技術書に示されている足型を完璧に スイング で踊ることを
先ず第一に成し遂げなければなりません。

その上で、上級に進むに従って、
「同じ競技会場にいて同じ音楽を聞きながら選手の踊りを見ている」
観客や審査員に 「自分のクイックステップ を アピール する」 ことを目指して、
「ホップ」 と 「ステップホップ」 の技術を身に付けていくことが必要です。

ホップ (hop) は、電子辞書に
「人が片足でピョンピョン跳ぶ」
と説明してありました。

人が普通に跳ぼうとする時には、
先ず膝を折り曲げ、同時に足首と股関節も曲げ少し前かがみとなって
「ため」 を作ります。

跳ぶ時には急速にこれらの曲がりを伸ばしてつま先で強く床を蹴り、
体を伸ばして直立状態で空中に飛び上がってから、
「どしん」 と着床します。

着床すると足裏の全面で体重を支え
飛び上がる前のように膝を折り曲げ、足首と股関節も折り曲げます。

この普通の跳び方や着床の仕方は、
ダンスを踊る時に使うことはできません。

ボールルームダンスには、
真っすぐに立った姿勢 (ポイズ) を壊さないで運ぶと言う大前提
があります。

本気で跳ぶ構えを作って
真っすぐな姿勢を壊してはいけません。

跳ぶ気になって跳んではいけません
跳んだように見える動きを作るのです。

することは
大きく急速なライズと急速なロァーです。

特に足首の力が重要で、この力が強くなると、
実際にトーが床から離れて、空中に跳び上がった形になります。

その際には下降する体を強いトーの力で受け取り、
足首と膝のバネを使って軟着陸を果たし、
着床のショックでボディーが変形したり動きが乱れたりしないよう
充分に注意しなければなりません。

「ステップ ホップ」
足型の第一歩で ウォーク をしたら、
スイング に続けるためにライズ をします。

この ライズ を大きく急速に行うことで
「ステップ ホップ」 を踊ることが可能となります。

「正しいポイズ」 「正しいウォーク」 「正しいライズ」 「正しいロァー」
どれ一つ欠けていても、美しいホップを踊ることはできません。

特に股関節は、
膝を曲げる事と調和してごくわずかに曲がるだけです。

それ以上には曲がらないよう、
厳重に注意しなければなりません。

トーの真上にボディーの軸を垂直に保つことによって、
トーの力が軸を通って頭のてっぺんまで押し上げるように伝わり、
滑らかなホップが可能となります。

縄跳びをする時の跳び方を思い出してください。
ダンス体操一番 を練習するのが効果的です。


ペパーポット

技術書に示された標準の技術を十分にマスターしたうえで、その技術書のレベルを超え、
一歩上の クイックステップ の世界に必要な ホップを身につける
きっかけをつかむに好適と思われるバリエーションです。

競技会で多用されるクイックステップのバリエーションに見られる特徴の一つは、
「ホップ」 と
「体重の無い脚を進行方向へ振るのではなく、いろいろな形で使う」 ことです。

多くの人がクイックステップの踊り初めに
「クォーターターン」 に続いて 「プログレッシブシャッセ」 を踊り、
次に女子の外側へ右足を前進して 「フォワードロック」 を踊りますし、

中央斜めに面してリバース系を踊った後にもよく 「プログレッシブシャッセ」 を踊り、
続いて女子の外側に右足を前進して 「フォワードロック」 を踊ります。

この右足前進から 「フォワードロック」 を踊る場面を 
『ペパーポット』 に変えて踊るのが最も普通の使い方です。

     ペパーポット (女子は男子の正反対)

1.右足前進して 『ステップ ホップ』  カウント S &
    フットワーク HT。 この後は T。

2.左足前進したら 『ハーフロック』   カウント Q &
  右足を完全に交差せず、半分だけ左足に近寄せてステップ。

機敏な動作で体重の乗せ換えをするためには両脚を引き締め、
左足には進行を制止するような力が必要。

3.左足斜め前に前進して通常の 『フォワードロック』 QQQ S

*ペパーポット は PP から始めてもよく、この場合には
女子は、フォワードロック に入るまでに閉じればよい。


その名前はどうして?

足型のイメーシ゜が、
その名前の 「ペパーポット(胡椒瓶)」 と結び付く人はまずいないでしょうから
歴史的な経緯を紹介しておきます。

昭和30年代後半の頃、月刊誌「ダンスと音楽」で
英国のある選手が創作した
クイックオープンリバース に続けて好んで踊るバリエーションが紹介され、

「私たちはこれを 『ペパーポット』と呼んでいます。」
と記してありました。

このバリエーションを現在使われている足型の名前で記述すれは、

1.まず、ふつうは カウント SQQS で踊るプログレッシブシャッセを
 「ダブルシャッセ」 に変えて S Q& Q& Q  で踊り、

2.続けて、
 現在は 「ウッドペッカー(きつつき)」 と呼ばれて左右に踊っている形を
 左横に開いた左足でホップして、ロァーするのに合わせて 
 体を少し左にスウェーし、
 左足の後ろを横切って交差した右足のトーで床を突く動作を
 QQQ と三回行い、

3.次は、現在 「ペンデュラム(振り子)」 と呼ばれている形を、
 四回目のホップで体重を右足に移し、ロァーに合わせて左足を左に振り出し
 右左右左と取り替えて四回行い、 

4.右足前進して 「ステップホップ」 S&

5.左足前進して 「ハーフロック」 Q&

6.左足斜め前に前進して 「フォワードロック」 QQQ S

「なるほど 胡椒瓶か」 とお分かりでしょう。

時の流れとともに、いつのころからか
このバリエーションの中で目立った特徴を持つ部分の動きを
連想させるにふさわしい名前がつけられて現在に至りましたが、


バリエーションの締めくくりだった部分には、その動きとは関係なく
創作した選手に敬意を表して
【ペパーポット】 の名前を残したもののようです。


ロケット
かつて、約十年もの長い間チャンピオンの座を独占した名選手 マーカス・ヒルトン が、
若々しい姿でモデルを務めた、王座獲得直前の時期にスタートして、
競技選手用バリエーションのシリーズが
ビデオと文書によって レターサービス から発表されました。

それらバリエーションのうちのいくつかは、
現在の選手たちにはすでにポピュラーなものとなって愛用されています。

クイックステップの 「ロケット」 は、よく知られているものの一つです。

「素早い動き」 と 「印象的な形」 が、このバリエーションの特徴ですから、
踊り手はその 『特徴を理解し、意識して表現する』 ように踊らなくてはなりません。
足型だけを覚えて走り回ったのでは、競技では逆効果となってしまうのです。


          ロケット
*プロムナードポジション (PP) で踊りますので、 まず PP に開くことが必要です。

  ・最も多く使われるのは、
コーナーの近くで 「オープン・インピタス」 を踊って PP となり、
新LODの壁に沿って踊る踊り方です。

・技術的に上達したら、
トラベリング・コントラ・チェック」 をマスターしておくと、PP に開くことの自由度が増します。

*女子は締めくくりの ペパーポット で回転して スクエア に戻るまで、
男子と反対の足で同様に踊ります。

「PP に開いて複数歩走る」 ことを好む人が多くなりましたが、
走ることだけに気を取られて ホールド や コンタクト を乱し、
二人が組んで美しく作った シルエット を壊したら、台無しになってしまいます。


第1-2歩 は ステップ ホップ 右足,右足 S&
 PP で LOD に前進し、体重の無い左足を閉じて ホップ。 S&
   フットワークHT。この後の フットワークはT。
 左足のトーが送り出した体重を確実に右足のヒールで受け取り、
 床を後方へ掻き抜く力を使って体重をトーに進めて加速し、
 鋭く足首を伸ばしてホップします。

 上手に踊ると右足のトーが床を離れ、体は空中に浮かんで前進し、
 かなり前方の床に着床します。

第3−5歩 左足,右足,左足 Q&Q
 PP のままで LOD に沿って素早いシャッセを踊ります。
 第1歩でホップ して着床する時に、前進する勢いを失わないように注意。

第6歩 右足 Q
 左足に閉じて体重を受け取ると同時に、
 体重の無くなった左足はトーを下に向けて前方へ振り出します。

第7歩 左足 Q
 振り出してあった左足を LOD に沿って横に ステップ し、
 同時に右足の膝を曲げて、膝の高さで後ろに キック します。

 左足はすでに前方へ振りだして広げてあるのですから、
 左足をそれ以上大きく広げようとしないで、右足で強く床を後方へ押すようにすると、
 体重を左足に移して、右足を後方へ キック することがうまくいきます。

 この右足の キック をロケットの後方への噴射と見立てて、
 このバリエーションを 「ロケット」 と名付けたのですから、
 そのつもりで練習しましょう。

第8−14 歩
 右足 PPで前進から始めて 女子を スクエア に回転させる ペパーポット です。
 ・ステップ ホッブ QQ
 ・ハーフロック   Q&
 ・フォワードロック QQQ


この バリエーション は、
ロケット を踊る前に次の足型を踊る形で発表されました。

ナチュラル・ピボット・ターン (Q.4番)、            SQQS
ナチュラル・ピボッツ ヒール・プル で終わる、    QQS
ルンバ・クロス (Q.25番) を踊って オープン・インピタス (W.21番)で終わる。 QQS QQ


ウッドペッカー と ペンデュラム
どちらも、 ホップ しながら 体重の無いほうの足を操作する バリエーション です。

このように、ホップ や足の複雑な動きを組み合わせたバリエーションを
英国では 「トリックステップ」 と呼んでいます。

足型の説明に進む前に、 ファイル 競技用足型 の バリエーション とは を復習してください。

「ウッドペッカー(きつつき)」 や 「ペンデュラム(振り子)」 のように名前のつけられたものは
「ネーミングフィガー」 と呼ばれていて、すでに一定のイメージが出来上がっています。

しかし、ザ・ボールルーム・テクニックに記載された足型とは異なり、規定ではありませんから、
そのイメージから外れない限り、歩数、カウント、スウェーなどの要素や、 先行する足型、続行する足型は個人の自由です。

いろいろと工夫しながら練習してみて自分の好む形を作り、観客や審査員にアビールできるように、 美しく磨きあげることが大切です。
この後の説明は一例ですから、これにこだわる必要はありません。

     ウッドペッカー 
                  女子は男子の正反対を行う。

右足に体重を置いて立つ。
1.右足で軽く飛び跳ねて左足を横に開き、左足のトーで体重を受け取り、
 少し左にスウェーし膝を少し曲げてロァー。(&)

*横移動が目的ではなく、体重の置き換えが目的だから、歩幅は小さいほうがよい。

2.右足の膝を曲げ、つま先で左足の後ろの床を軽く突く。(S)

3.左足で軽く飛び跳ねて右足を横に開き、右足のトーで体重を受け取り、
 女子のほうを見て右にスウェーし膝を少し曲げてロァー。(&)
4.左足の膝を曲げ、つま先で右足の後ろの床を軽く突く。(S)

5-6. 1-2を繰り返す。(&S)


     クイック・ウッドペッカー

左足に体重を置いて立つ。
1.体はまっすぐのまま 左足で軽くホップし、
 右足のつま先で左足の後ろの床を軽く突く。(Q)
2.同じ動作を繰り返す。(Q)

*ウッドペッカー (&S &S &S) に続けると調子よくまとまる。

*上記1-2に続く簡単な終わり方は
3.右足を左足に閉じ、(Q)
4.左足を横に開き、 (PP でもよい)。(Q)
ペパーポットに続ける。

     ペンデュラム

左足に体重を置いて立つ。上記の クイックウッドペッカー に続けてもよい。

1.左足で軽く ホップ し、右足を左足に閉じてトーで体重を受け取り、(&)
 ロァーの動作に合わせて、左足を左横へ振り子のように振り広げる。(S)

**飛び上がって どしん と着床し、動きが途切れてしまう練習風景をたくさん見てきました。
飛び上がろうとしないで急速に大きく ライズ し、
その ライズ の頂点で反対側の足のトーが確実に体重を受け取り、
体に ショック を与えないように ロァー するのが上手に踊るコツです。**

2.右足で軽くホップし、左足を閉じてトーで体重を受け取り、(&)
 ロァーの動作に合わせて右足を右横へ振り子のように振り広げる。(S)

1-2.を繰り返す。

*何回繰り返すかは自由だから、
全体のリズムは SSSS でも、QQQQ でも、SSQQQQ でも、
 好みのものを選ぶとよい。


**始めて練習する人は、 プログレッシブ・シャッセ (SQQS)に続けて踊るとよい。**

クォーターターン・ツー・ライト---プログレッシブ・シャッセでも
クイック・オープン・リバース---プログレッシブ・シャッセでもよい。

*終わりまで徐々に高くする通常のライズの仕方ではなく、
SQQまでライズしたところでいったんロァーし、

続く左横への S を低い位置からすくい上げるようにライズしながらステップして
ペンデュラムに続けると、調子よく踊ることができる。
レターサービス で ウッドペッカー が発表された時の アマルガメーション (足型の組み合わせ) を 説明を加えて転記しておきます。
ウッドペッカー を回転しながら踊るという楽しいものです。

中央斜めに面して始める。

1-4 速いカウントの シャッセ・ツー・ライト (SQ&Q)
  ・男子
 左足前進して クイック・シャッセ・ツー・ライト。左に 3/8 回転し、 LOD に背面する。
  ・女子
 右足後退して始める。

5-7 アウトサイド・チェンジ (SQQ)
  ・男子
 女子を外側にして左足後退し、アウトサイド・チェンジを踊って PP となり、
 壁斜めに動いて終わる。
  ・女子
 男子の外側に右足前進で始める。

8-10 プロムナード・ラン (S&S)
  ・男子
 壁斜めに PP で右足前進、フットワーク HT (S)。 左足横へ、フットワーク T 、ロァー (&)。
 右足 PP で ヒール から前進 (S)。
  ・女子
 壁斜めに PP で左足前進、フットワーク HT (S)。 右足横へ、フットワーク T、ロァー (&)。
 左足 PP で ヒール から前進 (S)。

11-16 スロー・ウッドペッカー (&S &S &S)
  ・男子
 右足で軽く跳んで右に 1/4 回転し、逆 LOD の壁斜めに面して左足横へ、
 左ひざを曲げ、少し左にスウェーする (&)。
 右足のつま先で、左足の後ろを体重をかけずに軽く突く (S)。

 左足で軽く跳んで右に 1/4 回転し、逆 LOD の中央斜めに面して右足横へ、
 右ひざを曲げ、少し右にスウェーし、女子のほうを見る (&)。
 左足のつま先で、右足の後ろを体重をかけずに軽く突く (S)。

 右に 1/4 回転して 11-12 を繰り返し、中央斜めに面して終わる (&S)。

  ・女子
 左足で軽く跳び、中央斜めに面して右足横へ、頭は右に向けたままで右ひざを曲げる (&)。
 左足のつま先で、右足の後ろを体重をかけずに軽く突く (S)。

 右足で軽く跳んで右に 1/4 回転し、逆 LOD の中央斜めに背面して左足横へ、
 左ひざを曲げ、少し左にスウェーし、頭を左に回す (&)。
 右足のつま先で、左足の後ろを体重をかけずに軽く突く (S)。

 右に 1/4 回転して 11-12 を繰り返し、中央斜めに背面して終わる (&S)。

17-18 クイック・ウッドペッカー (QQ)
  ・男子
 左足で軽くホップし、右足を少し床から離して持ち上げ、
 体はまっすぐにして、右足のつま先で体重をかけずに床を突く (Q)。

 17 を繰り返す (Q)。

  ・女子
 右足で軽くホップし、左足を少し床から話して持ち上げ、
 頭を右に回し、左足のつま先で体重をかけずに床を突く (Q)。

 17 を繰り返す (Q)。

現在コーナーで踊っている。

[注意] 
  第19歩から第22歩までは支え足で軽く跳びながら踊り、
体重の無い足は、振り子が振れるように横へ振る。

女子の頭は 第26歩で左に回すまで
右に向けたままにしておく。

19
  ・男子
 女子を PP に開かせて、
 新 LOD の壁斜めに面して右足を左足に閉じ、
 同時に、左足を横に向けて少し床から離して振り出す (Q)。

  ・女子
   右に 1/4 回転して PP となり、
 新 LOD の中央斜めに面して左足を右足に閉じ、
 同時に、右足を横に向けて少し床から離して振り出す (Q)。

20
  ・男子
 左足を右足に閉じ、同時に右足を横に向けて少し床から離して振り出す (Q)。

  ・女子
 右足を左足に閉じ、同時に左足を横に向けて少し床から離して振り出す (Q)。

21-22
  男子も女子も、19-20 を繰り返す (QQ)。

23-24
  ・男子
 右足 PP で前進 (S)。
 左足を体重をかけずに右足に閉じ、同時に右足でホップ (&)。

  ・女子
 左足 PP で前進 (S)。
 右足を体重をかけずに左足に閉じ、同時に左足でホップ (&)。

25-27
  ・男子
 女子を スクエア に リード しながら左足前進して オープン・ロック・ステップ
 左足・右足・左足 (Q&Q)。

  ・女子
 左に 1/4 回転しながら右足横へステップして オープン・ロック・ステップ
 右足・左足・右足 (Q&Q)。

28-29
  ・男子
 右足を左足の後ろに交差して、
 フォワード・ロック の第 3-4 歩 (QQ)。

  ・女子
 左足を右足の前に交差して始める (QQ)。


ナチュラル系の足型に続ける。

*現在は 19-22 を 「ペンデュラム」 と呼び、23-29 を 「ペパーポット」 と呼んでいます。

2012年 日本インターナショナルダンス選手権大会
決勝ソロ ベーシック・アマルガメーション

6月9日と10日に行われますから、下旬には NHK から放映されるでしょう。

ソロ種目のアマルガメーションは、決勝に残った七組の選手がひと組ずつ踊りますので、
録画しておくと最高の教科書ができます。

アマルガメーションはネットで公開されていますけれども、

Commence DW
1.Natural Spin Tur    SQQSS

といった記述で 分かりにくい人も多かろうと思いますから、

(18)クイックステップに わかりやすく記載しておきます。

スキャッター・シャッセ

ある年の レターサービス に掲載された"全英選手権評"の中に次のような記述がありました。

『今年の クイックステップ はよかった。
 なぜなら、
スキャッター・シャッセ があまり多くなかったから。』

スキャッター・シャッセ は、
蟹の横這いのように、ただし高速で、右へ左へと シャッセ を連続して踊る バリエーション です。

おそらく、その前年の クイックステップ では、
猫も杓子もスキャッター・シャッセ という場面が展開されていたのでしょう。

日本人は流行に弱いといわれますが、全英選手権でも同じような傾向があるのかなと推測されます。
流行のバリエーションも、
自分の振り付け (コリオグラフィー) の中に効果的に取り入れたものでなければ、
審査員から良い評価は得られない という教訓として銘記しておきましょう。

「スキャッター・シャッセ」 は、「ロケット」 や 「ウッド・ペッカー」 などと同時に発表されました。
発表された時の文書から転記しておきます。

壁斜めに面して始める。
1〜4 右足前進して 「ナチュラル・ピボット・ターン」 を踊り、LOD に面して終わる。 SQQS
5〜7 右足前進して「 カーブド・フェザー」 を踊り、逆LOD に面する。 SQQ

(アレックス・ムーア の ポピュラー・バリエーション集では、
「ナチュラル・ヘアピン」 という名前でした。
フォックストロット のカーブド・フェザー と踊り方は同じですが、
クイックステップ では前進の勢いが強いので回転する勢いも強く、
回転量が増えて 逆LOD に面するまで回転します。)


現在、コーナー である。
8〜10 女子を外側にして左足後退し、
    オープン・インピタス・ターン を踊って PP となり、新LOD に動く。  SQQ

11〜14 右足の ステップホップ と 左足の ステップホップ を踊る。 S&S&
 11 LOD に動いて、PP で右足前進。 S
 12 右に回転しながら、体重の無い左足を閉じて右足で少し ホップ し、
  女子と スクエア になる。 &
 13 左足を横にステップ する。 S
 14 右回転を完了し、体重の無い右足を閉じて左足で少し ホップ し、 LOD に背面する。 &

スキャッター・シャッセ に入る。

15〜20 右に 3/8 回転して 中央斜めに面しながら右足を横に ステップ し、
    右足,左足,右足,左足,右足と、LOD に沿って連続した シャッセ を踊る。 Q&Q&Q 

     第19歩の右足で、体重の無い左足を近くに閉じながら、
    1/4 回転しながら少し ホップ して壁斜めに面する。 Q

21〜26 15〜20 の女子のステップを男子が、男子のステップを女子が踊り、
    右に 1/2 回転して、男子が壁斜めに背面して終る。 Q&Q&QQ

27〜32 15〜20 のステップを繰り返して踊り、
    右に 3/8 回転して男子は LOD に面する。 Q&Q&QQ

33〜37 ペパーポット エンディング。 Q&QQQ
  33〜35 左足前進して オープン・ロック。 Q&Q
  36〜37 フォワード・ロック。       QQ


  ナチュラル系に続ける。



PAGE TOP
Home Page Top