PP
PPに開く、閉じる

社交ダンス上達の道しるべ(16)

元セレクションダンサーズ所属・元港区立青年館ダンス講師  福頼静致 (フクヨリセイチ)

PPとは
  * 頭部の動きについて
  * 足と体の関係

女子の左サイドを引き寄せて開かせる
  *タンゴ の プログレッシブ・リンク  *ワルツ の ウイスク

男子の左サイドを遠ざけて開く
  *コーナー で ウイスク  *オープン・テレマーク
  *回転量調節は「ねじり」の力加減
  *テレマーク・スキー と テレマーク・ターン
  *ウイーブ・フロム・PP  + 女子を閉じさせる + PP で終わる

女子の回転量を男子よりも大きくして開かせる
  *オープン・インピタス

PP を閉じる
  *ワルツのシャッセ・フロム・PP  *タンゴのクローズド・プロムナード
  * ランニング・ウイーブ  *リバース・プロムナード・リンク

        <>は ザ・ボールルーム・テクニック の記述  


PP とは

PP (プロムナード・ポジション) はザ・ボールルーム・テクニック (以後は技術書と記述する) で

「足の位置」 の項に
<男子の右側と女子の左側がコンタクトし、体の反対側が V 字形に開かれた位置。>
と示してあります。

「男子と女子が体を開いて組んでいる という形」 (PP)
を作り出すための足の位置 を規定
したものです。

ほとんどの人が PP では女子が頭を右に回すものだと誤解しているようですが

「頭の回転 (顔の向き)」 については、基本的に踊り手の自由であり、
技術書の中に、頭の回転について規定した記述は全くありません。

『ネックの返し』 という言い方は日本だけのものです。


技術書の
タンゴのプロムナードで 『足の向き』 は示してありますが、
体をどの程度開くかは、全く決められていません。

アレックス・ムーア
(技術書の巻頭に肖像写真を掲げて生前の功績を称えてある大功労者)
は彼の著書で

『開きすぎると不恰好に見えるので、
上級者は開き方をコンパクトに保ち、足の向きは より LOD に近づける傾向がある。』

と述べています。


頭部の動きについて

1955年に来日し、日本人に初めて本格的な英国風の社交ダンスを手ほどきしてくれた
レン・スクリブナー の遺稿集ともいうべき JUST ONE IDEA の 第三章 基礎編 に、
"頭部の動きについて" という項がありますので、重要な部分を紹介しておきます。

女子の頭部の動きについては2種類の重要な役割があると思う。
第1に、個体および、カップル としての最善の ライン を形成すること。
第2に、バランス を維持することである。

一言でいうと、正しい頭部の動きとは、魅力的であると同時に実利的でなければならない。

女子が、いかに効果的だと思っても、男子の ライン を崩したり、
コントロール を維持するために余計な筋力を要するならば、その頭の動きは間違っている。

   おなじみの ウイスク を例に取って検討してみよう。

女子が右を見るか、左を見るかは任意であるが
後者のほうが相対的に良い ライン を形成できるので、私はむしろ左を見るほうを選択する。

女子の ライン は左足の トー から脚部を経て、胴体、首、頭部まで伸展する。
頭部を右に回すとラインは首から分断される。

さらに通常 ウイスク に続く ウイング や、シャッセ での不必要な頭の動きは、
左を見ることにより解消する。

後退、あるいは 右スピン から ウイスク に入る時には、一層左向きの利点が選好される。
ここで頭を右に回すと男子に対する遠心力が増幅され、
男子が減速して快適な ウイスク に リード するのを助けることができない。

優秀な選手が右を向いて美しく踊れることは否定しないが、
先に私の述べた ライン のほうが勝っている。

   もうひとつのよく知られたフィガー"フォーラウェー"について考えてみよう。

リバース系フィガー (通常 リバース・ピボット) が続行する場合、
私としては選択の余地なしと考えている。

この場合には、女子の頭部を通常の位置 (左向き) に保たねばならない。
さもないと、女子の重心が男子から離れすぎ、左回転の軸から外れることになる。

この状態から、ただ一歩で通常の ポイズ を回復するのは、時間的に無理である。
また、ウイスク で考察したのと同様、ここでも体線の問題が適用される。

頭部の向きを正確に規定する"キー"があると良いのだが、残念ながら見当たらない。
しかし、頭部を動かすにあたって念頭に置くべき3ヶ条を次に示す。

@ 直後に左回転が続く時は、頭を右に回さぬこと。
A 頭を右に回すためには、充分、時間的ゆとりを持つこと。
 時間に余裕のない時は、頭を静止させておくこと。

 ただし、タンゴ でしばしば用いられる スタッカート な動きはこの限りではない

B 左・右、いずれの方向に頭を回すにしても、肩の ライン を崩したり、
 バランス に影響を与えてはならない。



足と体の関係

社交ダンスは体を運ぶことが目的で、
それを実現するための手段 として使うのが足です。

技術書の冒頭に 「ポイズ」 として明示してあるように、
体重を足のボールで支えて真っすぐに立つ事がボールルームダンスの前提条件ですから

足の位置を示せば、
体は当然その足のボールの真上に位置していることとなります。


* 足の向きと体の向きが一致している時には
「面して」 「背面して」
と示してあります。

* 両足のインサイド・エッジの前後の向きと腰の左右の向きが、
直角に交わっていることが基準です。

* 足の向きと体の向きが異なる場合には
足を・・・に向けて、体は・・・に面して』 と示して区別してあります。

普通の人は、片足で立っている時に左右に各45度くらい、体の向きを変えることが可能です。

体の形や動きばかりを気にして、
それを作り出すのは足の使い方であることを見落としてはなりません。

また、足に関する記述だけにこだわって、
体を運ぶのが目的であることを忘れてはなりません。

技術書は、足の使い方を中心に、
初歩の段階から正確に身に付けなければならない、
約60年かけて磨き上げた標準の技術を記述してあります。

トップクラスの競技選手は、この標準の技術を充分にマスターした上で、
それを超越したレベルの技術
で体を運んだりします。

トップクラスには程遠いレベルの選手がそのまねをしていたのでは、
根本的な 『基準となる力』 を正しく身に付けることができません。

その一方で、トップクラスの競技選手の足の使い方が
技術書と異なっている部分を否定的にしか見ようとしないのでは、
日本の選手が世界に伍して戦うことの可能なレベルにまで強くなるのは困難です。

     スチーブン・ヒリア
(1986-'87年 全英チャンピオン。世界的に有名なコーチャー、審査員)

『タンゴを誤ったイメージのまま踊っているダンサーを多く見かけます。
 間違ったイメージを払拭することが一番でしょう。』

『日本ではエデュケーションに少し問題を感じます。
 不幸にして間違ったことを覚えてきた人は、それを捨て、
 正しい教えを受けてください。

 一度ついてしまった癖は、長ければ長いほど直すのに時間かかります。』

『約60年かけて培われてきた基本原理を学び、
 正しいテクニックを身に付けた者が勝つのです。』

『選手、コーチャー、審査員が一丸となり、
 もっと視野を広げ知識を得ることに貪欲になって、
 正しいものを見極める力をつければ強くなれるでしょう。』


     (月刊誌 ダンス ファン 04年6月号)

女子の左サイドを引き寄せて開かせる

もちろん手で引っ張ってはいけません。
男子が右サイドを少し後ろに引くことによって、女子の左サイドを引き寄せた結果となるのです。

タンゴのプログレッシブ・リンク (QQ)
(4)日本式タンゴと英国式タンゴに詳述
男子
<1.左足 壁斜めに CBMP に前進、フットワーク H>
<2.右足 壁斜めに面して PP で横少し後ろへ、フットワーク 足の IE, 左足 B の IE>
<註:第2歩をとる時、
右サイドを少し後ろへ引く> **
    足の向きは壁斜めに向けたままで変化しないことに注意してください。

**右足をステップする時に右サイドを後ろに引いて女子を PP に開かせる方法は、
フォア・ステップ や ファイブ・ステップ で PP になる時にも適用されます。

女子
<1.右足 壁斜めに CBMP に後退、フットワーク BH>
<2.左足 中央斜めに面して PP で横少し後ろへ、フットワーク B の IE,H, 右足 B のIE>
<註:第2歩の位置は体に対して少し後ろに当たる。
  第1歩の
右足ボールの回転は、右ヒールが降りる前にすること。>

ワルツのウイスク (1,2,3)

タンゴのプログレッシブ・リンクのように右サイドを後ろに引くのではありません。

しかし、右サイドを右足の進行する線よりも後ろに保つことで、
女子の左サイドを引き寄せたのと同じ効果を及ぼすのです。

第二歩の右足は後ろから大きいスピードで追いついてきますので、
横に広げたはずのものが、振れる勢いで右斜め前にステップされる結果となります。

当然、右サイドも足と一緒に右斜め前に進みますが、
そのままだと第三歩の左足を右足に閉じるクローズド・チェンジになってしまいます。

ウイスクがうまくいかない人は
この踊り方のままで
、第三歩を右足の後ろに交叉しようと無理をしているのです。

第二歩の右足をステップする時に体を自然に運んだら、
その体は、左足のトーから右足のトーの着床地点に向かって移動します。

この体を右足トーの着床地点に向かわせず、
右足の後ろに交叉する第三歩左足のトーの着床地点に向かうように、
体を少し後ろに保つのです。

右足は、体の前方、向こうの方に伸ばして床を押さえているような感覚です

男子
<1.左足 壁斜めに面して前進、CBM (少し)、1 の終わりでライズを始める、
 フットワークHT、スウェー直>
<2.右足 壁斜めに面して横少し前へ、ライズ継続、フットワークT、スウェー左>
<3.左足 壁斜めに面して PP で右足の後ろに交叉、アップ、3 の終わりでロァー、
 フットワークTH、スウェー左>
<註:第2歩の
足の位置は クローズド・チェンジの第2歩と同じ である。>

女子
<1.右足 壁斜めに背面して後退、CBM なし、1 の終わりでライズを始める、NFR
 フットワークTH、スウェー直>
<2.左足 
中央斜めに向けて斜め後ろへ、1-2 の間で 1/4 右回転、体の回転を少なく
 ライズ継続、フットワークT、スウェー直>
<3.右足 中央斜めに面して PP で左足の後ろに交叉、体の回転を完了、
 アップ、3 の終わりでロァー、フットワークTH、スウェー右>
<註:両足の回転は 1-2 の間で完了する。>

回転量は体の向きで測るのではなく、両足の間で測ります。

女子の右足は、プログレッシブ・リンクとは異なって、
ボールが床を滑って回転することはありません。

ノーフット・ライズをしてヒールを強く床に押し付けていますから、
その右足が回転することはできないのです。

しかし、体は男子のリードで回転を始めますから、
斜め後ろにステップする左足のトーを中央斜めに向くまで回転させて床に置きます。

左足のヒールと太腿の後ろ側を外に開いて
両足を「ハ」 の字にするような感覚です。

左足の後ろに右足を交叉して、体重が乗り切った時に体の回転が完了します。

   
    上級競技選手のウイスク
レン・スクリブナーの遺稿集とも言うべき ジャスト・ワン・アイデア に
「ウイスクについての一考察」 と言う一節があります。

その要旨は、一流選手は「壁斜め」の方向にこだわらず、
『左足はわずかに上体を横切って壁の方向にステップしている』 と言うことと、

技術書に示された「男子 左スウェー」「女子 右スウェー」ではなく、
『男子はスウェーを用いずに女子を左スウェーにリードしている』 と言うことです。

* ボディースイングがしっかり身につくと、自然にこの方向に進むと思います。
 
男子の左サイドを遠ざけて開く

女子は回転しません。
男子が左回転をして左サイドを女子から遠ざけ、PP に開きます。

コーナー で ウイスク
コーナーだけではなく、
部屋の側面で踊ってから中央へ動きたい時にも使います。

男子
<1.左足 壁斜めに面して前進、CBM (少し)、
左回転を始める、1 の終わりでライズを始める、
 フットワークHT、スウェー直>
<2.右足 LOD に面して右サイド・リーディングで斜め前へ、
1-2 の間で 1/8 左回転、ライズ継続、
 フットワークT、スウェー左>
<3.左足 新 LOD の壁斜めに面し PP で右足の後ろに交叉、
2-3 の間で 1/8 左回転
 アップ、3 の終わりでロァー、フットワークTH、スウェー左>


女子
<1.右足 壁斜めに背面して後退、1 の終わりでライズを始める、NFR、フットワークTH、スウェー直>
<2.左足 壁斜めに背面して左サイド・リーディングで後退、ライズ継続、フットワークT、スウェー右>
<3.右足 新 LOD の中央斜めに面して PP で左足の後ろに交叉、アップ 3 の終わりでロァー、
 フトワークTH、スウェー右>
<註:、
女子は回転しない。>


ワルツのオープン・テレマーク (1,2,3)

クローズド・テレマークと比べてみると、第一歩は全く同じです。
男子
<1.左足 中央斜めに面して前進、CBM、左回転を始める、1 の終わりでライズ、
 フットワーククHT、スウェー直>


女子
<1.右足 中央斜めに背面して後退、CBM、左回転を始める、1 の終わりで少しライズ、NFR、
 フットワークTH、スウェー直>

 
 第三歩で女子から左サイドを遠ざけるためには
 女子よりも回転量を大きくしなければなりません。

 その準備として、第二歩の回転量を小さくし、
 女子の体が持つ回転の力を小さくしておきます。

 男子の クローズド・テレマーク の第二歩は
<2.右足 ほぼ LOD に背面して横へ、1-2 の間で 3/8 弱 左回転、アップ、
 フットワークT、スウェー左>


 オーブン・テレマークの場合は
<2.右足 壁斜めに背面して横へ、1-2 の間で 1/4 左回転、アップ、
 フットワークT、スウェー左>


この段階で、内回りで回転する女子に、外から見えるほどの変化はありませんが
体が持っている回転する力は、オープン・テレマークの方が小さいのです。
<2.左足 LOD に面して右足にクローズ (ヒール・ターン)、1-2 の間で 3/8 左回転、ライズ継続、
 フットワークHT、スウェー直>


第二歩で控えめの回転をした男子が、
第三歩で大きく回転してその勢いに乗って、
左サイドを女子から遠ざけるまで回転するのです。

     クローズド・テレマークの第三歩では女子も回転します
  男子
 <3.左足 壁斜めに向けて、体は壁に面して横少し前へ、
  2-3 の間で
3/8 強 左回転、体の回転を少なく、アップ、3 の終わりでロァー、
  フットワークTH、スウェー直>


  女子
 <3.右足 壁斜めに背面して横少し後ろへ、
  2-3 の間で 3/8 左回転、体の回転を少なく、アップ、3 の終わりでロァー、
  フットワークTH、スウェー直>


     オープン・テレマークの場合は、
  男子
 <3.左足 壁斜めに向けて、体は壁に面して、PP で横少し後ろへ、
  2-3 の間で
1/2 左回転、体の回転を少なく、アップ、3 の終わりでロァー、
  フットワークTH、スウェー直>


  女子
 <3.右足 LOD に向けて PP で、右サイド・リーディングで前少し右へ、
  
体を少し左へ回転、アップ、3 の終わりでロァー、
  フットワークTH、スウェー直>

回転量の調節は 「床をねじる」 力加減で

重力に支配された地球上で床の上に立っているのですから、
移動するにも回転するにも、
床と接触している靴の裏に何らかの力を加えなければなりません。

回転するために必要な床に加える力は、
靴底で、時計回り、又は反時計回りに 「床を ねじる」 ように加える力です。

床は動きませんから、反作用で、加えた力と反対回りに体が回転します。

     テレマークで使う床をねじる力

  * 右足のボールで床を 時計回りに ねじってCBM を作り、
  同時に床を後方へ押して左足前進をします。

   * 第一歩左足の前進の終わりでライズしながら、
  トーで床を 時計回りに ねじって左回転をします。

 (左足の横を振り抜けた右足は、ヒールが外に開いて、
  両足を 「ハ」 の字にするような感覚です。)

  * 第二歩右足のトーが着床すると同時に、
  床を 時計回りに ねじって左回転を継続します。

 (両足を 「逆ハ」 の字にするような感覚です。)

  * ねじる力を加減することによって、
  回転量を調節することが可能となります。


     テレマーク・スキー と テレマーク・ターン

 スキーの競技にはアルペン種目とノルディック種目があります。
 このノルディック種目の元になっているのが、
 ノルウエー南部の一地方テレマークのあたりで、冬季の交通手段として発達したスキー技術で、
 スキーの起源と言われ、テレマーク・スキーと呼ばれています。

 ツルツルのゲレンデ向きのアルペンの回転技術と違って、深い雪の中でも回転することが可能な
 テレマーク・ターンと呼ばれる回転の技術があります。

 アルペン・スキーは靴底全体をスキー板に固定しますが
 テレマーク・スキーで固定するのはつま先だけで、踵は自由に上げることができます。

 テレビでジャンプ競技をご覧になった方は
 「着地のテレマーク姿勢も ピタリ と決まって・・」 と言う言葉に聞き覚えがあるでしょう。

 片方の足は、踵を高く上げ膝を板に近づけるように深く折り曲げて体重の大部分を支え、
 もう片方の足は靴底を全部板に着けたまま立て膝で少し前に保っています。

 この少し前方に保った板の後部を外に開きながら、板を雪に押し付けるように力を加え、
 徐々に体重を移して回転していきます。

 「ダンスのテレマーク」 は、左足に体重を乗せて前進し、
 右足の踵を外に開きながら前方へ振り出してトーを床に当て、
 体重を移して左に回転する動作がスキーの 「テレマーク・ターン」 を連想させる
 と言うことで名づけられたものと思われます。

ワルツ の ウイーブ・フロム・PP
女子を閉じさせる   PP で終わる


この足型の第一歩は、ウイスクの後なら中央の方向へステップし、
オープン・インピタスの後なら、中央斜めの方向へステップします。

  オープン・インピタスに続く第一歩
男子  
<1.右足 中央斜めに向けて、体は LOD に面して、PP で CBMP に前進、
 1 の終わりでライズを始める、
 フットワークHT、スウェーなし>

女子
<1.左足 中央に向けて、PP で CBMP にアクロスして前進、(中央斜めに動く)、
CBM、
 左回転を始める
 1 の終わりでライズを始める、フットワークHT、スウェーなし>

女子を扉にたとえるなら、男子はその扉の支柱です。
支柱がくらついていたら、開いている扉を閉じることが難しくなります。

先ず、右足フットワーク HT を確実に、
インサイド・エッジをしっかり踏んでぐらつきを無くさなければなりません

決してインサイド・エッジの線を右にそれて、女子の方へぶれてはなりません。

無造作に前進されたら、女子は閉じることができません。

男子は右足で前進を始めてからわずかに減速し、
閉じる女子を迎え受けてから前進
する配慮が必要です。

[ PP で同じスピードで前進を始めた男子が一瞬減速することによって、
女子の前進が閉じる動きに変わります。
]


   第二歩から第四歩
男子
<2.左足 中央斜めに面して前進、CBM、左回転を始める、ライズ継続、
 フットワークT、スウェーなし>

<3.右足 壁斜めに背面して横少し後ろへ、2-3 の間で1/4 左回転、
 アップ、3 の終わりでロァー、フットワークTH、スウェーなし>

<4.左足 LOD に背面して CBMP に後退 (女子外側)、3-4 の間で 1/8 左回転、
 4 の終わりでライズを始める、NFR、フットワークTH、スウェーなし>

女子
<2.右足 中央斜めに背面して横少し後ろへ、1-2 の間で 3/8左回転、ライズ継続、
 フットワークT、スウェーなし>

<3.左足 LOD に向けて横少し前へ、2-3 の間で 3/8 左回転、体の回転を少なく、
 アップ、3 の終わりでロァー、フットワークTH、スウェーなし>

<4.右足 LOD に面して、OP で CBMP に前進、4 の終わりでライズを始める、
 フットワークHT、スウェーなし>


女子が上達して、
上体を大きく後ろにそらせて見栄えよく回転するにつれ、遠心力が強くなります。
男子が垂直な支柱を強く保つように、技術書では 『スウェーなし』 と特記してあります。

* スクエア (向き合って組んだ形) のままか、PPに開くか、第五歩がそのわけ目です。
「CBM あり」 「CBM なし」 でそれを決定します。

* スクエアで踊ってナチュラル系に続ける場合の第五、六、七歩
男子
<5.右足 LOD に背面して後退、
CBM、左回転を始める、ライズ継続、
<6.左足 壁斜めに向けて横少し前へ、5-6 の間で 3/8 左回転、体の回転を少なく、
 アップ、6 の終わりでロァー、フットワークTH、スウェーなし>
<7.右足 壁斜めに面して OP で CBMP に前進、CBM、フットワークH、スウェーなし>
<続行:全てのナチュラル系足型 と クローズド・ウイング>

女子
<5.左足 LODに面して前進、
CBM、左回転を始める、ライズ継続、
 フットワークT、スウェーなし>
<6.右足 壁斜めに背面して横少し後ろへ、5-6 の間で3/8 左回転、体の回転を少なく、
 アップ、6 の終わりでロァー、フットワークTH、スウェーなし>
<7.左足 壁斜めに面して CBMP に後退、CBM、フットワークT、スウェーなし>


   PP に開くための第五歩
スクエアのままで踊りたい時には、
男子の第五歩で CBM を作って女子を左回転にリードするのですから、

PP に開くためには第五歩を CBM なしで後退して、
先ずアウトサイドに前進した女子と スクエア となります。

女子とスクエアになったら、
ライズを継続しながらトーで床に時計回りのねじる力を加え、
左サイドを女子から離しながら、第六歩を LOD に進んで PP となります。


女子の回転量を男子よりも大きくして開かせる

オープン・インピタス

オープン・インピタスは、 ナチュラル・ターン前半の三歩に続けて踊ります。
競技の場面では差がつきやすい足型ですから、 ファイル(6-1)競技用足型に詳述しました。

男子
<1.左足 LODに背面して後退、CBM、右回転を始める、フットワークTH、スウェー直>
<2.右足 中央斜めに面して左足にクローズ (ヒール・ターン)、1-2 の間で 3/8 右回転、
 2 の終わりでライズ、フットワークHT、スウェー左>


男子は女子が自分の前を通過するはずみ (インピタス) によって
ヒール・ターンで 3/8 回転したところで回転をやめます。

右回転を始めた女子に回転を止める条件はありませんので、
回転が続き、右サイドが男子から離れて PP に開きます。

<3.左足 中央斜めに向けて、PP で左サイド・リーディングで斜め前へ、体は LOD に面して
 アップ、3 の終わりでロァー、フットワーク TH、スウェー直>


女子
<1.右足 LODに面して前進、CBM、右回転を始める、フットワークHT、スウェー直>
<2.左足 中央斜めに背面して横へ、1-2 の間で 3/8 右回転、2 の終わりでライズ、
 フットワークT、スウェー右>

この第二歩で左足のトーが着床するまではスクエアで、その後の回転でPP に開きます。

<3.右足 左足にブラッシュして、中央に向けて
PP で横へ、中央斜めに動く、
 2-3 の間で 3/8 右回転、
 体の回転を少なく、アップ、3 の終わりでロァー、フットワークTH、スウェー直>


PP を閉じる

  PPを閉じてスクエアにもどるために必要なのは 正しくウォークする力 です。

体重を支えている足が体を前方へ送り出し、
ヒップから振り出した体重の無い脚のヒールが着床すると同時に体を受け取って支え
床を引き寄せる力を使って後ろにある体を引き寄せます

この力をコントロールすることによって
女子を左に回転させたり男子が右に回転したり、 あるいは 二人とも左に回転したり して PP を閉じます。

日本式の、体重の無い足の股関節を曲げて足を前に出して置き、
その足にのしかかるように体重を乗せる歩き方では、 PP を閉じるのに苦労します。

ワルツのシャッセ・フロム・PP (1,2,&,3,1)
男子
<1.右足 壁斜めに面して PP で CBMP にアクロスして前進 ( LOD に沿って動く)、
 CBM (少し)、1 の終わりでライズを始める、フットワークHT、スウェーなし>

<2.左足 壁斜めに面して横少し前へ、ライズ継続、フットワークT、スウェーなし>
<3.右足 壁斜めに面して左足にクローズ、ライズ継続、フットワークT、スウェーなし>

<4.左足 壁斜めに面して横少し前へ、アップ、4 の終わりでロァー、

<5.右足 壁斜めに面して OP で CBMP に前進、CBM 、フットワークH、スウェーなし>
<
続行:全てのナチュラル系足型とクローズド・ウイング>

女子
<1.左足 中央斜めに面して PP で CBMP にアクロスして前進 (LOD に沿って動く)、CBM、
 左回転を始める、1 の終わりでライズを始める、フットワークHT、スウェーなし>

PP でスタートする時には、男子と女子は同じスピードで動き始めますが、
男子が、スタート直後にわずかに減速することによって、女子を回転にリードします。

女子の前進する力が回転する力と変わって回転が始まった後は、
女子が、回転しながら流をリードしていくこととなります。

<2.右足 壁に背面して横へ、1-2 の間で 1/8 左回転、ライズ継続、
 フットワークT、スウェーなし>
<3.左足 壁斜めに背面して右足にクローズ、
2-3 の間で 1/8 左回転、体の回転を少なく、
 ライズ継続、フットワークT、スウェーなし>

*
男子は自分の腕が女子の回転についていくように注意しなければなりません。

* 自分が先にたって動こうとすると、壁斜めに面していた体が壁と壁斜めの中間に向くような
中途半端なシャッセを踊る結果となります。

     アンソニー・ハーレー (1969-'72年 全英チャンピオン)
  『男子は腕が相手の回転についていくようにしないとなりません。
      自分が動こうとすると 《グッバーイ・シャッセ》 になり、
         女子に大きなプレッシャーを与え、音楽性を失ってしまいます。』
               
 (月刊誌 ダンスファン)

<4.右足 壁斜めに背面して横少し後ろへ、アップ、4 の終わりでロァー、
 フットワークTH、スウェーなし>
<5.壁斜めに背面して CBMP に後退、CBM、フットワークT、スウェーなし>

シャッセ・フロム・PP を踊る上での注意点を、ファイル (6)競技会 に記述しました。

  タンゴ の クローズド・プロムナード (SQQS)

ファイル (4)日本式タンゴと英国式タンゴ に詳述しました。
男子
<1.左足 LODに沿って壁斜めに向けて PP で横へ、フットワークH >
<2.右足 LOD に沿って壁斜めに向けて CBMP にアクロスして前進、フットワークH >

右足のヒールで床をかき寄せて体重を乗せたら、トーをブレーキとして使い、
床を押さえて一瞬減速し、女子を閉じさせます。

** 逆に、男子がスピードを上げて右回転して女子に閉じることもできます。
男子が右回転して閉じる場合には、第三歩のフットワークが男女入れ替えとなります。

<3.左足 壁斜めに向けて横少し前へ、フットワーク足のIE >
<4.右足 壁斜めに面して左足の少し後ろにクローズ、フットワークWF >


女子
<1.右足 LOD に沿って中央斜めに向けて PP で横へ、フットワークH>
<2.左足 LOD に沿って中央斜めに向けて PP で CBMP にアクロスして前進、
 フットワークH >
<3.右足 壁斜めに背面して横少し後ろへ、
2-3 の間で 1/4 左回転、
 フットワークB の IE,H >
<4.左足 壁斜めに背面して右足の少し前にクローズ、フットワークWF >


* フットワーク WF (ホールフット) は
はんこを押すように足裏全面を ぺたん と床に当て、瞬時に体重を乗せ替えます


ランニング・ウイーブ

クローズド・プロムナードで男子が右回転して閉じる場合と同様です。
ファイル(6-1)競技用足型で詳述しました。

リバース・プロムナード・リンク (SQQ)

プロムナード・リンクの基本形は、
壁斜めに面してLOD に沿って動き始めたプロムナードの第二歩で
男子は右に 1/8 回転し女子は左に 1/8 回転して PP を閉じると言うものです。

ここから発展した、男子は回転せず、女子に 1/4 左回転させて壁斜めに面する方法があり、
さらに、プロムナードを中央斜めに動き始め、男子が 1/8 左回転、女子は 3/8 左回転し、

PP を閉じて中央斜めに面し、リバース系へと進む方法があります。

この方法が リバース・プロムナード・リンク と呼ばれています。

     先ず、技術書によって基本形を確認します。
男子
<1.左足 LOD に沿って、壁斜めに向けて PP で横へ、フットワークH >
<2.右足 LOD に沿って、壁斜めに向けて PP で CBMP にアクロスして前進、
 フットワークHB (足をフラットに保つ) >
<3.左足 壁に面して、体重をかけずに小さく横へ置く、
2-3の間で 1/8 右回転
 フットワークB の IE >

「フラット」は足の裏全体に体重を分散させること と誤解している人がいます
足裏全体に体重が分散していたら、回転することはできません。

フラット は、足の裏が全部床に触っている形のことで、体重を支えているのはボールです。

タンゴに特有の、
足の裏全体で体重を支えるフットワークは 「ホールフット (WF) 」 と言います。

女子
<1.右足 LOD に沿って、中央斜めに向けて PP で横へ、フットワークH >
<2.左足 LOD に沿って、中央斜めに向けて PP で CBMP にアクロスして前進、
 フットワークHB (足をフラットに保つ) >
<3.右足 壁に背面して、体重をかけずに小さく横へ置く、
2-3 の間で 1/8 左回転
 フットワークB の IE >

第二歩は、お互いにフラットの足の B を軸にして回転し、
男子と女子は完全に線対称の動きです。

中央斜めに動く プロムナード

ここで リバース・プロムナード・リンク を使います。

第一歩は、
男子 「左足を LOD に向けて」、女子 「右足を中央に向けて」 となります。

第二歩の男子の右足の向きが重要なポイントです。
[右足 中央斜めに向けて、PP で CBMP にアクロスして前進 ] となります。


右足のヒールが着床すると同時に強力な 『引く力』 を使って後ろにある体を引き寄せ、
中央斜めに向けてフラットにした足の上に、足の向きと一致させて体をしっかりと固定する
ことで、
女子が 3/8 左回転して、 PP を閉じることとなります。




社交ダンス上達の道しるべ(17)

社交ダンス競技で勝つ取り組み




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