水処理用サイクロンセパレーター
1 海水処理装置の問題点
海水処理装置の問題点は、海水中に含まれる海洋微生物、固形物、TEP,泥等の分離除去
にあります。
現在はこれ等を分離する為に、砂ろ過装置やフイルター式ろ過装置が採用されていますが、
現状のろ過装置ではどうしても閉塞の問題があり、一定時間の運転の都度、逆洗洗浄を行う
必要があります。しかし一度に大量の固形物や微生物、泥等をポンプが吸入することもあり、
これら装置では連続運転を維持できない状況が発生する事が報告されております。
全ての海水処理装置に於いて、前記ろ過装置の閉塞問題は早急に解決が求められておりますが、
これら現状の前処理装置に代わる、閉塞問題のない海水前処理装置の開発を追求したものが
弊社の新しい発想によるサイクロン式ストレーナーであります。
2.NARUTOの特徴
従来のサイクロンセパレーターは液体又は気体の流体に旋回流を与えて、その流体中の比重
の大きな固形物を流体の遠心力により分離する考え方に基ずいており、処理可能な物は比重
の高い固形物(泥や金属粉 )のみで、海水中に含まれる比重の軽い海洋微生物等の分離
にこの装置を適用する事は不可能でした。
弊社サイクロン式セパレーターNARUTOは、全く新しい発想により海水の旋回流の
作用を利用して、比重の重い泥等は遠心力で分離し、質量の軽い海洋微生物は旋回流の流れに
乗せて、分離除去する事を考案いたしました。この発想は従来のサイクロン式セパレーターの
固定概念を変え、サイクロン方式でありながらNARUTOの水処理装置への適用範囲を拡大する
事が可能になりました。
3.NARUTOの構造:
|
4. NARUTOの機能:
NARUTOは海水入口管、出口管、固定羽根、円錐形本体部、ドレン排出管及び沈降タンクに
よって構成さています。
海水出口管上部は前図のようにパンチングホールが設けられており、海水出口部と下降水
の圧力を均一化し、分離物の再吸入を防止する構造となっております。
海水入口から流入した海水は固定羽根で高速旋回流となり、その後、海水は円錐形本体部
内壁にって、旋回しながら本体下部へ移動し、最終的に下部の沈降タンク内へ流入する。
この過程で泥等の比重の高い固形物は遠心力で本体内壁へと分離され又質量の軽い
海洋微生物等は旋回水流に乗って、本体内壁へと運ばれ中央部の水流から分離される。分離された
物質は円錐形本体の形状から再び本体中央部の水流に混入する事なく、下部の沈降タンクへと
運ばれる。一方固形物を分離された中央の清浄海水は海水出口管を通じて、処理装置の次の工程
へと送水される。
下部沈降タンクは海水の流速を落とし、分離された固形物が沈降しやすい構造となっている。
これら固形物は最終的にドレン排出管より内圧で排出される。
比重の高い泥等は沈殿させてしまうと、排出が困難になる為装置運転中はドレンを
連続排出して泥水状態のまま排出する必要がある。
5.NARUTOの優位性:
(1)ろ過式フイルターの閉塞問題を解決いたします。
(2)物質の比重に関係なく分離する事が可能な唯一のストレーナーです。
(3)構造のコンパクトさ、及びシンプルさにより、コスト低減できます。
(4)前記により据え付けコストが削減できます。
(5)電源不要です。
(6)作動箇所がない為、故障の心配がありません。
(7)消耗品が不要なので、ランニングコストが節約できます。
(8)下記、あらゆる水処理システムに対応可能であります。
*水産養殖関係の水処理システム
*海水淡水化装置
*舶用バラスト水処理装置
*泥水の清浄化システム
*一般浄排水処理システム