ザゼンソウ

Symplocarpus foetidus
 Salisb. ex W.P.C.Barton
 var. latissimus H.Hara
霧ヶ峰車山湿原
花序 花序の断面
 「肉穂花序(にくすいかじょ)」というらしい。花序は多肉質の花序軸のまわりに花が密集する。ミズバショウと同様、先ず雌しべが花被片(花びら)を押しのけて現れ、雄しべの出現はやや遅れる。花序の断面を見ると、雄しべが花被片の下で待機しているのがわかる。山地の湿原に分布。早春、雪を押しのけるように開花。雌しべの成熟期には花序が発熱し、その温度は26℃に達するとのこと(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%82%A6)である。

赤道観(微分干渉像・上側が向心極) 極観(同・向心極面) 極観(同・遠心極面)
 発芽装置は遠心極側の1本の溝からなり、粒状の突起が密集して溝を埋める。表面は網状模様で覆われ、網は溝の縁まで連続する。


粒状突起のL-Oパターン

a.粒状突起上部(微分干渉像・油浸) b.粒状突起下部(同)
 a.粒状突起の上半部にピントを合わせるとリング状の模様が現れる。その周囲には不鮮明な輝点が見られるが、これが粒状突起の上端部であろう。つまり、「リング」の上端が閉じていることを示し、粒状突起は水ぶくれ状であることがわかる。
 b.水ぶくれ状の粒状突起は下部で癒着しているように見える。床面には小さな粒状突起が散在する。



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