こ れから論文を書く若者のために
大改訂増補版

酒井 聡樹著 共立出版
本体 2600円(税込み 2730 円)
A5 判 301 頁
(ISBN 4-320-00571-6)

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若手研究者のお経


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目次
赤字:大改訂または増補した章
青字:中改訂した章
緑字:小改訂した小

第 1 部 論文を書く前に
第 1 章 研究を始める前に
 1.1 論文とは何か
 1.2 学術的意義を問う

第 2 章 なぜ、論文を発表するのか
 2.1 なぜ、論文を発表するのか
 2.2 論文は、あなたが得た研究成果の価値を認めてもらうために書く
 2.3 論文を発表しなくてはいけない世俗的理由
 2.4 書くことはためになる
  2.4.1 研究成果の質を高める
  2.4.2 あなた自身を変える

第 3 章 論文を書く前に知っておきたいこと
 3.1 論文は学術雑誌に発表する
 3.2 論文の種類
 3.3 論文は英語で
 3.4 論文発表と学会発表の違い

第 2 部 論文書きの歌:執筆開始から掲載決定まで
 前奏 ズチャチャチャ ズチャチャチャ ♪
 前-1 どこまで研究が進んだら論文にしてよいのか
  前-1.1 現在得ている研究成果で論文になるのか
  前-1.2. 研究を続けて、研究成果の質を向上させてから論文にするべきなのか
 前-2 共著者の再確認と著者の順番
  前-2.1 共著者の再確認
  前-2.2著者の順番

1 番 構想練ったら雑誌を決めよう 必ずあそこに載っけるぞ
 1.1 構想を練る
 1.2 投稿先を決める
  1.2.1 学術雑誌選定の基準
  1.2.2 選定基準の優先順位
  1.2.3 論文掲載の難易度とどう折り合いをつけるか

2 番 タイトル短く中身を要約 書き手のねらいをわからせよう
 2.1 良いタイトルを付けよう
 2.2 良いタイトルとは
 2.3 良いタイトルの付け方
  2.3.1 タイトルに入れる情報
  2.3.2 タイトルを付けるときに気をつけること
  2.3.3 印象を強くする工夫
  2.3.4 その他の注意事項

3 番 イントロ大切なにをやるのか どうしてやるのか明確に
 3.1 イントロダクションでは何を書くべきなのか
 3.2 良いイントロダクションの例
 3.3 「どうしてやるのか」が書いていないイントロダクション
 3.4 わかっていないからやるのか
 3.5 研究の意義を認めてもらうためには
 3.6 イントロダクションのコツ:イントロ折り紙に挑戦
  3.6.1 イントロ折り紙の作り方
  3.6.2 「どうして取り組むのか」には二とおりの書き方がある
  3.6.3 悪いイントロダクションの改善例
  3.6.4 イントロ折り紙適用のコツ

4 番 マテメソきちっと情報もらさず 読み手が再現できなくちゃ
 4.1 研究方法の説明を書く目的
  4.1.1 研究方法が適切であることを示す
  4.1.2 読者が研究を再現できるようにする
 4.2 読者に示すべき情報
  4.2.1 実験・調査・観察の対象
  4.2.2 実験・調査・観察の方法
  4.2.3 データ処理の方法
 4.3 見出しの効用

5 番 いよいよリザルト中身をしぼって 解釈まじえず淡々と
 5.1 無駄なデータを削る
 5.2 わかりやすい形でデータを提示する
  5.2.1 データを図表で示すべきか、本文中に書くべきか
 5.3 データが持つ情報を短い言葉にまとめる
 5.4 その他の注意事項

6 番 山場は考察あたまを冷やして どこまで言えるか見極めよう
 6.1 考察を書くのは楽しいことである
 6.2 考察で書くべきこと
  6.2.1こういうことを明らかにしたという主張を展開する
  6.2.2 問題解決に向けてどう貢献したのかを述べる
  6.2.3その問題を解決したことでもたらされる、より一般的な学術的 意義を述べる
  6.2.4 今後の発展を述べる
  6.2.5 結論を述べる
 6.3 考察を書くときの注意事項
  6.3.1 結果の章で提示したすべてのデータを使って議論する
  6.3.2 データが持つ情報をまとめた「短い言葉」を使って議論する
  6.3.3 図表を引用しながら議論する
  6.3.4 データの足りない点も述べる
  6.3.5 目的を持って文献を引用する
  6.3.6 頭を冷やして書く

7 番 関連研究きちっと調べて 引用するときゃ正確に
 7.1 引用の形式
 7.2 文献を引用するときに気をつけること
  7.2.1 正確に引用する
  7.2.2 どの部分が引用なのかわかるようにする
 7.3 その他の注意事項
  7.3.1 引用文献リスト
  7.3.2 引用するべきでない文献

8 番 本文できたらアブスト書こうよ 主要なフレーズコピーして
 8.1 アブストラクトは、本文が完成してから書く
 8.2 アブストラクトを書く心がまえ
 8.3 良いアブストラクトとは
  8.3.1 アブストラクトで書くべきこと
  8.3.2 アブストラクトを書くときの注意事項

9 番 複雑怪奇な図表はいけない 情報減らしてすっきりと
 9.1 本文を読まなくても理解できる図表にする
 9.2 単純な図表にする
 9.3 関連するデータはまとめて示す
  9.3.1 図の場合のまとめ方
  9.3.2 表の場合のまとめ方
 9.4 図にするべきか、表にするべきか
 9.5 図表を作るときの注意事項
  9.5.1 説明文の書き方
  9.5.2 独立変数と従属変数
  9.5.3 表中でのデータの並べ方
  9.5.4 記号の描き方

10 番 文献集めと文献管理は 日頃の努力が大切だ
 10.1 文献情報の収集方法
  10.1.1 新しく発表された論文の情報を素早く得る
  10.1.2 過去の論文に遡って、関連論文を網羅的に探す
 10.2 文献の入手方法
 10.3 文献管理の仕方
 10.4 いつ、文献収集を行うべきか

11番 完成したなら誰かに見せよう 他人のコメント必要だ
 11.1 なぜ、他人のコメントが必要なのか
 11.2 原稿を読んでもらうときに気をつけること

12番 お世話になったらお礼を言わなきゃ 一人も残さず謝辞しよう
 12.1 なぜ、謝辞を述べるのか
 12.2 誰に対して謝辞するべきか
 12.3 謝辞の述べ方

13番 最後の仕上げは英文校閲 英語を磨いて損はない
 13.1 英語が悪いことの実害
  13.1.1 読者に伝わらない
  13.1.2 リジェクトされやすい
  13.1.3 生涯の恥
 13.2 誰に、英文校閲してもらうべきか
  13.2.1 理想的な相手
  13.2.2 現実的な妥協案
 13.3 いつ、英文校閲に出すのか

14 番 いよいよ投稿ファイルを確認 ネットにつなげて慎重に
 14.1 投稿規定と最新号をよく読む
 14.2 投稿の仕方
  14.2.1 投稿手段
  14.2.2 送付するもの
  14.2.3 ウェブページからの投稿
  14.2.4 電子メールでの投稿

15 番 いつまで経っても返事が来なけりゃ 控えめメールで問い合わせ
 15.1 原稿受け取りの問い合わせ
 15.2 論文審査進行状況の問い合わせ

16番 レフリーコメントなるべく従え できないところは反論だ
 16.1 リジェクトか否か
 16.2 レフリーコメントの完全理解
 16.3 一旦リジェクトの場合:同じ学術雑誌に再投稿するべきか
 16.4 論文の改訂:これからすべきこと
 16.5 論文を改訂する上での心がまえと約束事
  16.5.1 改訂をする上での心がまえ
  16.5.2 改訂の際に守るべき約束事
 16.6 コメントへの対応の仕方
  16.6.1 受け入れるべきコメント
  16.6.2 受け入れるべきでないコメント
 16.7 改訂内容を説明する手紙の書き方
  16.7.1 改訂内容を説明する手紙の形式
  16.7.2 改訂内容の説明文の書き方
 16.8 改訂稿の返送

17番 リジェクトされても挫けちゃいけない 修正加えて再投稿
 17.1 リジェクトなど気にしてはいけない
 17.2 さあ、再投稿しよう

18番 このうた歌えば必ず通るよ 自分を信じてがんばろう

アンコール 論文出たなら宣伝しなくちゃ 別刷り抱えて出かけよう

第 3 部 論文を書き上げるために
第 1 章 効率の良い執筆作業
 1.1執筆に向けての心がまえ
  1.1.1 研究成果がまとまったらすぐに書き始める
  1.1.2 論文を書き上げるまでは執筆に没頭する
 1.2 執筆作業の進め方
  1.2.1 論文の大まかな構成を決める
  1.2.2 執筆期限を研究指導者に誓約する
  1.2.3 関連文献を徹底的に集め、読む
  1.2.4 論文の構成を完璧に決める
  1.2.5 ともかく一度、一挙に全部書いてみる
  1.2.6 書きやすい章から仕上げにかかる
  1.2.7 論文を部分放置して頭を冷やす
 1.3 執筆を進める上での注意事項
  1.3.1 日本語で構成を練り、いきなり英語で書く
  1.3.2 関連する論文を常に参考にする
  1.3.3 執筆に行き詰まったときは、一人で悩まず誰かに相談する

第 2 章 なかなか論文を書けない若者のために
 2.1 なかなか論文を書けない理由
  2.1.1 書く意志が弱い
  2.1.2 自分の研究成果の価値判断ができない
  2.1.3 論理力・文章力に問題がある
  2.1.4 研究指導者に恵まれない
 2.2 先送り症候群
 2.3 論文を書き上げるための対処法
  2.3.1. 絶対に書き上げるという強い意志を持つ
  2.3.2. 研究成果の価値判断:研究指導者を信じなさい
  2.3.3 論理力・文章力:他者の目で見られるかどうか
  2.3.4 論文書きの指導をしてくれる人を探せ

第 3 章 修士論文・博士論文は、初めから投稿論文として書こう
 3.1 なぜ、初めから投稿論文として書くべきなのか
 3.2 「初めから投稿論文として書く」とはどういうことか
  3.2.1 投稿論文で用いる言語で学位論文も書く
  3.2.2 投稿論文として通用するデータだけを載せる
  3.2.3 無駄な情報を削り簡潔に書く
  3.2.4 論文の形式を、投稿しようとしている学術雑誌の投稿規定に合わせる
  3.2.5 その他の注意事項
 3.3 修士課程を修了して就職する方へ

第 4 部 わかりやすく、面白い論文を書こう
第1 章 誰のために書くのか
 1.1 何のために書くのか、誰のために書くのか
 1.2 論文が対象とする読者の特徴
 1.3 改めて、誰のために書くのか

第 2 章 わかりやすい論文を書こう
 2.1 わかりやすくすることに全力を尽くせ
 2.2 文章理解のしくみ
 2.3 わかりやすい論文を書くコツ
  2.3.1 読者の熱意と知識を意識して書く
  2.3.2 無駄な情報を削る
  2.3.3 一度に与える情報は一つに絞る
  2.3.4 どういう情報を伝えるのかを前もって知らせる
  2.3.5 読者が待っている情報を与える
  2.3.6 重要なことから述べる
  2.3.7 人の論文の真似をしろ

第 3 章 面白い論文を書こう
 3.1 こんな論文はつまらない
  3.1.1 わかりにくい
  3.1.2 研究テーマに意義がない
  3.1.3. 説得力がない
  3.1.4. 結果がつまらない
  3.1.5. 独創性がない
 3.2 面白い論文の条件
  3.2.1 必要条件
  3.2.2 さらなる条件
 3.3 あなたにとってベストの論文をとにかく書こう

付録の部 論文の審査過程
 1.1 学術雑誌の編集に関わる人たち
 1.2 論文の審査過程