近況報告 その他(教育・漢字など)
2007年
- 参議院選挙戦開始。にしても「社会保険庁の体質」とか言って、「親方日の丸的」「官僚主導」を批判する政治家というのは相当みっともない。年金記録を廃棄したのも「法律に従って」行なった結果に過ぎない。最近「法律に従って」が流行語みたいだし。国鉄の「遵法闘争」を思い出すなぁ。都合の良いときだけ「法律に従う」をタテマエにするのは、いかがなものか。
- 公務員を批判する国会議員は、自分とこの教員を批判する校長みたいなもんで、本当にみっともない。
- 各地で1万円発見! こんなどうでもいいニュースよく報じるのう。くだらん。(7月12日)
- 「世界で一番受けたい授業」で漢字コーナーがあったので、見てみた。漢字の書き順を字源にさかのぼって説明するのはほんらい無理がある。気になったことひとつ。「必」という字の筆順を説明するとき、上部の点を1画目として、なぜそこから書くのかを字源を用い説明していたのだが、これが絶対に成立しないことは明らかである。なぜなら、戦前はむしろ「ノ」の部分を一画目にして書くことが多かったからである。今でも「ノ」から書いても間違いじゃないのであるよ。
- たぶん、そういうことは講師も承知だったろう(そうでなければ、漢字に詳しいとか言ってテレビに出る資格など無い)。が、テレビ的に一発で分かりやすいことを求めた結果、こういうことになったのではないか。(7月8日)
- 今年は「漢文を勉強するぞ!」「日本史を勉強し直すぞ!」という目標を立てていたのだが、何にもできずに(せずに、ではない)1か月過ぎた。生活は落ち着いたので、ここからが勝負。
- 近々HP更新を大幅にする予定。「漢字検定」では部首学習について、だいたい思うところが頭の中でまとまった。「クイズ問題」は2月上京時の問題をアップ予定。「クイズについて」では……結構言いたいことは言い終わっているしなぁ(読み直してみたが、基本的には今と意見が変わっていない)。ただクイズ番組の傾向変化を分析しておいてもいいかな、と思っている。問題作成の思考回路を再現する、なんてのも当初からやりたかった企画だ。「福留氏の著書を深読みする」は近日中に。「極私的全国民必聴歌」は数で勝負。(5月1日)
- 今年は会津八一と高村光太郎の著作権が切れており、「青空文庫」への掲載も進みつつあるようだ。喜ばしい。なお、1月1日から著作権が切れている気になる著者といえば、日野草城・松本たかし・池田亀鑑。俳句・古典好きにはたまらない名前なのだが、あまりクイズに出題されたことはないようですな。
- 成人式で逮捕者。はっきり言って、報道さるべきは「無免許ひき逃げ事件」くらいなもんだった。他のは、まぁ「成人式」という前提がなければ報道されない程度のものでしょ。もっとムカつく大人をいっぱい知っているけどなぁ。
- ま、「成人式では、アホだった同級生が殴ってくるかも知れないから、気を付けましょう」「成人式のときくらい、酒を呑んで車を運転するのは止めましょう」などという防犯意識向上のキャンペーンだと思えば、警察的にはおいしい報道なのかもしれないが。(1月8日)
2006年
- 飲酒運転をさらに厳罰化! この件については、「交通事故を起こす人は、繰り返してしまう」という事実をこそ問題にすべきであると考える。交通モラル、守れない人はいつまで経っても守れないということ。ときたま検問を行い、どんどん短期間の免停を出してやればよい。車を運転する人が一番コタえるのは、ごく短期間でも免停にしてやることだ。
- わたしは酒が弱い。だからと言うわけではないのだが、(1)酒を飲まなければ腹を割って話せない(2)酒の上なら少々の失礼も許される、というような考え方の人とは根本的に相容れない。また、「夜は必ず飲むものだ」という世間の常識もよく分からない。「先生は、家でお酒を飲まないんですか!」と驚かれることがある。そんなに呑みたいもんかねぇ。酒との付き合い方は「ペニーレーンでバーボン」くらいが正しいと信じている。(12月31日)
- 忙しさはフル回転。明日の夜、バスで京都まで行く。全国高校女子駅伝応援団引率のため。疲れもピーク。ここまで全く余裕のない学校生活はいつまで続くのか。これでも「民間より甘い」とか「高い給料をもらいやがって」という批判が出る。何なのか。
- かつて『ウルトラクイズはどこにある?』(新風舎)を酷評したことがあるが、諸事情で(別にわたしが出版を薦められたわけではない)新風舎についていろいろ調べていたら、やっぱそういう系統の出版社だったのね。
- 出版賞を設けているようだが、応募6731作中、受賞作272作だと言う。そんなのアリか? また、この賞の総評が相当おもしろい。「この五倍描いてほしかった」というようなものに賞を与えるか?
- 少なくとも、わたしが書いた文章にこのような言葉が浴びせられても、全然褒められているような気はしないと思う。というか、わたしの場合ひねくれ者だから、「大人が大人を褒める」行為の裏にあるものを感じ取ろうとしてしまうのである。大人の皆さん、褒められたら立ち止まって考えてみよう。「自分のしたことは、本当に褒められることか」と。(12月22日)
- 白川静氏逝去。何も申しますまい。氏に延々と私淑し続けるだけの書物は充分世にある。それで十分である。(11月12日)
- わたしは今年度、陸上競技部の部長(というか第3顧問)をしている。先日の全国高校駅伝予選大会で、ウチの女子チームが優勝という快挙を達成! 喜ばしい限りだが、仕事量は超増大。体力の限界は近い。
- 学校を取り巻く問題が最近目白押し。その陰で教育基本法改訂が成立しようとしている。いくつか事件が起こったことで「学校現場が悪い」「教育委員会制度が悪い」というような短絡的な結論になることを、望んでいる一団があるんじゃねえかと勘ぐりたくなる。「学校現場が悪い」→「だから教育基本法改定もやむを得ない」というのはかなり論理に難のある考え方だ。ま、日本人って論理的じゃないからしょうがないか。
- いじめ問題で文部科学省が直接謝罪した、現場は何やっとるんだ、という考え方は危険。現場を最終的に監督するのは、文部科学省なのです。謝って当然。
- 履修問題で、文部科学省に全く責任がない、という雰囲気を作ろうとしていることも問題だ。最終的な監督責任は文部科学省にあるんじゃないの? そのために全国の教育長を集めて会議とかやってんじゃないの? 日産車に欠陥が見つかったとして、記者会見でカルロス=ゴーンが地方の工場を批判しているようなもんだぜ。
- 「世界史は世の中に必要だから云々」の批判、気持ちはよく分かるのだが、学校の現状をあまりにも見ていなさすぎる。だって地歴Bの教科書を正規の時間数でやっていても100%終われないのだよ。だから、批判すべきは「終われもしない指導内容を盛り込んでいる指導要領」だろうに。「現場の行き過ぎた受験指導」という批判軸だけでは、本当に改革すべき内容は出てこない。ま、「受験指導」批判の方が分かりやすいし、雰囲気に流されやすい日本人には報道としてウケるんだろうけれど。
- 「地方の進学校が予備校化しており云々」。批判すべきは、教育指導要領なんか全く考えないで入試問題を作っている大学だろ。2年間で終わらせられないような多量の指導内容を盛り込んで「地歴B」とかいうセンター試験問題を作っている団体だろ。
- 一時期「格差社会」で「教育にも格差が生まれる」とか言って批判していた連中が、「公立高校が予備校化すること」を批判するのは、明らかにおかしい。教育格差を無くそうというのが地方の公立高校の高邁な(?)発想なのであるから。
- 地方の進学校には、教育委員会からは進学実績を伸ばせ、という有言の圧力がかかる。保護者も期待する。学校のセンセーだけが「いや、教育というのはそういうものではありません。行き過ぎた受験指導は人間を育てません」と頑張ったところで(別にがんばる気もないが)誰がかばってくれるというのか。
- 結局、「教育の理想」というものをはっきりさせないまま、その場の雰囲気だけ・好き嫌いだけで議論しているからこうなるのだ。かくして、どれだけ努力しても批判されまくり、立派な優れた人材など教育界に来たがらなくなり、日本の学校教育は破綻するのである。(10月31日)
- 8月末から続いた怒濤の9月が、ようやく終わった。結局9月は休みが2日しかなかった。夏休み明けからの出張一覧。8月末、PTA全国大会が秋田県で行われたので、2日間通い。その後すぐ日韓交流で男鹿へ。9月第1週末、陸上の県南大会で十文字へ4日間通い。第3週、国語の研究発表で美郷町、その足で陸上の全県大会で鷹巣へ(4泊)。第4週、全県駅伝で秋田市宿泊(優勝できたのはよかった)、1日おいて修学旅行(3泊)。帰ってきたら9月29日。そして9月30日は陸上の東北大会(雄和町)。この間にも日常的な仕事や授業の予習・研究発表準備・総務部の仕事(職員会議事前調整・PTA会報作成など)が目白押し。もちろんクラス担任もある。訳わからん。
- 安倍首相就任。「ダメな教師にやめていただく」という耳あたりの良い目標。そうではなく、「ダメな教師は採用しない」「ダメな教師を作らない研修制度」あたりを目標にすべきなのではないか? だいたい電話の応対の仕方すら少しだって研修を受けない。文書作成の方法も全く研修を受けない(公文書では「ご入学」ではなく「御入学」が正しい、と言うことを知らない教師はかなり多い)。ダメな教師を生産するシステムとなっている現状を踏まえないまま「教員免許更新制」とか言っても、何の説得力もない。(10月7日)
- 鶴くんのページ。一定周期で「つまらない」と言われるようだが、私は結構面白く読んでいる。と、たまには褒めたりして。ともあれ、とっととアタック25に出なさい。秋田に引っ越せばすぐ出られるのに。
- 靖国参拝。各テレビ局、どんなコメンテーターを用意しているかを良く観察しよう。その顔ぶれだけ見れば充分。私は「小泉情緒政治」の総決算と感じている。「情緒」とは、単に「感情的」という意味である。
- A級戦犯を合祀するかどうか、という点が議論されている。とにかく今回、靖国神社関係者だった人のうち、A級戦犯合祀反対側・慎重派の意見が出てきたことはよかった。これで合祀に至る経緯がかなり分かるようになるからだ。昭和史好きな私としては僥倖であった。(8月14日)
- 2年くらい前に記憶力っぽいクイズで遊んでいたときのこと。必死になって答えを暗記している我々に対し、石油会社にお勤めのA氏(出題者)が「え〜、ではこの辺でわたしのトークをお楽しみ下さい」「では、ガソリンは何処まで上がるかという話を……」と言ったもんだから、一同「そんなことどうでもいいから、早くクイズを!」。今考えれば、その話をよく聞いておけば良かった。
- 靖国参拝問題。どんどん分祀論者への追い風が吹いている。不思議でしょうがないのは、例のメモや東条首相の意向などが、何故小泉首相が靖国参拝で揉めていた時期に出てこなかったのかと言うことだ。ま、明らかに安倍首相誕生への向かい風を狙う勢力からのリークなんだろうけど、まぁどうでもいい。
- 靖国神社のHPはなかなか面白い。A級戦犯を合祀していることより、太平洋戦争をHPでどう評価しているかの方が中国を怒らせる内容のような気がする。(8月7日)
- まだ本HPが更新をしていたころ(5年くらい前)、漢字検定の受検者の方から数名メールをいただいたことがある。その中のお一方からこのほどメールをいただいた。6月の試験で1級に合格されたそうである。おめでとうございます。
- その方はブログをお作りになっていたので、お邪魔してみた。最近、漢字検定に関するブログを開設されている方が結構多い。いろいろ拝見して思ったのは「皆さん、漢字検定の過去問を手に入れるのに苦労されているのだなぁ」ということ。実は私は、文部省認定となった平成4年度からの過去問をすべて所有している。
- 私が漢字検定の勉強をしていた平成11〜12年ころというのは、旧漢字必携(4〜7年度の問題が掲載されている)や、数年分の過去問題集が発売されていたので、勉強はしやすかった。また、漢字検定1級用の市販問題集も、当時の出題傾向に沿ったものだった。問題集をやり込めば、確実に合格できた。
- 今、漢字検定協会は前年度分の過去問しか販売していない。「完全征服」が販売されて多少状況は好転したが、過去問販売状況がお寒いのは変わりがない。加えて、今の出題傾向に対応できている問題集はほとんど存在していない。1級受験者は本当に勉強がたいへんだと思う。
- いつもの口癖をもう一度。「漢字検定協会は儲けておるのぅ」。前年度の過去問を掲載しただけの本が1300円ってのは暴利じゃないか? かつては平成6〜9年度の問題をまとめて1400円で売ってたんだぜ。
- てことで、他の人が書かないようなことをHPにしたい、というのが私の理想。今後、ゆとりができたら過去問の分析をみっちりしてみたいと思っている。(2006.7.1)
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