「衝動買い」なんて言葉が自分の辞書から消えて何年になるのか最早思い出せないが、特にギターに関しては、もう買う事もないと思っていた… 。

 しかし、「ラブ・ストーリーは突然に」。

 とある映画を観に行った日のこと、祭日の映画館はごった返しており、狙った時間帯のチケットは完売。仕方なく次の時間帯にし、映画館隣のHARDOFFで時間をつぶすことにしたのが運命の始まり…

 中古ギターコーナーにコレがぶら下がってたわけだが、中古の小型ギターの割に結構なお値段!しかし金属フレームのボディがやたら印象的で、持ってみた感じやたら手にしっくりくる。しかし、このテのアンプ+スピーカー内蔵のギターは既に保有しており、この日は試奏もせず、気にならない「フリ」をしてHARDOFFを後にし、映画館へ。

 しかしその日の夜、徐に気になりだしてネットで調べてみたら、「GK-Z-Talbo Jr.」という名のそのギターは池部楽器 (Talbo Secret Factory) が、Z-Talbo Jr.にRoland GK-KIT-GT3を搭載したカスタマイズ・モデル。Z-Talboでさえレア品なのに、SHIBUYA-GK-MOD限定の本品はまさに激レア品だったことが判明。 この時点でほぼ買い決定。

 次の日、再度HARDOFFへ行き、適当に試奏し、ノブ欠品を理由に値引き交渉したら、消費税分を値引いてくれた。言ってみるもんだ。

 持ち帰って遊んでみると、実に面白いギターである。ボディは中空アルミ鋳造のためか、金属質の音で伸びが非常に良い。アルミ合金ボディについて詳細は本家サイトに譲る。シングルコイルに見えるが実はハムバッカーコイルでエレキ音はそれなりに鳴ってくれる。

 特筆すべきはRoland GK-KIT-GT3を搭載したMIDIOUTを搭載したMIDIインターフェースであり、ブリッジ近くの黒い円形プッシュスイッチ2個で接続したMIDI機器のパッチを切替可能。赤いインジケータはMIDI接続時のみ点灯。手持ちのSpirit by STEINBERGER改に取付けたGK-2Aより感度が良いのか不明だが、かなり正確に短遅延で音を拾ってくれる。ただ、最初は5,6弦がMIDIを鳴らせず、弦高過ぎて調整に少し手間取った。

  2個のシルバーメッキダイヤルノブはそれぞれギター音量(ブリッジ寄りの方)及びシンセ音量。しかし、この設計はギター工学的に良くない。ギター弾きは通常ノブ操作を小指を行うが、この設計(ノブスキ不足)だと、ギター音量ダイヤルを小指で巻き付けるようには操作できない。元々MIDIシンセ多用を前提にしているような配置と感じさせる。ギター音量ダイヤルは引き上げると内蔵スピーカーONに、ここまでなら手持ちウルトラZ0-3と同じだが、このギターは音量を上げるとディストーションがかかる仕様で、弦の下のスピーカーとハウリングを起こし、永遠サスティン効果になる仕掛け。

 トグルスイッチは3段になっており、「ギター」「ギター+シンセ」「シンセ」をぞれぞれ切替。しかし、どうも微妙な感じだが…。

  ヘッドフォン・ミニ・ジャックが付いているのも面白い、直径10cmフル・レンジのスピーカーと出力を選択出来るわけだ。

 Uシェイプなネックは太めで非常に握りやすく、TV観ながらのちょい弾きやMIDIリアルタイム打ち込みに大活躍が期待出来る。