■4/24(水) 13:00〜21:00

ホーンセクション録音/加塩ヒトシ氏、羽毛田やすし氏、河合わかば氏、サラ、Oriyan


”Call Me”
”Power”
”ひとりぼっち”
以上3曲ホーンセクション

”ゆっくりゆっくり”
トロンボーン・ソロ/河合わかば氏

”Drunkyな僕”
ミュートトランペット・ソロ/羽毛田やすし氏

”EVERLASTING”
”Drunkyな僕”
”ひとりぼっち”
”シャララの嘘”
”Good times,bad times”
”LOVE LIGHTS”
以上6曲サックス・ソロ、フルート/加塩ヒトシ氏

いよいよ、待ちに待ったホーンセクション録音である。カシオ御大はもう説明不要であろう。サラビにはもう、欠かせざる存在となった。(^_^) トランペットには講師として面識もあったハケちゃん。サラビには初参加、である。あとトロンボーンには河合わかばさん。初対面である。カシオさんから紹介して頂いたが、学校の後輩にあたられるそうである。後で何故、わかばさんなのか、という話で”初めて吸ったタバコがわかばだったから。”という明快なお答え。ほのぼのとした人である。(笑)録音に先だって、当スタジオ、エーヴァージョンをご存じな方なら、あのブースで3管録れるの?と思われるだろう。3畳間ほどのブース、、正直、私もそれが心配であった、、ウチの若いエンジニア、梶江やサラと、色々片づけて、なんとか狭いながらも楽しい我が家、状態で無理して頂いた。

さて、ホーンセクションのナンバーは、3曲である。まずは”Call Me”から。古いナンバーだし、生ホーンを入れるのは、私自身、数年来の願望であった。ザ・バンドのイメージがあったので、南部系のホーンがピッタリとくるのである。正直、身震いした。嬉しかった。バッキングセクションを録り終えて、ソロのパート。加塩さんのサックス・ソロも勿論いいんだけど、私には腹案があった。ニューオリンズ、あの華やかなパレードの感覚である。3人のプレイヤーに自由に吹きまくって頂いた。サラは喜びまくっている。2テイク録らせて貰ったが、加塩さんのアドバイスもあり、ラフで楽しい1テイク目を採用させて頂く。小休止の後、”Power”。元からホーンのフレーズがあった曲である。私としては、”Midnight Hour”あたりを意識して作ったんだけど、それほどソリッドではなく、甘めに出来上がった曲である、、ま、自分らしい、と思う。ペットのはけちゃんから、このフレーズはオクターブ上では厳しいよ、と指摘され、恐縮、、、、こういう所が、ほんと相変わらず判ってない自分が恥ずかしい。加塩さんにもよく指摘されるんだが、、、じゃあ勉強しろ、ってなもんなんだけど、喉元すぎれば熱さを忘れる、、で、また恥を書く。大体が元譜自体、Cメロ譜、である。パート譜ではない。本来、管の譜面はキーが違う。E♭管やB♭管で書かなきゃ、プロはやってくれない、、その辺りをいつも大目に見て頂いている。しかも、それを頭の中で移調し、初見で吹いてもらっているのである。申し訳ない、と同時に、プロ魂を垣間見る思いである。で、この曲も、3人にお任せで楽しく仕上がった。デュレィション、いわゆる音の長さであるが、そういう所が聞いていて非常に勉強になる。で、最後に”ひとりぼっち”この70年代、マーヴィンゲイ風を意識したホーンであるが、録音してて、いや、生を実際入れるとシカゴだな、なんて一人で思っていた。ま、自分勝手ではあるが、こういうイメージが楽しい。てな訳で、素敵なショータイムも、あっという間の出来事で終わった。

さて、あとはソロタイム。河合わかばさんが、ケツカッチンなんで、加塩さんの推薦により、”ゆっくりゆっくり”のトロンボーン・ソロを録らせて頂く。実は当スタジオ、トロンボーンの録音は初めてだ。いや、改めてイキでカッコイイ楽器だな、と思った。勿論、わかばさんの力量であるが。加塩さん曰く、今や3本指、だそうである。本当に恐縮する。で、ソロは非常に暖かく、曲のループ・レゲエビートに非常にマッチした。加塩さんのセンスにも脱帽だ。私の想像にはトロンボーン・ソロはなかった。とっても嬉しい発見である。拍手のうちに録り終えた。わかばさん、ありがとう!

次に、はけちゃんの”Drunkyな僕”のミュートペット・ソロ。この曲は、途中で4ビートにチェンジする。そこでのジャジーなパートだ。うーん渋い。私はアレンジとして音源でよく打ち込みを作るが、管と弦は、本当に生との差を非常に感じる。ミュートペットも、ああ、こういう音だよ、って改めて思う。全然違う。数テイク録らせてもらって終了する。はけちゃん、お疲れさまでした。その後、ホーンセクションで取り残した加塩さんのパートをバリトンとかで、かぶせて頂く。

休憩後、後は最早、サラビの看板、と言ってもいい、加塩さんのソロ録音だ。私自身がソロパートをどう割り振るか、決めかねていたので”Oriyan、自分がこれと思ったのをやるから、録っといて。選択はOriyanの自由だから。”という暖かいお言葉。で、まずは”EVERLASTING”。これも当初はソロはギターかな?と思っていた。しかし、である。ほんとサックスがハマった。凄く艶っぽい。アダルトだ。(ビデオでわない)多分、アルバムの一曲目になる曲、これで決まりだ、と思った。後日談であるが、加塩さんのソロを録音して、曲自体のアレンジを随分変えた。イメージが本当に変わったのである、いや、良い方に。このサックスソロは語り継がれてもいいソロだ、と思う。本当に素晴らしい。その後、”Drunkyな僕”。先ほど、はけちゃんが演奏したソロパートであるが、加塩さんがバリトンもいいかも、ってんで演奏して頂いた。うーん、これまたお洒落。エッチである。困った、、好きなの選択して、と言われても、こりゃあ非常に辛い。ペットかバリトンか、、、多分、最終まで迷う事になるだろう。”ひとりぼっち”。こちらは録り出してから、まてよ、これは曲順から言ってギターソロの方が、と思ったので、何テイクかで終了して頂いた。”シャララの嘘”。フルーティー・カシオ、と異名をとるほど、加塩さんはフルートの名手でもある。その加塩さんに、やはり今回も一曲はフルートを、という事で、、この曲を演奏して頂いた。ソロパートはないので、全てカラミである。全曲、ざらっと吹いてもらって、適当にピックアップして、という事になった。オイシイフレーズ満載、である。使わないパートはサンプリングして売ろうかな?(笑)”Good times,bad times” は、オールドロックンロール・タイプなんで、ブローサックス、吹きまくりである。楽しく、ほんと何テイクかでOK、で終了。あと、”LOVE LIGHTS”は、加塩さん自身が”これはブルースハープがいいんじゃないかなあ?”と言いつつ、一応、録らせて頂いた。これにてホーンの全行程終了、時に気付けば9時を回っていた。他のスタジオ作業も多く、ホーンのラフミックスにしても、GW中あたりになるだろう、、、この大事なデータを消さないように、バックアップを別のハードディスクにコピーして今日は終わる事にしよう。

加塩さんは勿論、わかばさん、はけちゃんも前向きに色々と、演奏して頂いた。OK、バッチリですよ!、、いやいや、もう一回、という感じで。心から感謝したい。また、プロ根性、というのも改めて勉強になった。本当に楽器って一杯あるし、楽しいものだな、と思う。また、それぞれのミュージシャンが個性を持って演奏されている、生きている、と感じた。それだけでも楽しいのだが、それが一つ一つ、形になっていくのが素晴らしい。本当に良いアルバムになりつつある、いや、必ずそうしなければ、と今日、改めて思った、、、。