自転車、バイク、車と日本中を走り回ったものの、今だ海外での自走経験はなかった。
ところが転機は突然訪れた。
岐阜に住む妹から、グアム旅行を誘われたのだ。
この夏は娘の受験が終わり、昨年行けなかった那須のキャンプに行く予定でいたが、家内と娘がグアム行きに乗り気だったこともあり、キャンプをキャンセルしグアム行きを決めた。
突然決まった旅行なので、全く予備知識もなく、目的もないが、1冊買ってみたガイドブックにはレンタカーでのドライブ(グアムでは日本の免許でそのまま運転できる)が紹介されており、すっかりその気になってしまった。
アメリカと言えば、マスタング、それもオープンなら気分が最高だろうと思っていた。
グアム滞在は入国日を含め5日間、最終日は帰国日で時間もあまりないので、レンタカーでのドライブは中3日のいづれかだ。
また、今回は妹一家と我が家の2家族、小さな子供も含めて総勢8人なので一番大きな車を借りる必要があるが、車種的に台数が少ないらしい。
さらに、右側通行に少しでも慣れるためには、少しでも先が望ましい。
ということで、早速、初日にホテル内にあるレンタカー会社のカウンターを訪ね、予約をすることにした。
2社のうち、1社は8人乗りは確保できないということで、Hertzに決めた。
車両は8人乗りということでZクラス、車種は選択の余地はなくFordのDELUXE SUVということ。
当然のことであるが万が一に備え車両保険に入る。
また、こちらは、18キロ以下の子供にはチャイルドシートの着用が厳しく義務付けられており、今回のメンバーではチャイルドシート1座、ブースターシート2座を申し込み、3日後の朝9時に車が用意されることになった。
グアム滞在の3日間で、バスやタクシーに乗り、また街を歩くことによって右側通行、左ハンドルにもだいぶ目は慣れてきた。
いよいよ今日は運転だ。
約束の9時にレンタカー会社のカウンターに行くと、まだ準備中で暫く待たされた。
こちらは万事がスローテンポ、しかし、それが良いところかもしれない。
少し待って、カウンターが開き、予約の確認と申し込みの手続きが始まった。
その後、車が届いたが、FordのDELUXE SUVではなく、LINCOLNのNAVIGATORというSUVだった。
車を届けに来た人と車の回りを一周し、傷のチェックを終え、サインをしてカギを受け取った。
8人乗りとは言え、3列目のシートは狭く、とても大柄なアメリカ人が乗れるとは思えない狭さ。
おそらく通常の用途では、3列目のシートは畳んで荷室を広く取り5人乗りとして使うのだと思わる。
子供たちが揃い、席を決めていたところで予約しておいたブースターシートが1座足りないことに気付き、すぐに手配を頼んだ。
車の全幅は広いように思うが、シート幅は決して広くはなく、ブースターシートを並べて置くことはできなかった。
何とか全員の席も決まり、ドライバーシートの位置を決め、ドアミラーを調整したところで、ドライバー側の調子が悪く今一思った位置に向かなかった。
9時45分、いよいよ出発である。
行き先やドライブコースは決めていないが、反時計回りで島を一周することだけは決めていた。
その理由は、前日タクシーでハガッニャ(HAGATNA)という街まで行ったので、そこまでは道が分かっていて不安がないからである。
ホテルのあるタモン(TUMON)を出て、最初の目的である郵便局で前夜家内が書いた葉書を投函した。
グアムの街中にはポストがなく、郵便局に出しに行く必要があったからだ。
今日の天気は、くもり/小雨である。
こちらは現在雨期であり、毎日のように数回のスコールがあるが、今日の天気は日本のようにどんよりと低い雲が一面に立ちこめ、ドライブ日和とは言えない。
タムニン(TAMUNING)、ハガッニャ(HAGATNA)と順調に進み、右側通行にも慣れてきた。
しかし、ここから先は未知の世界である。
幸い、妹夫婦は数年前にレンタカーで走った経験があり、何となく道が分かっているような感じであった。
右手に大きな発電所を見て、1号線を南下し、真っすぐ行くと米海軍アプラ基地に入ってしまうという交差点を左折し2A号線に入る。
道は対面通行の田舎道となり、車は35マイル(約50Km)程度ののんびり速度。
大排気量のアメ車をゆったり運転し、実に良い気分である。
看板もなく通り過ぎてしまい少し戻ってセラ湾展望台に着いたのはホテルを出てから1時間後の10時45分。
山道を少し歩いた展望台に向かう5分足らずの間に、「蚊」らしいものに刺され、この痒みがその後1週間続いた。
少し走って、11時10分にウマタック(UMATAC)のマゼラン上陸の地の記念碑にて記念撮影。
道は4号線となり、一層の田舎となり、ココス島乗船場を通過する頃には大雨となった。
最南端を通過し、道は北上へと変わり、熊岩にて休憩したのが11時40分。
少し進むとイナラハン天然プールがあったが、あいにくの天気で小休止に止まった。
また、グアムと言えば「横井ケーブ」やタロフォフォの滝が有名であるが、今回のドライブでは訪れなかった。
そろそろ子供たちのお腹が空いてきたので、昼食にしたいが、店と言えば道沿いのところどころにある小さなストアだけ、食事の提供があるお店は皆無である。
そこで、ハマモトトロピカルフルーツワールドに行ってみることにした。
途中で道を間違え、戻ったりしたが、1時20分に到着。
カラマンシ・レモン、ビリンビ、スター・フルーツ、マウンテン・アップル、サワーサップ、アンバレラ、アテモヤ、お馴染みパパイヤ、パイナップル、スイカやバナナなど十数種類の果物を味わった。
中でも珍味は、椰子(ヤシ)の実の内側の果肉をワサビ醤油で頂くその名も「ヤシミ」、色も食感もイカの刺身って感じで何とも美味しかった。
続いて2時45分にグアム大学に立ち寄った後、15号線を北上するつもりが道を間違え、グアム国際空港の横を通過してしまったので、有名な「恋人岬(TWO LOVERS POINT)」行くことにした。
その後も途中で道を間違えながら、3時30分に到着、展望を楽しみ写真を撮った。
その後は、マイクロネシアモールで買い物を済ませ、一度ホテルに戻った後、家内と妹の長男の3人で再びドライブに出かけることにした。
今回のドライブは島一周の予定だったので、まだ、北部には行っていなかった。
そこで、第二弾は北部を巡ることとした。
北部と言っても、大部分が空軍の基地であり、大した距離ではない。3号線、9号線、1号線と時計回りに快適なドライブした。
レンタカーなので、満タン返しの必要があり、途中でレギュラーを6ガロン程度を給油した。
最後に、ケンタッキーで夕食を食べ、8時にホテルに戻った。
こうして初の海外ドライブは無事に終わった。
それにしても、車は全て安全運転で、譲り合いの気持ちが多いのか、とても運転しやすいグアムドライブだった。
*データ*
日程:2011年8月4日
走行距離:105マイル(約170km)
車:LINCOLN NAVIGATOR
主な仕様:
全長×全幅×全高 5295×2035×1995mm
ホイールベース 3020mm
車両重量 2730kg
エンジン V型8気筒SOHC 5413cc
最高出力 314ps(231kw)/5100rpm
最大トルク 50.5kg・m(495N・m)/3600rpm
SUVを初めて運転したが、ドアの開閉に連動しステップが上下し乗り降りが楽であった。
平均燃費:約6km/l(満タン法による計算結果)
費用:レンタカー168ドル、ガソリン28ドル