屋久島登山から約20年、山登りはすっかりご無沙汰していました。
ところが、昨年、足利の藤を見に行った際に、父と今度石裂山(おざくさん)に登ってみようということになり、1年が経ちました。
石裂山は、鎖場やはしごが多く、変化に富んだ楽しい山だそうです。
日頃は全く運動をしておらず、事前のトレーニングなしの約20年振りの登山なので不安はありましたが、それよりも期待の方が大きく、楽しみにしていました。
ゴールデンウィーク真っただ中の5月3日、天気は曇り、残念ながらここ数日は関東にまで黄砂が飛んでおり、眺望は期待できない状況でしたが、ふたりの日程を考えると選択肢はなく、予定どおり出かけることにしました。
自宅を出たのが6時40分、超のんびり運転でちょうど3時間掛かって、9時40分に加蘇山神社の社務所に到着、この駐車場がガラガラだったので、登山口である加蘇山神社まで車で入ってしまうことにしました。
これで、歩く時間が短縮されました。
久しぶりの重たい登山靴に履き替え、ゆっくりと階段を登り始めました。
休憩所を通過したころには、既に汗だくで、体力の低下を痛感していました。
10時5分に、千本桂に到着しました。実際は2本の幹ですが、まるで何十本もの幹が集まったような姿で、1000本は言い過ぎではありますが、実に言い得た名前です。
鎖場や階段が現れ、中ノ宮を通過し、奧ノ宮に登るところで、再び階段梯子が登場です。
楽ではありますが、雰囲気を壊すようなアルミ製の階段梯子を登り、10時35分には奧ノ宮に到着です。
日頃の運動不足を痛感し、へとへとになりながらも、どんどん高度を稼ぎ、ヒゲスリ岩を通過し、稜線に出ます。
森の中から稜線に出たので、吹く風が気持ちよく、少し寒いくらいでした。
11時10分には東剣ノ峰に到着。
折角登ったのに、再び、梯子で下り、今度は西剣ノ峰を通過、そして、11時35分に874mの石裂山山頂に着きました。
山頂には、2組8名の先客が居て、ちょうどお昼時間でもあったので、皆さん昼食を取っていました。
本当なら、ここから日光男体山などの山並みが見えるようですが、やはり今日は何も見えませんでした。
我々も、お昼を食べ、寒くなってきたので、長居はせず、12時5分に出発しました。
そこから少し進み、事前に調べていなかったので知りませんでしたが、何と石裂山より高い890mの月山に12時20分に到着しました。
あとは下山のみです。降りは登りに比べ循環器系には優しいのですが、足への負担は大きく、途中から右膝が痛み出しました。
更に、森の中を下るころには、雨がパラパラと降り出しました。
幸い、木立が雨を遮ってくれ、さほど濡れることはありませんでした。
大分下ったころ、前を歩いていた父が躓き転んでびっくりしましたが、幸いで外傷はなく、歩けるので、そのままゆっくりと下山しました。
怪我がなくて本当に良かったです。
13時20分、月山からちょうど1時間で、神社に戻ってきました。
車の数は、朝とほぼ同じくらいでした。
重たい登山靴を脱ぎ、ホッとしました。久しぶりでしたが靴擦れもなく何とか歩けました。
車を走らせると、“何と楽なんだろう”と心の底から思いました。
神社の社務所まで戻り、顔を洗い、休憩しました。
何だか順番が逆ですが、ルートマップを発見したので、今日のコースを復習しました。
登り始めて間もない「休憩所」の回遊するコースなので、同じルートはほとんど歩かず、とても楽しいコースであることが改めて分かりました。
今回携帯した時計は、カシオの“PRO TREK”というもので、気圧や高度が測れるので、それも登山を楽しいものにしてくれました。
あとは、自宅まで運転し、途中で、家族に土産を買って、夕方には、無事に帰宅しました。
父とふたりの登山というこれまでにないことでしたが、とても楽しい思い出となりました。
帰り道では、次に行く山の話などをし、親子で出かけられる喜びを噛みしめました。