実生の準備〜方法


実生をするには準備が要ります
これは普通にサボテンや多肉を育てるのと同じでは出来ません
といっても 冬場に実生をしようというのでなければそう難しいものではありません
冬に限っては やはり少しばかり環境を整えないといけない部分が多くなります

それ以外は普通の植物の種を蒔くより少し手間と注意が必要な点があるくらいです
(もちろん、種類によってはかなり困難な実生もあります)

ここで紹介するのはあくまで私の方法ですので これから初実生を行おうという方は
是非色んな方のサイトを見て回られる事をお勧めします
みなさん それぞれに自分の環境に合わせたものを考えて実生されています

その中で自分に合う または出来るものを参考にされて
自分なりにアレンジされるのが良いと思います
自分の環境は自分だけのものですし 色々と試してみる事が大切だと思いますから

★実生方法や内容に変更がある場合などは、追加や変更を行っていきます

 1.材料をそろえる
 2.容器を加工する
 3.用土の準備
 4.種を蒔く
 5.春〜夏の実生開始
 6.秋〜冬の実生開始
 7.植え替え
 8.数ヶ月から1年間目までの管理
 9.薬について
 10.私の初実生を振り返る

 

1.材料をそろえる

容器

用土

プラスティックコップ
ジフィーポット
タッパなど

<底石>
硬質赤玉土中粒
イソライト中粒など

<中間>
実生用土・肥料入り
(長期植え替えない場合)

<表面>
バーミキュライト細粒
イソライト細粒
砂など

2.容器を加工する



プラスティックコップは 上部を写真のように切り取って更に底に5箇所の穴を開けています

最初の頃は沢山穴を開けていましたが これだけあれば十分だと分かりました

真ん中は底が高くなっているので一応そこにも開けていますが、
これは必要ないかもしれません

個人的にはこのコップが1番お勧めです♪

特に棘物だと日照を遮る事が無いので余すことなく日差しを当てることが出来ます

それにもう1つの利点は土中の水分量が目で見て分かるので
その点での失敗の心配もしなくて済む・・・ というところです

追記:あける穴を小さく(針の先程度)にすると、
底にネットを敷いたり大きめの用土を入れる必要はなくなります
好みだと思いますが、2007年から私はそうしています

次のジフィーポットはこのまま使用しますが
穴が大きいので三角コーナー用ネットや古い寒冷紗などを切って底に敷きます

タッパも底に穴を開けておきます

タッパは同種の種を一度に沢山蒔く時に使用していましたが これは今後はあまり使用しないつもりです
理由はスペースの問題と 小分けにしておく方が何か問題が起こった時に対処しやすいからです

大きい物に仕切りをして数種蒔く方もいらっしゃいます

3.用土の準備

左から 硬質赤玉土 (日向土)中粒、某業者さんの実生用土、バーミキュライト細粒 です
これらを底から赤玉土、実生用土、バーミキュライト等の無肥料用度の順に3層にして使用します

実生容器の穴を小さく開ければ底石は特に必要ありませんので
利用する容器や好みによって変えれば良いと思います

種を肥料分のある土に直接蒔くと発芽率が良くないそうで 無肥料の土に蒔くんですが
幾分成長した時に肥料分のある土に植え替える必要があるので
そのために予め肥料分のある土を入れておくと
植え替えの時期を遅らせる事が出来ます


最初の頃はバーミキュライトの代わりに砂を使用しましたが
砂はよく水で洗い泥やコケの胞子などを取り除くようにします
その後殺菌のために熱湯消毒を2回行います
この方法も様々で 電子レンジを利用する人もいます

この 用土を殺菌消毒する点が普通の植物と最も違うところかもしれません
サボテンの場合は球体に水分が多いので腐りやすい特徴があり
雑菌を殺すために殺菌などを行う必要があります

バーミキュライトは洗いませんが お茶の煮出し用の袋に入れて数分煮て熱湯消毒しますが
そのまま使用しても問題は無いようです

ただし消毒無しの場合はコケが発生しやすいので
特に春からの実生の場合は熱湯消毒をお勧めます

実生用の土は何もしません

以前は砂をよく使用しましたし
リトープスなどのような粉のような種を蒔く時は埋もれないので良いとおもいますが
今後は使用するつもりはありません

理由は 私のところでは熱湯消毒しても砂はコケが生えやすく
少し乾燥すると締まりますし 根の長い帝玉のような種類では根張りが良くなかったからです

バーミキュライト細粒は根張りが良いようで 発芽後の苗の起き上がりがとても良いです
砂を使用している時は自力で起き上がれず倒れたままの子が結構あり 起こさないといけませんでしたが
バーミキュライト使用ではその必要がありませんし 乾いても締まる事も無いです

2005年からは「7.植え替え」に記載しているイソライト細粒を実生用土に利用しています
これも、実験的に行っている段階ですが 今のところは問題は無さそうです

ただ、砂ほどではありませんがバーミキュライトに比べるとイソライトは締まりやすいようなので
藩種時は少し表面を荒らしたり 腰水の量を多めにしたり
根の張りを助けるように工夫はしています

最初、イソライト細粒はそのまま使用していましたが 今は熱湯消毒を行い
ベンレートを溶かした溶液で腰水を行っています

追記:2004年春の実生からは間に入れる実生用土は使用していません

 

.種を蒔く



ここまでの準備が出来たら 用土に給水させてから種を蒔きます
給水の方法はトレイなどに水を張って「鉢底給水」させます
用土が落ち着きますし しっかり全体に水分が行き渡るのでこれが良いと思います

後でも述べていますが 私は容器にラップなどで蓋をしている期間が短いので
このように用土の表面から容器の口までが低いですが
長期間蓋を利用する場合はもっとコップの高さを高めに残して切るようにしてください
この倍くらいはある方が良いとおもいます
そうでないと 実生苗が大きくなるのは早いですし 空間が少なくなりすぎると思います

種ですが 業者さんから購入したものなどは消毒がされている場合が殆どのようですが
自家採取した種などは薬で消毒しておく必要があります

私は頂き物などで未消毒の場合も 消毒したりしなかったりです

ですが消毒無しの場合は種にカビが発生しやすいので
特に春からの実生の場合は薬剤による消毒を勧めます

また種が小さすぎて消毒が行いにくい場合や面倒な場合は
薄い薬液に腰水するようにしても効果がありました

種の藩種はピンセットで1粒ずつ摘んで蒔く方が意外と楽です
写真は園芸用のピンセットです

私もこの方法を知らなかった時は指で摘んで蒔いていましたが 指にくっついたりするので大変でした

 

ここまでは季節を問わず同じですが 管理の方法が季節によって違ってきます

.春〜夏の実生開始

春から夏にかけては温度が十分にあるのでその点に関しては楽ですが
用土が乾燥しないように気をつけます
用土が乾燥してしまうと発芽しないようです

私はこのような容器に水を張り その中に種を蒔いた容器を入れて蓋をしておきます
トレイなどに水を張っても行えますが その場合は上からラップなどで蓋をします

上の画像は2004年4月の実生時のものです
実生ボックスの中で腰水をし ラップなどで覆いはせずに実生を行いました

ただし 種を殺菌剤に浸したり殺菌剤を散布するなどしてカビ対策を行っています
画像のとおりにガラス蓋も完全に通風した状態で 日中最も上がると50度になります
ただしこれは温度計に直接日光当たっているので 実際はもっと低い温度しかありませんが
ボックスは小さいですから30〜40度程度にはなっていると思います

実生ボックスの手前ではトレイに水を張って やはりこちらも覆いは無しです
他にもサボ棚の中で腰水をして覆い無しでも行ってみましたが どちらも発芽率は良いです
温度は20〜30度に達しています

腰水で種が水浸し状態であれば乾燥の心配は無く
覆い無しでも実生は十分可能ということが分かりました

ただし種類によっては発芽にかなりの空中湿度を要するものもあるかと思いますので
その辺は臨機応変の対応が必要になると思います

種類や鮮度にもよりますが早い物は次の日から発芽し始めます
ですが 普通は1週間前後からが多いと思います

発芽後 実生苗はあまり強光線にはあてないようにします
あまりにも温度が上がりすぎても煮えてしまいますが 40度くらいまでなら問題はありません
それ以上に関しては未確認ですので分かりません

強光線が駄目だからと言って日陰に置いていると 数日で徒長してしまいますので
発芽したら弱い光線にあてるようにします

大体発芽し終わったら少し通風をして外気にならすようにします
蓋がある場合は蓋をずらし ラップなどの場合は穴を開けたりします
発芽後 空中湿度を高く保ちふっくらと作りたい場合は
軽く覆いをかけた状態での管理を継続されると良いと思います

温度が上がりすぎる時は 置き場所などを変えて温度と日照の調節をすると良いです
場所の移動などで条件を満たすのが難しい場合は ティッシュを1枚かけるなどの工夫をして遮光します

温度が十分上がってくる4月終わり〜5月頃には実生開始時から蓋は使用しません
白い寒冷紗(遮光率20数%)を実生苗の容器の上からかけておきます
ティッシュより低い遮光率で遮光出来ますし通風も良いのでカビ対策としてもお勧めです

ただし発芽〜2ヶ月程度までに実生苗を日焼けさせてしまうと
その後の成長に影響があるように感じますので
種類によって置き場所を工夫して基本的な光線量を加減した上で行います

ほぼ出揃った頃には腰水をやめて水からあげてしまいますが
実生苗は水を切らすと成長しませんので あまりビチャビチャにならない程度に加減しながら潅水を続けます
水やりは霧吹きを近づけて隙間を狙って行ったりもしていましたが
圧力で倒れてしまうこともありますので 今は発芽後間の無い間はスポイトで行っています

8月は室内と言ってもかなり用土の乾燥が速いです
種類によっては根が浅く、ツルビニなどの芽がかなり小型のものなどにとっては
水不足に陥りやすい期間になるようです

私はまめに水やりをする方ですが それでも姿が崩れるものもあるように思います
そこで、上記のような種類に関しては発芽が揃っても腰水を継続しています
そうして様子を見ていましたら やはり球体の艶も良く綺麗な苗になるようです
芽の大きさだけでは判断出来ませんが目安にしても良いのではないかと思います

後はまめに観察してどうも艶が悪かったり綺麗に成長してないように思えるものは
真夏の間のみ腰水を続けてみるのも安全に育てる対策になるのではと考えています

ポイント

  ・3〜4月・・・ 実生ボックス利用(気温が低い間の温度確保が目的)
             4月頃からは気温によっては通風を行う
  ・4月以降・・・ 容器と蓋使用(画像)、トレイとラップ使用
             蓋、ラップ無しでも十分可、ただし乾燥及びカビに注意
             ベンレートの使用が効果的
  ・真夏・・・   高温になりすぎないように注意
             寒冷紗の利用、置き場所の工夫などで対応する
             小型種の芽は特に乾燥対策を施すことが望ましい

.秋〜冬の実生開始

春から夏の実生と違って 秋から冬は温度の確保が重要になります
発芽に必要な温度は種類によっても少しずつ違いがあるようですが 基本的には20〜40度といいます

そこで私はこのような 「実生ボックス」 を使用しています
詳細は「実生ボックス製作 製作編」に記載していますが
これは通常より背が低く奥行きの狭い水槽です

関連記事
実生ボックス製作 製作編

この上から水槽用のライトを点けて それによって日照を補う事と同時に加温を行っています

秋の初めなどで環境の最高気温が25〜30度近くなる頃は
通常の実生でも問題無いようです

少々不安がある場合には容器の上から軽くラップを掛けておくだけでも
温度の上がりが良くなります

秋から冬の実生ではジフィーポットは使用しません
内部の湿度は常に高湿度になるのでカビが発生してしまうからです
この場合はプラスティックコップかタッパを使用します

以前は発芽まではこの中で腰水をしていましたが
ボックス内は高湿度なのでこの時期は用土がボトボトになった状態からはなかなか乾燥しませんので
今は腰水はしていません
その代わり頻繁にチェックして必要なら再度 鉢底給水をします
発芽までは絶対に用土を乾燥させないようにします

私は出来るだけ25〜30度を目標にしますが かなり寒い時期では難しい場合もあります

温度を確保する方法としては、このように発泡スチロール容器に実生ボックスごと入れるのも手です
この上から覆いを掛けてライトを点けると28〜35度くらいまでは温度の確保が出来ます
ですがこの状態では日照が不足して徒長してしまいますので場所移動の必要があります

新しく蒔いた種などが無く実生苗のみの時は 最も温度の上がりにくい頃で20度を目標にして加温します
夜間は発泡スチロールに入れずに放置しますが それで十分に苗は成長します
ただしこれは 早朝などに最も温度が下がった時でも10度を切る事は無い環境での話です

サボテンの種類によっては発芽に高温が必要なものもあるようですが それ以外のものであれば
1日の最高温度が30度くらいになってくる頃には発泡スチロールに入れなくても大丈夫なようで
30度が数時間あって後は加温して20度、夜間は10〜12度という環境でも発芽します
ただし私のところは夜間温度は1日で5時間くらいだけで 20度を維持している間が12時間はある環境です

詳細は「実生ボックス製作 冬対策11月以降編、冬対策(2)」などに記載しています

関連記事
実生ボックス製作 冬対策 11月以降編
実生ボックス製作 冬対策A1月以降編

 

実生ボックスにはガラス蓋があるので 発芽までの容器にはラップで蓋をしていますが
発芽後はラップを取り除いてしまいます
実生ボックス中は、日中の高温(40度くらい)になる時は湿度が下降しますが(50〜60%程度)、
それ以外は常に80〜90数%程度の湿度があるので 用土にカビが発生しやすく
その防止のためにも少しでも通風よくするためにそうしています
あと 用土をあまり水浸しにしないように気をつけていればカビはかなり防げます
思い切って薬剤を使用するのも良いと思います

写真は実生ボックスの中の様子です

秋から冬の実生では 温度確保と同時に日照の確保も大切です
実生苗は成球ほどの日照は必要無いですが 冬場はガラス2枚くらい越しで少々日に当てても大丈夫です

ただしこれも地域差や方角の差もありますので注意してください
私のところは方角は東向きですので 早朝から5時間くらいは直射日光が入りますが
その後は軟光線になる環境です

その他の点に関しては 春から夏の実生と同様です この間もやはり用土を乾燥させないようにします
水やりはスポイトを使用して行っています

ちなみに関西地方では実生苗の冬越しに関しては 室内であれば加温設備が無くても可能なようです
私のところでは少量ずつの潅水も行っている状態で
フラレイアが暖房の無い室内の棚で無事に冬越しをしました
ただし その間の成長は殆ど望めません

これも地域差やサボテンの種類によっても違いがあると思いますので
その点は注意してください

追記:2004年からここで紹介している実生ボックスは「育成専用ボックス」として使用し
「発芽専用ボックス」を新たに製作しました
詳細は「実生ボックス製作 発芽専用ボックス編」に記載していますので
そちらをご覧ください

関連記事
実生ボックス製作 発芽専用ボックス編

同年から実生苗を管理している室内サボ棚の各棚に植物育成用の蛍光灯を設置し
温度と光線量の確保が可能になりました
それに伴い、育成専用実生ボックスの移動も行わない栽培方法に変更しています
こちらの詳細は「実生苗の冬越し 蛍光灯設置編・増設編」に記載していますので
そちらをご覧ください

関連記事
実生苗の冬越し 蛍光灯設置編
実生苗の冬越し 蛍光灯設置 増設編

 

ポイント

  【発芽を目指す場合

  ・温度・・・  できれば30〜40℃を確保する
          夜間は低くなっても良い(凍ったら駄目!)
  ・湿度・・・  80〜95%

  【育成のみの場合

  ・温度・・・  20〜40℃程度を維持する
          夜間は低くなっても良い(凍ったら駄目!)
  ・湿度・・・  70〜95%(90%なくても良いと思います)

.植え替え

苗は根が絡み合う事によって成長が促進されるそうで 基本的には球体1つ分の間隔を開けて植え込みます
そして球体がくっつくくらいに成長したら植え替えます

時期としては 発芽後半年くらいから1年くらいまでそのままにする人もいるようで これも人それぞれです
植え替えをしない人の場合は 最初から間隔をかなり広く開けておかれるようです

私の場合は多い時は3〜4ヶ月の間に2回程度植え替えをします
冬の実生でも 兜などもかなりの回数植え替えましたが結構大丈夫でした

苗の状態にもよりますので一概には言えませんが、大雑把に言えば棘座が5〜6個くらいになってくるか
苗の種類にもよりますが5ミリを越す大きさになってきた頃を目安にしているように思います

ただし球体があまり大きくならず 間隔が詰まってこない種類に関しては無理に植え替えはしません
それと 実生苗が健康な状態でなく 危なっかしい状態で成長しているものも触らないようにしていますし
そのような場合は 通常よりも少し用土を乾燥気味にするようにしています

季節に関してですが私は実生苗の場合は必要と感じた時には年中行っています
20度以上の温度と(真冬でも22度程度)光線量を確保出来ている
真冬でも苗が成長している環境を作っているからです

温度と光線の確保が出来なければ植え替え後の成長を望めないので
その場合は暖かくなるのを待って植え替えするようにした方が安全だと思います

植え替え時のポイントは 球体や根に傷をつけないようにすることです

用土を乾燥させてから苗を抜く方が 根が切れたりしないので安全なようです
サボテンは根から腐れがきて駄目になるケースが非常に多いそうなので その点に注意します
植え替え回数が増えると当然ながら傷を付けるチャンスが増えるので 危険性はあります
ですが 植え替えをまめに行う方が成長は早いそうです
それにしても 私の回数は多すぎるかもしれませんが・・・

方法としては 
新しい用土を先の手順の要領で完全に給水させます
そして用土に爪楊枝などで穴を開けて
用土から掘り起こして丁寧に抜いた苗を落とし込むようにして植え込んでいきます
根に問題があると思われる場合以外は根についた用土はあまり落とさずに植え込みます

植え替えは角鉢に植え替える場合と2号程度のプラ鉢に植え替える場合とがあります
私は最近は上の画像のように角鉢に植え替える事が多いです
ポイントは出来るだけ同種か、もしく好む環境(日照、温度、水分量)が似ている種類を一緒にします

蒔く数が多いので小さい鉢に植えると結構場所を取られてしまうし
この方が管理が楽なのでこうしています

蒔く数が少ない方などで角鉢に植えるほどでは無い場合は小さい鉢で良いとおもいます

植え替え用土は肥料入りの物です

実生から1年くらいまでは室内で育てて、その後は苗の種類にもよりますが
季節によっては室外で管理します

の画像はホームセンターで入手可能なイソライトCGの小粒を表面に敷いているものです
底石、用土と合わせて3層になっています

画像のように表面に撒くと用土の表面の乾燥が速くなるので
第一回目の植え替えから殆どの苗はこのようにしています

2004年12月頃にイソライトの細粒を入手することが出来ました(左)
粒径は0.5〜1ミリです

右の画像はホームセンターで入手可能なイソライトの中粒です
大きさは径5ミリ程度です
鉢が小さい時はこの中粒を底石に使用したり、
苗の大きさによっては表面に撒いて使用したりしています

先の小粒の大きさは径2ミリ程度で円柱形です

私が使用している業者さんの実生用土は温室向きのせいか
ベランダでの利用は全く問題無いんですが、
室内で実生苗に利用する場合のみカビの発生に悩まされました

でも用土自体は気に入っているので継続利用したかったので
特に初回植え替えの実生苗には小粒では大きすぎるという不服はあったものの
小粒を半分ほど混入する事によって水はけを確保し
肥料分の割合を減らしカビの発生を抑えるようにしていました

今回細粒入手により細粒を混入出来るようになり、やっと粒の大きさに納得出来るようになりました
ただこの細粒使用には注意点が1つあります
細粒の混入割合が多くなると濡れた状態では用土が締まってしまいます
砂ほどではないですが幼い実生苗には硬すぎるようです
乾燥時はさばけると思われますが最初から締まらない硬さに調節しておく方が安全だと思います

私の使用している用土とでは、用土:イソライト=1:3程度ではかなり硬くなりました
大体1:1程度を目安にしたら大丈夫なようでした

イソライトを気に入っている点は用土が清潔なことと
水持ち、水はけ共に良く 粒が潰れずべチャットしないので
乾燥が遅くなりがちで空気の流れが悪くなる冬場の実生でも
温度確保さえしていれば安心して水やりが出来ることです

そして、この混合用土を利用すると粒が細かいので根の発育具合が凄く良いです
某業者さんの実生用土のみの時よりも 全体的に根の量、長さともアップしていました

それから余談ですが この段階の幼い実生苗に必要か不必要か何とも言えないところですが
私がおまじない代わりにやっていることが1つあります

メールで色々教えて下さる先生から教えて頂いたんですが
「珪酸塩白土」というものを土中に混ぜるとサボテンが根腐れを起こしにくくなるそうです

私が使用している土にも含まれてるかもしれませんので(調べてない・・・)
ほんの気持ちだけそれを混ぜるようにしています
通常は用土に対して1割程度混入すれば良かったと思いますので
イソライトの1割にならない、ほんの気持ち程度を混ぜています

実際に成果があるのか無いのかは分かりません
大量に植え替えを行うといくつか駄目になる子が出ることがありますし 出ない時もあります
でも、特に混ぜた事で問題が起こってるわけではないので
今後も「おまじない」として続けようと思ってます

珪酸塩白土の商品名は「ミリオン」です

8.数ヶ月から1年目までの管理

「数ヶ月から」という表現は曖昧ですが大体発芽から2〜3ヶ月目からと思ってください
実生開始の季節は問いません

球体の間隔が詰まってきたら植え替えをし、水を切らさないようにしながら管理を続けます

本には発芽から1年以内は蓋をして、通風しながら管理する・・・ と記載されてるものもありますが
私は基本的には覆いはしないで育てています
(秋の終わりから冬の実生は温度確保が必要ですので例外です)

実生を始めた当時は覆いをしてなかったらすぐに駄目になるのかな・・・ と思ってました
「保育器の中で無菌状態で育てられてる免疫力の低下してる赤ちゃん」
そんなイメージでした

でも実際にやってみると全然問題ありませんでした
特に弱い種類などの場合は問題があるのかもしれませんが
少なくとも私が実生をしてみた中では大丈夫でした
室内での実生ですので室外のように急激な乾燥も無いですし

「覆いをしない=雑菌に感染して駄目になる」ではなくて
「ふっくら綺麗に育てたい=覆いをする」
そんな感覚で良いんじゃないかと思います

勿論、覆いをすることで落下細菌などから保護する事は出来ると思いますので
「覆いをしなくてはいけない」のではなく、好みで選択すれば良いんじゃ無いでしょうか
この時もあくまでサボテンと相談しながら・・・ ですが

追記:発芽後の状態を観察して 、
通常以上に空中湿度を保つ方が安全と判断した場合は
夏場でもラップを軽く乗せて密封しない程度の覆いをしていますが
特に夏場は蒸れ、最高温度の異常な上昇などの恐れがあるので
置き場所などの調整をする必要があります

遮光に関しては初春や真夏など光線が厳しいと感じる時にのみ
白、もしくは黒の寒冷紗を掛けて軽く遮光しますが これも種類によります

1年もすると1センチくらいのサボテンになりますし
もう棘も肌も親のミニミニ版って感じになります

私のところの室内環境では光線を好む種類の場合(親が室外の方が機嫌よく過ごしているような種類)
1年生サボテンたちでも光線量が不足してくるようです

私は実生を年中行いますが 実生開始が春の場合は1年目が春になります
そのケースだとこれから光線量が増しますので 
発芽から1年半くらいは室内でも大丈夫なのかも・・・ と予想していますが
これはまだ未確認なので分かりません

棘の強い種類で秋から実生開始のケースでは それまでは良い棘を出していたのに
1年経つ頃から突然に棘のボリュームが落ちてきました
そして外に出して最初は20%程度の遮光をし
その後は午前中のみ直射日光が当たる環境で管理すると
肌も生気が戻り、棘も良くなってきます

このラインも種類によって違うでしょうし環境によっても違うと思いますので
くれぐれも実生の子たちの機嫌を伺って判断するのが良いと思います
室内の環境で機嫌よく過ごしてる種類に関しては室内管理を続けます

1年経つまでには必ず冬を迎えますが10度を切らない環境なら問題無さそうです
ですがやはり出来るだけ温度を確保しながら過ごさせる工夫をする方が
安全だし安心だと思います

この間の水やりは温度によって変えています
春、夏などは夜間に霧吹きでスプレーしわざと球体を濡らしたりしますが
あまり苗に圧力が掛からないように注意します
秋の終わりから冬には逆に球体を濡らさないようにスポイトや水差しなどで行います

サボテンではなくてメセンの場合などは球体が濡れるのは良く無いと聞きますので
夏もスポイト、水差しで行っています

種類や実生時期によって色々と工夫して行っていることがありますが
それは「実生」で実生記録を載せている各種ごとに記載してます

.薬について

薬の使用に関しては これこそ個人個人で考えが違ってくるところだと思います
私は可能な限り薬は使いたくない方ですし 実際に実生で種の消毒以外に薬を使ったことはありません
ですがやはり 梅雨時期などは必要かと考えています

冬場の実生では細菌の繁殖も少ないでしょうから殆ど必要無いと思いますが
時期などを考慮して その時の状態によって判断されるべきものだと思います

現在は季節を問わず種の消毒に使用した薬液を再利用して腰水にしています
あまり濃い濃度ではなく、「腰水の中に残りを混ぜる」という感じです

水は2週間くらいはそのまま放置していますが
1回目の水替えからは水道水のみにします

種の種類によっては小さすぎたり粉のようで種自体を消毒するのが困難なものもありますが
薄い薬液で腰水することで消毒効果が得られるようで カビ等の発生は無くなります

その後は様子を見ながら必要であれば薬を使用しますが
極力使用しないようにはしています

実生苗には使用していませんが成球には何度かしようしていますので 常備している物がいくつかあります

オルトランC        殺虫剤  
マラソン           殺虫剤
アドマイヤー     殺虫剤
ダコニール          殺菌剤
マイシン           殺菌剤
ベンレート      殺菌剤

実生苗にはベンレートが良いそうです

その他にも色んな薬があり みなさんそれぞれに考えて利用されています
是非 色んな方のサイトを参考にしてください

 

10.私の初実生を振り返る

実際に実生をしてみるまでは不安でいっぱいでした
下調べは色んなサイトを見たり本を読んだりして沢山してましたけど・・・

理由は何故だったんだろうと考えてみると 難しく捉えすぎてたんだと思います
私の初実生は夏場でしたので 主に本を主体に参考にしてました
冬場の実生に関しては 本には「温度さえ確保すれば可能」程度の記述しかされてませんでしたし
最初は冬に実生しようとは考えていなくて あくまで実生のシーズン中を想定して調べていました

今思っても 本に書かれてるのはかなりかしこまった方法で
色んなサイトで見た方法は砕けた方法だと思います
例えば容器にしても 本には鉢を使用しないといけないかのように載ってましたが
みなさんは色んな物を利用されてました

それによって 「これで出来るんだ!」と思うことが出来たのが 実際に実生を行うことに繋がったと思います

とはいえ それでも分からない事ばかりでした
例えば通風するといっても 実際にどうすれば良いのかもよく分からなかったし
どのくらいからどの程度すれば良いのかも 納得出来ていませんでした
「消毒して無菌状態にしないといけないなら 通風もかなり慎重にしないと駄目なんじゃないか・・・」
そんな風に思えて 腫れ物に触るような感覚が出来上がってしまってたせいもあると思います

振り返ってみるとその辺が縛りになって 細かい点で難しく考えてしまってたんでしょうね、きっと

だけどとにかく やってみないと始まらないので挑戦してみることにしました
そう思ってやってみましたが やはり最初は日陰に置いていて徒長させたりなかなか発芽しなかったり・・・
思うように行かなかったのが初実生でした

ですがその後色んな種類をやっていくうちに だんだんコツが分かってきました
少し環境の条件を変えるだけで発芽率も成長も大幅に変わるという事も分かりました
勿論 今でも完全とは言えませんが それなりの成果は出せるようになってきたと思います

そして どうして細かい点で納得のいかない情報しか得られなかったのかも何となく分かりました
特に本の場合は 色んな地域差も含めて共通することしか書けないんだと思います
地域によって温度差も大きいし それぞれ個々の環境の差も大きいと思います
ですから 大まかな大雑把な内容になってしまうし 性質上正当な方法しか書けないんでしょうね

本で実生の大まかなガイドラインを得て そして色んなサイトで様々にアレンジされた方法を勉強して
それらをミックスして自分の環境に合いそうな方法を考案する またはそのまま試してみるのも良いでしょう

大事なのはとにかくやってみる事です そして上手くいかない点があったら少し条件を変えてみる・・・
発芽率が悪くても種の鮮度のせいもあるし 上手くいかない理由が全て自分のやり方のせいでは無いんです
その辺は気楽に考えて だけど工夫することだけは忘れない・・・ それが1番良いんじゃないかと思います

そして何より難しく考えない事です
実際、春や夏または秋の初め頃の 発芽に必要な温度を確保出来る時期に始めるのは全然難しくないです
何種類かやってみるうちに 自然と自分の環境でのコツが分かります
そしたら後は 冬にもそれと近い環境を作れたら冬場の実生も出来るという事です

実生苗にしても根や球体に傷を付ける事さえしなければ 案外手荒な扱いでも平気です
私はそんなに優しい扱いはしていませんし 用土にカビが生えても取れば良いというような感覚です
ただ 特に球体が柔らかいとか極端に根が弱い場合は少し注意する方が良いと思いますが・・・

それ以外は 最低条件として例えば植え替え前には手を洗う、器具は清潔にしておくなどして
よっぽど不潔だったり乱暴すぎたりしなければ ほぼ大丈夫だと思います
実際に私のところではそんな扱いですが 苗が駄目になる事は少ない方だと思います

 

まだ実生をやった事の無い方には 是非やって欲しいと思っています
サボテンや多肉の成球を育てるのとはまた違う楽しみを得る事が出来ます

小さな芽も様々な形があって それが成球の姿にどんな風に変化していくのか・・・
その過程はとても神秘的で 普通の植物を種から育てる以上のものだと思います

なかなか上手くいかないところもありますが それも含めて全てが楽しいと感じられるのが不思議ですが
サボタニの実生はそんなものだと思います

疑問や分からない事は 是非、参考にされるサイトで質問されると良いでしょう
みなさんきっと喜んで答えてくださると思います
実生仲間が今よりもっともっと増えて みんなで工夫と楽しみを共有できる事を楽しみにしています!