長 野 「善光寺の大渋滞」
牛に引かれてではなく7年に1度と言われる御開帳に引かれて善光寺に出掛けたのは03(平成15)年5月10日だった。
駅前から善光寺大門行きのシャトルバス(100円)に乗る。暫く走るとバスはいつもの道から脇道に逸れた。御開帳の交通規制の為らしい。
バスを降り参道に入ってビックリである。人人人の波波波でビッシリと動きがとれない。
大勢の僧侶が赤い傘を差し掛けられながら善光寺方向から進んで来る。
後で知った事だがこの日は御開帳の数あるイベントの中でもハイライトである『中日庭儀法要(浄土宗)』が行われていたのだ。地元のテレビに寄ればこの儀式は前建本尊を讃える儀式だそうで厳かな中にも華やかさのある儀式である。
「御開帳を見て蕎麦でも食べて来ようか」と思っていた私は、一大イベントがあるとは全く知らずに人波に揉まれることになった次第である。
それでも人波をかいくぐり少しずつ少しずつ山門に近付いて又ビックリである。
参拝客がロープで規制され参拝の順番待ちをしているのだ。本堂に辿り着くまで2〜3時間は掛かるらしい。
それならばと信仰心の無い身、回れ右をして善光寺を後に行きつけの蕎麦屋へと向かった。
ナナッ何とここでも大渋滞である。善光寺界隈でも美味しいと評判のお店なので普段でも数人が席待ちをしていることはあるがこんな長蛇は初めて見た。ここでも小一時間は掛かる様子なので他の店に行く。結果的には善光寺界隈の蕎麦屋はどこも長蛇の列であった。もういい加減ウンザリしてきたのでホテルにチェックインをしようとバスで長野駅に戻った。駅構内を通り抜けようとして目に入ったのは休憩所である。そこには立ち食い蕎麦もある。
信州で蕎麦を渇望した身には地獄で仏の立ち食い蕎麦。迷わずにチケットを購入し蕎麦を食す。
歩き疲れ、お腹の空いた口にはとても美味に感じられた。今回の蕎麦は後にも先にもこの駅の立ち食い蕎麦1杯だけであった。考えるととてもコストの高い蕎麦を食べたことになる。そう、1杯2万円以上かな・・・。

写真:善光寺御開帳 Roshi 文章:Roshi
 

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