「ん…?」
唇に柔らかな感触。
何事かと目を開けようにも自分のものより低い温度をした手が塞いでいた。
目隠しはそのままに、そっと触れるだけのキスが降ってくる。
このままでいるのも悪くないが、それでは火の点いた劣情はおさまらない。
細い腰を抱き寄せ、体を反転させた。
「お前から仕掛けてくるなんてな。覚悟できてんのか?」
低く笑えばフィールはやや気まずそうに視線を逸らした。
口元を愉しげに吊り上げ、レオンはフィールの上衣の留め金を外す。
見せ付けるように上衣のジッパーを銜え、殊更ゆっくりと引き降ろした。
組み敷いた相手を見下ろせば、期待と不安で潤んだ目とぶつかった。
わざとそれ以上は脱がさず、布越しに肌を撫で上げた。
フードが銀糸に覆われた頭の下でぐしゃりと微かな音を立てる。
珍しく性急に事を進めないレオンにフィールは翻弄されていた。
「レオンっ…」
「焦んなよ」
ほんのり染まった頬を撫で、昼寝の邪魔をしてくれたお礼とばかりに細い喉元に歯を立てる。
息を呑むフィールに今度は深いキスを見舞った。
噛み付かれて、フィールは官能に目を閉じる。
「お楽しみはこれからだろ?」
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