こんなの、勝負じゃない。
『溺愛ロジック』
「ん…ふっ…」
「どうした?もう降参か?」
愉悦の滲んだレオンの声が更にフィールを追い詰める。
必死で舌を動かしてるのに、レオンの怒張は達してくれなかった。
フィールはもう限界に近い。
レオンの舌に弄られ煽られ、とろとろと零れ落ちる蜜までも飲み干される。
様子を見てレオンが加減しているのは明らかで、フィールは翻弄されっぱなしだった。
先に相手を絶頂に追いやった方が勝ち。
そんな馬鹿げたことに乗ってしまった自分もどうかしているけれど、たまにはレオンを負かせてやりたいと思ったのも事実。
フィールは自分の判断の甘さを悔やんだ。
「ほら、口がお留守になってるぜ?」
そういって強く吸い上げられる。
薄い背を快感が走り、腰が戦慄いた。
「んっ!は、ああっ…!」
レオンに歯を立てないように口を離したところで、フィールは達してしまった。
快感に震える手足を必死に突っ張って、頽れないように耐える。
少しだけ、悔しそうにフィールは眉根を寄せた。
「先にイった方が勝った方の言うことを聞く、だったよな?」
レオンの楽しげな声が聞こえてきた。
無言で睨んでも快感に潤んだ目では効果がない。
「とりあえず、こいつを始末してもらおうか?」
にやにやと笑いながら、レオンは自身の高ぶりを示す。
フィールは仕方なく口淫を再開した。
「んっ…」
レオンとて余裕があるわけではない。
細い肢体を掻き抱いて、思うが侭に欲望をぶつけたくて仕方ないのだ。
求めても求めても足りはしない。
止めどなく溢れてくる、この暗い情念。
素直に自分に従ったフィールに、征服欲が疼くのを止められない。
レオンはごくりと咽喉を鳴らした。
「イくぜ、フィール」
悦楽で薔薇色に染まった頬が白濁に穢れる。
今宵はその声が枯れ果てるまで貫き続けようか。
「おネンネするのはまだ早いだろ?」
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