1976 WiredSONGS
MUSICIANS
COMMENTプロデューサとして、前作 Blow by blow と同じジョージ・マーティンの名前が 挙がってるんですが、どうなんでしょう? ヤン・ハマーは「ジョージ・マーティン なんてベーシック・トラックをプロデュースしただけだし、ミキシングしたのは 二曲しかない。他の六曲の最終ミックスは全部俺がやったんだ」というコメントを 残してますが、確かに前作と雰囲気は違うと思います。明らかに。メンバーの皆さん、気合が入っててなかなか疲れるアルバムですが、まずは一曲目の Led Boots。初めて聞いたとき、こんなんアリかいと思いましたですね。 たった二つのリフで構成され(A, B としましょう)、A, B を一通りやった後に、 A をバックにギターが好き放題弾き、B をバックにキーボードが好き放題弾き、 ドラムは全編好き放題。これだけ。で、これがかっこいいんだからやってられません。 ベックのギターは言うまでもなく素晴らしい。Goodbye Pork Pie Hat のように 長尺のソロをダレることなく、巧みに音色を七色にコントロールしつつ 引っ張っていく辺りはさすが。また、ヤン・ハマーとの掛け合いというと Blue Wind が有名ですが、いや実際トリッキーなプレイが冴え渡っていますが、 Sophie での掛け合いもなかなか熱いですよ。CD Time 5:51 の調子っぱずれな フレーズ、耳に残ります。それから、Love is green では珍しくアコースティック・ ギターを手にしてメロディを弾いたりしています。 ナラダとリチャード・ベイリーという二人のドラマーの違いも面白い。 ベックと共演しているドラマーというと、手足が良く動いてタムタムが好きで 音がでかくてなんつーかイケイケどたばた、という印象のヒトが多い(ナラダは もちろん、カーマイン・アピス、サイモン・フィリップス、テリー・ボジオ。 コージー・パウエルも、まーあまり手足は速くないかもしれないけどハデ、 Who Else! で叩いているスティーヴ・アレクサンダーもライブを見るとそっち系) んですが、リチャード・ベイリーはもうちょっと軽いというか繊細というか。 まぁこのアルバムではあまり目立ちませんが、Blow by blow では 結構手数も出してますね。 対するナラダですが、随所で手数がばりばり出てカッコ良く熱いドラムはもちろん、 作曲にも才能を見せてます。Sophie とか、A パートと B パートのつなぎが 強引すぎる気もしますが、Come Dancing や Play with me、Love is Green など、 このアルバムの雰囲気を決める重要な要素であると思います。 この人のソロアルバムにベックが参加している、というレコードがあるんですが、 聴いてみたいなぁ。 |
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