THERE AND BACK


1980 There and Back

SONGS

  1. Star Cycle [J.Hammer]
  2. Too Much to Lose [J.Hammer]
  3. You Never Know [J.Hammer]
  4. The Pump [T.Hymas/S.Phillips]
  5. El Becko [T.Hymas/S.Phillips]
  6. The Golden Road [T.Hymas/S.Phillips]
  7. Space Boogie [T.Hymas/S.Phillips]
  8. The Final Peace [J.Beck/T.Hymas]

MUSICIANS

  • Jeff Beck [Guitar/Producer]
  • Mo Foster [Bass on "The Pump", "El Becko", The Golden Road", "Space Boogie"]
  • Jan Hammer [Keyboards on "Star Cycle", "Too Much Too Lose", "You Never Know" / Drums on "Star Cycle"]
  • Simon Phillips [Drums]
  • Tony Hymas [Keyboards on "The Pump", "El Becko", "The Golden Road", "Space Boogie", "The Final Peace"]
  • Ken Scott [Producer]

COMMENT

個人的に一番好きなアルバムです。何度聴いたことでしょう。 しかしジェフ・ベックのアルバムを紹介している文章を読んで、 これがナンバーワンだという書き方をしているものにはお目にかかったことが ありません。大抵はBlow by blow、ちょっと通向きにオレンジアルバム、 ハードロックファンは BBA とか Truth とか。

でもねぇ、これ、良いアルバムですよ。

まずは有名な Star Cycle。曲の作りは私があきれた Led Boots よりもさらに単純で、 コード進行はたった一つ。12 小節の、まぁブルーズの変形という見方も出来ますか。 これのギターソロが熱い。例えば 9 小節目、CD Time 1:45 で 一気に駆け上がったあとに畳み掛けるような F 音のチョーキング。く〜っ。

その他、Too Much Too Lose や The Golden Road など、ぐ〜っと盛り上がる く〜っなソロがいっぱい。例えば The Golden Road、ソロ開始からしばらくしての CD Time 3:28 で一気に指板を下降し、残る 30 秒ぐらいで再び上昇してゆく 様のかっこよさ。

それから、曲がまた粒揃いだと思います。Guitar Shop ではちょっと冴えない Tony Hymas の作曲ですが、ここでは The Pump など良い曲を残しています。 ストイックなリズムに乗った、広がりのある展開は、その後の You know, We know (Flash)、Two Rivers (Guitar Shop)、Angel (Who else!)辺りに 受け継がれて行くわけですが、私はこの曲が好きです。ベックも冴えてます。

サイモン・フィリップスのドラムは、本来の彼からすると若干地味な印象も あります。音色も、最近のハイピッチで抜けの良いスネアと比べると地味。 けれど、随所に「らしい」フレーズは満載で、内容は濃いと思います。 例えば Space Boogie はサイモン自身が「あれは狂い咲きだった」と述懐するほどで、 あのテンポであの音符を詰め込むプレイは「本当にお疲れ様です」と声の一つも かけてやりたい。 You Never Know のエンディングなども聴きどころで、例えば CD Time 3:30 の ツーバスフレーズなどニヤリとしてしまいます。

そうなると残念なのが Star Cycle。ああ、この曲をヤン・ハマーじゃなくて サイモン・フィリップスが叩いていたら。ついでに Wired 収録の名曲 Blue Wind、 アレをヤン・ハマーじゃなくてナラダ・マイケル・ウォルデンが叩いていたら。 本当に残念です。ヤン・ハマーのキーボードは嫌いではありませんが(好きでも ないかも)、ドラムなんかで妙な自己主張をしないで欲しかった。 ベックは許しても私は許しません。って怒ってるのは俺だけ?

そして The Final Peace でジェフは宇宙の彼方へと消え去り、 アルバムは幕を閉じるのでした。


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