立教志塾とは 「まちづくりは人づくりから」をスローガンに、平成元年8月から始めてまいりました私たちの勉強会ですが、漸く機が熟しまして今度、会名を「立教志塾」と定め、正式開塾する運びとなりました。 わが白河にはその昔、「立教館」という藩校がありました。立教館は寛政三年(1791年)開学ですが、時の藩主松平定信(楽翁)公は、それから18年後の文化6年「立教館令条」を自ら制定されまして、その目的とするところは、「人倫を明らかにし、風俗を正しくし、人材を長育する」ことにあることを明示しておられます。 今日のわが国の教育制度は、小・中学校の義務教育はもとより、公・私の高校、大学教育もよく整備され、最近では幼稚園も義務教育に準ずる地位を確保しているように見えます。また巷には予備校、各種の学習塾を始め、諸々のスポーツ、趣味、諸芸に至る教室があふれ、通信教育、視聴覚教育の発達も目覚しく、国は生涯教育の大事なことを強調しております。真に、わが国は、教育の黄金時代にあるかに見えます。 しかし、これほど教育の盛んな国の所々の職場、地域に於いては、人材難が切実に叫ばれております。また、青少年の非行化、自己中心的志向、倫理・道徳の低下、犯罪の凶悪化等々総じて人間性の喪失が指摘され、教育の不毛が嘆かれております。これは一体どうしたことでしょう。 今日の教育が知育偏重に流れ、精神面の教育を疎かにした結果であるとの批判があります。 改めて立教館が教育の根本目的を「人倫を明らかにし、風俗を正しくし、人材を長育する」にありとした卓見に頭のさがるものがあります。 ここにおいてわれらのめざす人づくりは、立教館の立教精神に立脚すべきことを思い、私たちの会名に「立教」の二字を冠し、その志を継承し、学習錬磨の道場を表す意味から志塾の二字を加え、「立教志塾」と命名することにしました。 |