<チロリン村プロジェクト・岩手県大槌町あかはま地区>

 被災地の復興にも土壌浄化法がお手伝いしています。
 3.11突然襲った大地震と大津波により岩手県大槌町は町長、町職員を含め町民802人もの方々が犠牲となり、行方不明者が今現在も520人という壊滅的な被害を受けた。
 その町にある赤浜地区は、「ひょっこりひょうたん島」のモデルになったとされる蓬莱(ほうらい)島を望む海辺の地域である。
 震災後10ヶ月が経った今、なかなか進まない復興の状況をメディアの情報などで目にする中、あかはまチロリン村プロジェクトは仮設住宅や仮住まいの方々のためにコミュニティーの再生を目的に集会所兼店舗を建設するものでNPO「緑の家学校」等多くの方々が参加されて作られている。その建物からの排水処理に関して、毛管浸潤トレンチの導入のリクエストを受け、スキルマネージャー3名で休日を利用して現地施工を行った。

 
 どう見ても若くない連中が、実際土木作業を行うので効率は決して良くない、そんな作業の中で地元の設備会社のボランティアの方のお力を借りながら、短期間で完成させる事が出来たのである。
 毛管浸潤トレンチ工法は、沈殿分離槽とトレンチとの組み合わせによる無動力で自然の力を最大限利用した浄化システムであるため、被災地でのトイレ問題に対する暫定的運用や、今後の震災に備えた緊急施設として防災公園などへの導入など、多くの用途を持つ施設だと実感した。
 今回は主にトイレ排水を対象に施工したが、約5mのトレンチを2本並列に作り交互運用する事により目詰まり対策とした。1m当りの負荷量は100リットルであるから、単純計算で1回5リットルの水洗排水だと、1日に100回分のトイレ使用に対応出来ることになる。
 これから厳冬期を迎える現地ではあるが、多くの方々の思いで作られたこの集会所の暖かい部屋の中から笑い声が聞こえてくる。そんな光景を思い浮かべながら帰路につく道中の国道45号線沿いに掲げられた横断幕に、「ひょっこりひょうたん島」のテーマソングの一節があった・・・。

  「苦しいこともあるだろさ、悲しいこともあるだろさ
                  だけどぼくらはくじけない」


 この紙面をお借りして、今回資材や人手を協力していただいたSKC水道設備の岡本様・福島県会津坂下町のマルト建設様をはじめ、お手伝いいただきました方々に心より御礼申し上げます。