第20回 全国大会・通常総会 〔〔平成31年8月8日:神奈川県〕
全国大会の様子
全国大会の様子
令和初めての、そして20回目の記念すべき全国大会が、令和元年8月8日(木)、横浜市の桜木町駅に近い会議室で開催されました。今年は下水道展が横浜開催となった事情に合わせての横浜でした。全国大会にふさわしく全国から各自治体の代表など会員が集まり、下にあるようなプログラムで議事は進行しました。
大会は稲垣茂事務局長(NPO 法人日本土壌浄化法ネットワーク理事長)、が開会を宣言、続いて齋藤文英連絡協議会会長(福島県会津坂下町町長)が「新時代令和――土壌浄化法で限りなき挑戦」という今大会の統一テーマに即して、今こそ公共下水道が設置されていない小規模自治体こそ下水道の設置に積極的に取り組むべき時代到来だ」という趣旨の会長挨拶を行いました。続いて国土交通省下水道事業課の事業マネジメント推進室・宗琢万課長補佐が「未普及対策の取組」と題しての基調講演をされました。
わが連絡協議会にとっても最も関心の高いテーマでした。
 宗課長補佐は
1.下水道事業に抱える課題
2.下水道の普及状況と10年概成
3.広域化・共同化の取組
4.汚水処理事業のリノベーション
と、4つの分野についてパワーポイントで30ページにわたる内容を約1時間にわたって説明されました。
 日本土壌浄化法ネットワーク理事の滝田久満氏から「福島県における土壌浄化法の現況」として8年前の東日本大震災でのダメージや原状回復についてのお話を、この日、会場にいらしていた福島県檜枝岐村の下水道を担当されている渡辺さんからも檜枝岐村についての現況をお話しいただきました。

 同じく日本土壌浄化法ネットワーク理事の井上源喜氏からは、土壌の成り立ちと土壌圏の役割の説明と、毛管浄化研究会で研究を行っていた「空き缶を用いた土壌被覆型接触曝気法」や「極低温における土壌被覆型接触曝気法」の実験内容についての説明がありました。
新井完治氏は小さなスプーンですくった土壌に50億近くの細菌がいます。と話し始めました。系統図を掲げて新生細菌、古細菌と真核生物にわかれていると説明しました。
 2010年には処理方式による菌の生息に違いを確認する実験を行いました。会津坂下町にある複数の処理場でサンプルを採取し、培養します。土壌浄化法の処理場の土には明らかに菌の勢いが強い結果となりました。この研究では大学の協力でDNA 解析が行われ、土壌浄化法の処理場とジャルス型の処理場で生息する細菌の種類にも違いがあることがわかりました。土壌浄化法のろ材により多く生息していたニトロソモナス属の培養は本来は難しいそうです。
 一般的な川辺の様子を観察しても水の流れている近辺の土壌は微小な生物が格段に育ちやすいことがわかります。土壌浄化法の処理場でも同じ様に育ちやすい環境が育まれていると言えるでしょう。
 細菌研究の分野はDNA 解析の発達によって画期的な発展をしていますが、基礎的な部分は変わらずそれを用いた技術は守るに値すると考えます。と締めくくりました。
4時間近くに及ぶ報告・討議はつつがなく終了いたしました。
プログラム
統一テーマ「新時代令和―土壌浄化法で限りなき挑戦―」

総合司会:全国市町村土壌浄化法連絡協議会事務局長 稲垣茂
開会の辞
全国市町村土壌浄化法連絡協議会
事務局長 稲垣 茂
会長挨拶 「新時代・どこでも下水道は必要な社会資本整備事業」
全国市町村土壌浄化法連絡協議会
会長(福島県会津坂下町町長) 齋藤 文英
基調講演
・下水道事業における未普及対策の取組
国土交通省水管理・国土保全局下水道部 下水道事業課
事業マネジメント推進室 課長補佐  宗  琢万
福島県における土壌浄化法の現況
NPO法人日本土壌浄化法ネットワーク理事 滝田 久満
土壌の下に何がある・地球の不思議
―土壌圏の科学を編集・地球上の有機生物について―
NPO法人日本土壌浄化法ネットワーク理事 井上 源喜
土壌にはスプーン1杯に10億個の微生物!!  
―土壌の中にいる土壌生物や土壌微生物の働き―  
NPO法人日本土壌浄化法ネットワークスキルマネージャー 新井 完治
ブータン国におけるJICA「普及・実証事業」で土壌浄化法のモデル施設を設置  
―海外の具体事例が、日本の市町村における下水道事業のヒントになる―  
NPO法人日本土壌浄化法ネットワークスキルマネージャー 木村 恭彦
大会宣言
閉会の辞