第13回技術研修会・担当者会議 〔平成24年10月11日~13日:福島〕
「災害時に強い土壌浄化法――具体的な適用方法についての研修――」と題した全国市町村土壌浄化法連絡協議会の第13回技術研修会および担当者会議が、10月11日~13日の3日間、福島県会津坂下町で開催されました。

まず、初日の会場は会津坂下町の中央公会堂です。春日八郎など名誉町民の肖像画のかかったホールには全国の下水道担当者がつめかけ熱気に溢れていました。その参加者を前に竹内?俊連絡協議会会長で会津坂下町の町長が、歓迎の言葉を述べました。
 全大会の写真
 会津坂下町の公民館に集まった全国からの参加者。
 土壌浄化法の先進地区の報告に大きくうなずいていた。
 竹内会長の歓迎挨拶の中にもありましたが、会津は「土壌浄化法」の故郷といってもよい土地柄です。というのは、会津坂下町は今からちょうど20年前の平成4年、全国に先駆けて土壌浄化法による公共下水道を設置した町だからです。昨年の東日本大震災で、はからずも露呈した大規模下水道の弱点・問題点をクリアして、小規模であるがゆえに建設費が安い、土壌の力を使った環境にやさしい処理方式であるがゆえに、維持管理費が安く、小さな町や村にうってつけの下水道である、ということを会津坂下町が率先して、その見本を示した、と強調されたのです。会津では坂下町を先頭に、奥会津の金山町、昭和村などが土壌浄化法を採用しており、土壌浄化法の「故郷」であると同時にモデル地区にもなっています。実際、坂下町では公共下水道の仕上げとも言うべき中央処理場の建設工事が急ピッチで進んでおりますし、只見川沿いの金山町では、なんと町の中心部、会津川口駅の構内に、下水処理場を作るという画期的な作業が、これまた画期的な福島県の「代行事業」として1日あたりの処理量が80トンというまさに小規模な施設が来年早々の供用開始に向けて工事が佳境に入っているのです。
 稲垣茂事務局長が、例によて総合司会をつとめましたが、同事務局長は「今年の技術研修会の会場を会津にしたのは、土壌浄化法の故郷であると同時に、会津もまた、大震災の被災地であり、未曾有の原発事故の被害はまだ何も解決していないことを訴えたかったからです。折から、NHKの大河ドラマ『八重の桜』は会津が舞台でありこれをきっかけに理不尽な風評被害を一掃したいという思いもこもっています」と述べられました。
ゲストスピーカーとして出席された松原誠国土交通省下水道部町村下水道対策官も、実際に坂下町の処理施設を見て「このような処理方式こそ、今後の町村下水道普及のカギになる」と強調していました。
 また地元会津から選出され2期12年間、国政に関わった元参議院議員和田ひろ子さんが、3日間の会議、視察にすべて同行されました。和田さんは会津坂下町在住で、20年前の下水道設置に主婦の声、主婦の力の先頭に立った経験を持っておられます。