平素より環境行政に多大なご理解とご協力を賜り、心から御礼申し上げます。 また、本日の全国大会の開催に当たりまして、メッセージを紹介する機会を頂きましたこと、感謝申し上げます。

私の地元、山梨県はミネラルウォーター生産量日本一でございまして、実に日本全体の3分の1以上が生産されております。これは、富士山や南アルプスの裾野に広がる豊かな大地の浄化作用により、豊かで良質な水が得られること、まさに「土壌の力」によるところが大きいと考えています。こうした意味でも皆様方の「土壌などの自然の力を利用して排水を浄化する」取組にも、大変共感を覚えます。

さて地球温暖化、生物多様性など、我々は地球レベルの様々な問題に直面する一方、「21世紀は水の世紀」とも言われるなど水の問題も日本のみならず世界的に極めて重要な課題です。環境省では、本年1月に大臣政務官の下に水環境戦略タスクフォースを設置し、水環境を取りまく諸課題について議論していますが、国内の水環境の保全に加え日本が公害を克服する中で培った知識や経験、技術を伝えるという形で、世界の水問題に貢献することが重要であると考えております。

その一環として、平成20年度より特に水質汚濁の著しい中国農村部において分散型排水処理モデル事業を実施しております。そして、本年夏に中国側への引き渡しを予定している江蘇省の2地区では、排水処理技術として土壌浄化法を使わせて頂きました。この事業は中国側にも大変高い評価を頂いており、中国側の全額負担により、5つの同様の施設建設が決定されるなど、おかげさまをもちまして本モデル事業の成果が具体化されています。

国内外の水問題の解決に向けて、本協議会の更なるご活躍を期待いたしますとともに、環境省においても、地球と日本の環境を守り、未来の子供たちに引き継いでいくため、水環境行政を一層推進していく所存ですので、引き続きのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

本日の全国大会の開催、誠におめでとうございます。

平成22年5月19日
環境大臣 小沢 鋭仁