全国市町村土壌浄化法連絡協議会 第10回担当者会議
 特定非営利活動法人日本土壌浄化法ネットワーク
理事  鎌田 浩
技術研修会初日の10月8日は、台風直撃という珍しい状況の中で進められましたが、同時開催の「第10回担当者会議」の9日には、この台風もおさまって心配することなく進める事ができました。9日の日程としては、午前中は、処理施設の現地視察が行われた関係上、担当者会議は午後に予定されていました。

会議会場は坂下東浄化センター内で、25名程の実務担当者中心に進められました。会場には特に、韓国から今回の技術研修会に参加された7名の方々も担当者会議にも出席され、同時に発表もして頂いたところです。

研修の項目としては、4項目で最初韓国の城南市きれいな水管理事務所の黄寅相所長による「下水処理施設の分散による維持用水確保方案」と題して発表されました。主な内容は、城南市における分散型の下水道を実施し水資源となる用水確保の推進を図っていくと言うもので、集中型下水道への問題を述べられていて日本でも共通課題として参考に値するものでした。

次に、スキルマネージャーによる「土壌浄化法の基本技術組合せ」では、処理の単位プロセスに対する技術性を述べました。基本として嫌気槽、沈殿槽等各槽の果す役割を説明すると共に、BOD・SS除去、N・P除去に関与する従属と独立の栄養細菌についても述べられ、質問も受けられていました。

3つ目の項目「維持管理の目安となる簡易水質測定」については、処理施設の管理を実務担当する者として、簡易の水質チェックができるための有効な手法について、最小限の簡易な方法として経験を基に提案。参加者の中には、もう少し具体的に知りたかったとの意見も出されました。

最後の項目は、今回初の試み「土壌浄化法に関する微生物調査」で、寒天培地を用いた実験結果を説明。培地による細菌類等のコロニーをシャーレ上で検証する方法及び顕微鏡による検証と事前に予備調査した結果の顕微鏡写真から内容について説明があり、同時に参加者もコロニー状況を観察する事ができました。又、調査箇所として、土壌浄化法とジャルス型の両浄化センターの沈殿、接触酸化槽及び被覆土壌についてもサンプリングして調査したものを提示したので、これには参加された皆さんも大変興味を持たれ、熱心に耳を傾けていました。調査結果からの意見として、更に細菌類の分類を行うには、複雑で大変難しい調査が必要であると述べていました。

さすがに、今回の担当者会議は、午後開会で項目も多かったので時間的に厳しいため、3・4項目から時間短縮の形になりました。それでも最後の終了が18時頃となり、外はすでに太陽も沈み、遅くまで参加者共々熱心だった事が印象に強く残りました。

「韓国下水処理施設の分散による   「土壌浄化法の基本技術の組合せ」
維持用水確保方案」   土壌浄化法スキルマネージャー  渡邉 真人
韓国全南大学  鄭宣龍 教授  
「維持管理の目安となる簡易水質測定」   「土壌浄化法に関与している微生物調査」
特定非営利活動法人   土壌浄化法スキルマネージャー  渡邉 真人
日本土壌浄化法ネットワーク 理事  鎌田 浩