土壌浄化法・技術研修会10周年記念
「会津坂下町と昭和村で楽しいコラボレーション」
~ 下水道フェスティバルや建設技術の披露で盛り上がる ~
 全国市町村土壌浄化法連絡協議会
事務局長  稲垣 茂
日本列島(本州)を直撃した大型台風18号により直前まで、その開催が危ぶまれた技術研修会は、時代を写し出すかのように、東北地方の片いなか、会津盆地を避けるようにして被害は最小限に食い止めることが出来ました。台風の影響で研修会に参加出来なかった多くの皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしましたが、全日程特に土壌浄化法の最大セールスポイントであります汚水処理槽の上での住民参加によるイベント・下水道フェスティバルは、紅葉に囲まれた景観それは天高く秋晴れのなか、盛大に開催することが出来ました。まさに「天・地・人の里」会津での天の時・地の利・人の和を象徴する意義ある3日間でありました。

今、下水道を進める上で一番需要なことは、住民に下水道事業を正しく理解してもらうことが最も大切なことであります。会津坂下町の住民たちの積極的な参加による下水道フェスティバルは普及が進むにつれて年々参加者が増えており、”安全・安心・環境”と言ったキーワードで下水道の持つ広範囲で多様な役割を身に付けることが出来たのではないでしょうか。

残念なことに、住民参加の増加とは裏腹に、各自治体等からこの種の研修会への参加者が年々減少しているのが、気にかかります。財政の悪化・逼迫が職員の出張をためらわせているのかなとおもうのですが、土壌浄化法を通じ志を同じくする全国の仲間たちが、10周年という節目を機に「新たな時代の新しい下水道」の先導役として、優れた識見や情報の交換をしながら普及促進や事業のレベルアップにつなげる必要性を今さらながら意を強くするものであります。

鳩山政権が発足してから1ヶ月がたち、国民の目線を意識した政策の転換を各閣僚が矢続き早で打ち出す様は、まさに政権交代の実感を強烈に感じます。新政権の金看板「政治主導」とは具体的にどんなものであるのか、また、中央省庁が集まる霞が関ががどのように変わって行くのか大きな期待をしたいものであります。

土壌浄化法は、民間が開発した極めてシンプルで経済的な汚水処理技術であると言われております。しかし、国が進めてきた従来の補助事業ではスムーズな事業採択が期待できなかったのであります。

我々は、この10年間遅れている全国各地の中小市町村の下水道事業整備推進のため、その一翼を担うべく「全国市町村土壌浄化法連絡協議会」の名のもとに組織的な活動の展開をしてきたのであります。ここで、政策主導を主眼とする新政府に求めることは、「国民生活を第一」とした政策の実現であります。是非とも、生活環境を優先とした下水道未普及地域の完全解消こそ、政策の履行であります。民による技術開発の成果を官が国民の幸せに結びつけていくことこそが、真の意味での「官民協働」ではないだろうか。