欧米のおいしい手作りビールの作り方 研修報告書

 

佐々木@RCビール職人です。

 英国や米国では、自宅でおいしい自家製のビールを作り、夕食やパーティーを
一層、華やかなものにしています。約2週間で 手作り自ビールが出来上がります。
 小生は 日本国内で行われたビール作りの研修に参加して、米国や欧州の手作り
ビールの作り方をマスターしました。その研修結果を報告します。

尚、日本では 1%以上のアルコールを作る事は法律で禁じられています。
もし下記を国内で実行する場合、水を100倍から1、000倍位 多めに入れて
アルコール分が出来ないようにしましょう。
 

【ポイント】@発酵時の温度管理(13〜28度位)
      A容器を消毒する
      Bおいしい水 (こだわらなければ水道水で充分)

【原理】下記化学反応を 酵母菌を用いて起こします。
    糖分 → アルコール + 炭酸ガス

道具類,材料で 特に断っていない場合 東急ハンズの手作りコーナー(お菓子etc)で売ってます。
99年8月26日の時点で町田の東急ハンズの6階にありました。

【道具類】                            (東急ハンズの値段)
 @タンク … 10 or 20リットル (灯油タンクでも可)   →専用タンクなら 3000円
 A空瓶 … タンクの容量分集める(ビールの大/中/小瓶 ect)→5円/本(酒屋で買う)
         (ペットボトルでもok)
 Bビン底洗い用ブラシ                    →500円位
 C打栓器 … 瓶に栓をするもの               →2000〜3000円
 D栓  … 瓶ビールのふたの再利用可      →500円/50個 or800円/100個
 E噴霧器 … アイロン掛け用と同じ大きさで可        →500円?
 Fロート … ビール瓶の口に入るもの
 G比重計 … アルコール度数を正確にしたい人のみ。

【材料】
 @ビール(麦汁)の缶詰(酵母菌付き)          →2000円 
   ・BLACK ROCKの水色ラベル以外,「うまいビール」と言うラベルだったか
     (BLACK ROCK水色ラベルは酸っぱくまずい)
     普通のビール色のビールが出来ます。
   ・KINGシリーズ,BLACK ROCKの黒ラベル
     黒ビールが出来ます。
 A白砂糖1Kg                     → 500円?(スーパーで買う)
 Bコーヒー砂糖(5〜6gずつのパック詰め)
 C消毒用エタノール                   →800円(薬局で買う)

【作り方】
麦汁の缶詰は 大きく分けると2種類あります。
1)KINGシリーズは缶に添付された説明書に従う。1缶で9リットルできます。
  尚、下記の説明に従って作ってもかまいません。

2)「BLACK ROCK」,「LAGAR」,「うまいビール」の作り方
  (1缶で20リットルできる為、お得です。10リットルずつ作りましょう)

  <<10リットル作製 アルコール度数5〜7%の場合>>
 第1日目
 @タンクの洗浄。水を入れ タワシでタンク内,ふたの裏や溝を丁寧に洗う。
 Aタンクの消毒。タンクの水を捨て エタノールを適度にいれてよく振り 消毒する。
 B鍋に水をいれ 沸騰させる。沸騰したら火を止める。
 C鍋に麦汁を入れる(缶詰の半分)。
  残りの麦汁は 缶詰のままサランラップでふたをして冷蔵庫に保管する(酵母菌の半分も)。
 D白砂糖を袋の半分(500g)いれて 溶けるまでかき回す。
 E溶けたら再度 沸騰させる。表面の あくを適度に取り除く。
 F沸騰したら 28度位まで 冷却する。
 G上記B〜Fの間にタンクに水を5リットル位入れておく。
 Hタンクに麦汁をいれる。
 I水を足して 10リットル位にする。
 Jタンク内の液温が28度以下なら 酵母菌を入れる(33度以上の場合 酵母菌が死ぬ)。
 Kタンクに軽くふたをする (きつく閉めると炭酸が抜けず タンクが破裂する)
 L涼しい所にタンクを置く(液温を13〜28度に保てる所)

 第2〜5日
 @タンクを軽く左右に揺らし 底に沈んだ酵母菌を浮き上がらせる。
 A液表面を観察し 下記のどちらかであれば 発酵中。
  泡が液表面を覆っている or 湧き水のように底から泡が吹き出ている
  (雑菌が入らないように ふたを少しだけ開けて見ましょう。雑菌がいると酸味ででます)

 第4〜8日(発酵終了日)
 @上記Aの現象が終わったら 発酵終了。(夏:3〜4日,冬:6〜9日)
  (味わってみると 炭酸の抜けた苦みのあるビールの味)
 Aブラシ使って 瓶をきれいに洗う(10リットル相当分の本数)。
  (酒屋で買った瓶には 底にカビが生えている事があります。丁寧に洗いましょう)
 B瓶にエタノールを入れてよく振る。
  (次の瓶にロートを使ってエタノールを移し 約10本位 同じエタノールを使用できる)
 C瓶の口に噴霧器でエタノールを振りかける。
 D器にエタノールと栓を入れて 栓を消毒する。
 E瓶にタンクからビールの原酒を入れる。
 Fコーヒー砂糖を瓶にいれる。
  目安3g/500ミリリットル。大瓶:5〜6g。中瓶:3g 
  200mLコカコーラの瓶:3g。オロナミンCドリンクの瓶:適量。
  (黒砂糖,蜂蜜でも可。入れた砂糖によりビールの泡の風味の違いが楽しめます)
  (砂糖を多くすると アルコール度数,泡の量が多くなります)
  (ショウガや唐辛子をいれて 独特の味付けをする人もいます)
 G打線器を使って 栓をする。
 H瓶をよく振って砂糖を溶かしてやる。
 I涼しい所に瓶を置く
 
 1週間後 冷蔵庫に入れて飲んでみる。これは うまい!
 瓶の底には白い沈殿物があります。これは生きている酵母菌です。飲んでかまいません。
 ビフィズス菌同様に 胃腸に良いと言われています。正に健康食品です。
  
 ビールの栓は 再利用可能。しかし 栓の内側で金属面が露出したら捨てましょう。

 瓶を洗ったり消毒したりするのが、実に面倒です。しかし根気よくやりましょう。 
 尚、廉価版の作り方の報告は 省略します。
 

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