ラズベリーパイの実用性について
ラズベリーパイは学習用として開発され、低価格で販売されています。
それ以上に魅力のある点は小型で十分パソコンとして機能し、周辺機器をUSBやI/Oピンで接続できます。
また、IOTの端末としてイーサネットコネクタやwifi(pi3)も装備されています。
これらの充実した装備があれば業務で十分実用性があると思われます。
私は工場でラズベリーパイを使ってPLCと繋げてデータ収集や機械のビデオ録画を24時間行っていますが、良い点と問題点があります。
以下にこれまで感じた事をまとめます。
良い点
1.小型で場所を取りません。
2.pythonを使って、豊富なライブラリーでソフトが作れます。
3.技術情報がネットに沢山提供されています。
4.周辺機器、色々なセンサー、カメラ、表示機が豊富にあります。
5.WIFIを使って別のパソコンでリモートアクセス(VNCやFTPやSSH等)が出来ます。
6.sambaを使ってイーサネットでwindowsパソコンとファイルを共有できる。
収集したデータをサーバーに蓄積します。
7.Linuxやpythonの学習には最適です。
問題点(注意点)
ハードウェア
1.本体は基盤なので、ケースが必要です。
室内でもホコリがあるのでラズベリーパイやI/O基盤を入れるケースが必要です。
冷却の為のファンも必要です。
CPUは70度くらいの高熱になるので放熱板が必要です。
2.電気工作の為の工具(半田ごて、ニッパー、ドライバー等)が必要です。
3.ラズベリーパイには時計が装備されていないので、必要なときには外部にリアルタイム・クロックが必要です。
安価で売っています。
4SDカードについて
.OSを入れるSDカードが必要ですが、相性問題が存在します。
全く立ち上がらなかったり、2-3回立ち上がった後立ち上がらなくなったりします。
SDカード自体の耐久性があまり強くありません。
5.電源は5Vで別に必要です。
5V 2~3Aの安定した電源が必要です。結構大きな電流が流れるので配線に気を付けます。
電圧が低いと本体やSDカードを破損します。
6.基盤には電源スイッチがありません。
シャットダウンをしないで電源を切るとSDカード自体や内部のソフトが破損する可能性があります。
業務に使うには一番の問題点だと思います。
対策としてUPS(無停電電源)を使います。USP-PICOはラズベリーパイの上に取り付けられるので便利です、
初期動作設定が簡単とは言えませんが実用性はあると思います。
7.長時間連続でWIFIを接続していると切れる事があります。
接続を監視して切れたらWIFIを再起動します。
ソフトウェア
1.ソフト作成にはプログラミングが必要。業務で使うには必須です。
作る物にもよりますがプログラミングのスキルが必要です。
ラズビアンはLinuxの知識も必要です。
画面を使うソフトは向かない様に思います。
2.インターネットに繋げないとOSアップデートが出来ません。
3.ウイルスの心配があるのでネットワークに接続するのは気を付けます。
結論
私は業務で使うときにはラズベリーパイが止まってもラインは止まらない所で使います。
ラズベリーパイの様に小型のパソコンは非常に有用で今後工業用に作られると思います。PLCの様に堅牢で高速な物です。
値段は10万円くらいしますが、既に販売されている機器もあります。
試作機として作るには最適だと思います。