今回は私が監修した大豆の本の紹介をしたいと思います。
大豆について今までいろいろと書いたり話したりしてきましたが、それらについて、子供を対象にした本にまとめて出版することが出来ました。わが国の食文化は米と大豆に根ざしたものと言われてきましたが、実際に家庭の食卓で大豆の姿を子供たちが目にすることが少なくなってきています。たしかに豆腐、味噌、醤油など大豆を原料とした食べ物は毎日口にしていますが、それは子供たちの目の見えないところで加工されてしまっており、大豆の姿を見ることは出来ません。それは自分の孫を見ていて日頃感じていたことでもあったのです。孫たちが大豆に親しみを持って日頃食べていてくれることが彼らの健康を守る基盤にもなってくれるのではないか、との願いもありました。
そんなことを考えていた時に、出版社から小学校高学年から中学生を対象にした大豆の本を作らないか、との声がかかってきました。それは私自身、ひと月の3分の1は母親の介護で徳島まで出掛けている、という過密スケジュールの真っ只中ではありましたが、二つ返事でこの企画に同意して全体の構成から取り組み始めました。イラストレーターの上手な絵による説明も伴って、出来上がってみれば私が予想していた以上の出来ばえになったと喜んでいます。そして昨年(2009年)末には書店の店頭に並ぶようになり、私の知人も何人か購入してくれているようです。私は本の構想を練りながら、出来れば小学校や中学校の図書室においてもらい、多くの子供たちが手にとって見てもらえたらと期待を膨らましながら作り上げてきました。本の内容についても、いま私たちが知っている大豆の最新知識も、そのうちに子供たちが成長していくに従って古ぼけた昔の情報に過ぎなくなってしまうものです。そのため出来るだけ新しい出来事を正確に盛り込むように心がけていました。子供に分かりやすい表現や言葉遣いについては出版社の編集部の人たちの力を借りなくてはなりませんでした。このようにしてなんとか店頭に並ぶところまでこぎつけることが出来たのです。本のタイトルは『体にいい、地球にやさしい大豆の大研究』(PHP社出版)です。一度書店で手にとって眺めてみてください。出来上がった本を孫に手渡したときに、ちょうど小学校3年生の孫が学校の授業で大豆について学んでいる時だったようで、まさに絶妙のタイミングだったようです。
本の内容は次のよう項目からなっています。
パート1:大豆は、とっても栄養豊富
パート2:ビックリ!大豆の7つの変身
パート3:つくってみよう!育ててみよう!
パート4:大豆が世界の危機を救う
もっと知りたい:大豆のデータファイル
その中には、大豆油が印刷インクやディーゼル燃料の原料として大量に利用されていることや宇宙食開発の一環として大豆の宇宙での栽培テストが行われたこと、さらにまた、世界第2の大豆生産国ブラジルを育てたのは日本の技術と資金援助が基礎となっていることなど大豆を取り巻く出来事や新しい動きも紹介しています。大豆の英語であるsoybeanという名前も日本語から出来上がっていることも載せておきました。
これらの記事のほとんどは、私のホームページ『落照亭へようこそ』
(http://www7b.biglobe.ne.jp/~rakusyotei/)の中の「大豆の話」から抜粋して取り上げたものを下敷きにしています。また、このホームページの中には「食」にまつわるいろいろな話を採り上げた「茶話会」も掲載していますので併せて眺めてみてください。