グリーンムーバーmax

試乗記録、グリーンムーバーからの変更点


 1999年、グリーンムーバーが広電(広島電鉄)に超低床車両としてデビューした。そしてその次にデビュー
したのがグリーンムーバーmaxである。
 この車両がデビューしたとき、グリーンムーバーがデビューしたときよりも衝撃を受けた。初の国産超低床車
両。ヨーロッパの路面電車をイメージさせる近代的なデザイン。あらゆる面で、グリーンムーバーを超えてい
た。
 そんなグリーンムーバーmaxが、グリーンムーバーからどのような変更があったかを取材した。このページの
ための初のロケである。

 なお、今回試乗したのは、5101号(グリーンムーバ−max)、5001号、5004号(ともにグリーンムーバー)
である。

  


座席

 車内のシート配列に関しては、セミクロスシートのままで、見た限りでは大きな違いはなかった。しかし、クロ
スシート部の座席の幅が異なっていた。

グリーンムーバーmaxの最前座席

グリーンムーバーの最前座席


 見て分かるとおり、グリーンムーバーmaxのほうがはるかに幅が広い。しかし、どうも1人用らしく、2人座れる
かどうかは微妙だ(座れたとしてもぎゅうぎゅう)。
 座り心地は、あまり差がなかった。とはいえ、グリーンムーバーmaxのほうがクッションが厚いので、どちらか
といえばmaxのほうがいいと言える。しかし、maxもそんなにクッションは厚くないらしく、やはり長時間座ってい
ると疲れる。


内装

 内装によって広く見える場合もあれば狭く見える場合もある。

グリーンムーバーmaxの内装

グリーンムーバーの内装


 どちらも混雑していて悪いのだが、全体の雰囲気は分かると思う。握り棒が青から黄色に変わり、車体の真ん
中に握り棒が追加された。これだけなのだが、握り棒が追加されているにもかかわらずmaxのほうが広く見える。
最も詳しいデータは調査していないのでmaxのほうが車体サイズが大きいのかもしれないが、同じ広電の車両で
あるからそう大きくは違わないはずだ。やはり色の効果は大きい。
 駅名を表示する電光掲示装置は、文字の色がオレンジから赤に変わっていた。


運転台

 運転台は、驚くほど変わっている。

グリーンムーバーmaxの運転台

グリーンムーバーの運転台


 まずずいぶんと簡略化されていることが分かると思う。maxの写真は右端が切れているが、切れているところ
には何もない。
 ランプ・計器類がモニターに集約され、大幅に小型化されている。しかし、大事な速度計や戸閉灯はモニター
に入れず、そのまま残っている。これ以上小型化は難しいといえよう。また、これ以上小型化できても、あまり
メリットはない。この大きさならあまり動かずに操作することができるからだ。これ以上小型化すると、逆に操作
が難しくなってしまう。

グリーンムーバーmaxの「計器類」


乗り心地・走行音

 乗り心地・走行音は、素人はあまり分からない程度で変わっている。
 乗り心地や音は写真にできないので文章だけになってしまう。
 まず乗り心地だ。何もグリーンムーバーに限ったことではないが、停車した瞬間、ガクンという衝撃が来る。こ
の衝撃は強く、持っていたつり革から手が離れてしまうこともある。ついでに言えば衝撃のあと揺り戻しがかか
るので余計に強い。手が離れるのもこのときが多い。1度、運転席の直後で運転席を見ていたとき、直前横断
があって急停車した。止まった瞬間はよかったが揺り戻しで思いっきり後ろにこけてしまい、危なかった。幸い、
後ろに人がいたので頭を打たずに住んだが、誰もいなかったら血が出ていたかもしれない。このときは非常ブレ
ーキだったのでひどかったのかもしれないが、普段のブレーキ(非常ブレーキに対して常用ブレーキという)でも
揺り戻しはきつい。
 前置きが長くなってしまったが、そろそろ本題に入る。上記のようにグリーンムーバーは衝撃や揺り戻しが強
かったが、maxでは衝撃はかなり改善されている。しかし相変わらず揺り戻しは残っており、乗り心地がよくな
ったといえるレベルではない。
 次に走行音だ。グリーンムーバーは、5001〜5004までは走行音、特に減速時の音が大きかったのだが、
5005以降は気にならないレベルまで下がっている。
 max(5101)は、5001〜5004(グリーンムーバー)と同じぐらいの音を出している。しかし、音が高くなって
おり、中ではあまり気にならないものの、外から聞くとかなり高く感じる。それから、発車直後、停車直前の音が
大きい。しかしJRの車両(223系や207系)よりは小さいので、日本全体の中ではこれでも小さいほうである。
(2006/10/06追加)


 以上で、今回の試乗記は終わりである。現在グリーンムーバーmaxは4編成あるが、宮島線に入線するのは
この5101号だけである。しかし回送でほかの編成が入ってくる可能性もあり、まったく見れないわけではない。
5102〜5104号は広島駅〜紙屋町東〜広電本社前〜広島港(宇品)の路線で走っているので、どうしても見
たければ行ってみるとよい。

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