上海トロリー散歩

上海[71]路に支線系統誕生 
中国国旗
 上海/ 中国
 
撮影: 2018/7, 制作: 2018/8, 改訂: 2019/12

2017年12月、延安路を走るBRTトロリーバス[71]路に2系統の支線、[1250]路と[1251]路が誕生しました。BRT 区間に乗り入れるため、乗降口が車体の両側に付いている珍しい車両が採用されています。最新型の電気バスです。

上海[1251]路茅台路
上海市 茅台路芙蓉江路 Maotai Lu Furongjiang Lu, Shanghai 2018/7/4撮影。

上海[1250],[1251]路路線図
BRT[71]路の定西路駅から支線[1250]路が、また凱旋路駅から支線[1251]路がそれぞれ発着します。このうち[1250]路は元の[71]路で、2017年2月にBRT化された時に凱旋路延安西路から西側の区間が残ったものです。
また[1251]路は元の[127]路で、起点が延安西路華山路からBRT凱旋路駅に変更、短縮されました。

1985年上海[71]路地図
今から33年前の1985年に中華地図学社出版が発行した、「上海市区交通図」を部分拡大してみました。右側縦方向に走る鉄道は、現在の地下鉄3/4号線ですが、当時は国鉄の沪杭鉄路で、杭州方面への幹線でした。地図で分かる通り、この辺りは中山公園の西側即ち、上海市の西の外れです。天山路は哈密路までしかなく、道路と言えば古北路の他は行き止まりの仙霞路がある程度の、広々とした農村地帯でした。
[71]路は戦後まもなく設定された歴史ある路線で、延安東路外灘と天山路古北路(天山新村)を結んでいました。西側の終点はのちに仙霞路へ移動、さらに2005年から現在の双流路へと複雑に変遷しています。

1992年上海[127]路地図こちらは1992年版の「上海市区交通地図」です。上掲の地図と比べると道路が増えています。前年の1991年に開業した[127]路の終点が、水城路仙霞路の場所に記載されています。新しくできた団地、仙霞新村へのアクセスのために設定された路線です。
この[127]路の東側の終点は、当初[71]路と同じく延安東路外灘でしたが、のちに延安東路江西中路に変更されています。さらに[71]路がBRT化された時点で、 延安西路華山路に短縮されていました。


上海[71]路凱旋路   Kaixuan Lu

おさらいのためにBRT[71]路の写真を掲げておきます。延安東路外灘を起点に、延安路の高速高架下に設けられた専用レーンを走り、申昆路ターミナルに至る17.5 kmの路線です。2017/2/1に開業しました。
「中運量」交通線と呼ばれ、路面電車の機能をバスで実現した画期的なシステムです。主力の車両には、連接式の低床トロリーバスが使われています。

(2018/7/1)
上海[71]路凱旋路
凱旋路駅に新しく支線の案内が掲示されました。
[71]路本線の凱旋路駅ホームには、[1250]路の東行きと、[1251]路の西行きが
停車します。道路の構造上、[1250]路の西行きに乗るには、いったんホームか
ら出て、延安西路凱旋路のバス停から乗ります。尚、[71]路から[1250]路への
乗り継ぎは、始発の定西路駅のホームを利用するように設計されています。

  上海[71]路凱旋路
 


上海[1250]路凱旋路
凱旋路駅の専用レーンを走る[1250]路の東行きです。乗降
もこのホームでおこないます。

  上海[1250]路凱旋路
[1250]路の西行きです。凱旋路駅のホームに停車すると天
山路へ右折することが出来ないので、側道を走ります。
 
上海[1251]路凱旋路
終点の凱旋路駅に到着した[1251]路です。降車客を乗せた
まま中央から2本目の左折レーンに入ります。 
  上海[1251]路凱旋路
[1251]路は、左折レーンを使ってUターンします。このあと
専用レーンのホームで客扱いをします。

 
上海[1250],[1251]路双開門車  

これら2つの支線系統は、支線区間では通常の路線バスと同様に右側のドアから乗り降りしますが、BRTの専用区間に乗り入れたときは左側のドアを使用します。現地では「双開門車輛」と呼んでいます。
BRT[71]路に使用されている車両と同じメーカーの宇通製で、塗色もBRTに合わせています。
型式はZK6125BEVG25、トロリーバスではなく電気バス(純電動車)です。1回の充電で、何と300kmも走ることができます。

上海[1250],[1251]路双開門車運賃箱  

双開門車輛の運賃箱です。通常の路線バスの運賃が2元なのに対して、半額の1元で乗車できます。BRT化直後に比べて1元の値下げになりました。
IC交通カードを使って2時間以内に他のバス路線に乗り継ぐ場合は、1元の割引きが適用されますので、支線利用者は直通時代と同じ運賃で都心へ出ることができます。

上海[1250]路茅台路   Maotai Lu Shuicheng Lu

茅台(マオタイ)路を走る[1250]路です。水城路交差点の手前付近で撮影しました。[1250]路は、この後まっすぐに茅台路を西進して、双流路へ向かいます。

(2018/7/8)
上海[1250]路茅台路   同上、バス停で停車中のリアビューです。
後面の電光板には系統番号の他に、ウィンカーと連動する「変道」や、ブレーキを掛けたときに点灯する「刹車」などが表示されます。
 
上海[1250]路双流路   Shuangliu Lu Tianshan Lu

[1250]路の終点、双流路天山路のターミナルです。バスの停泊する広場と乗務員の詰め所があります。天山路からは少々南に入った場所で、どちらかと言うと新漁東路に近い所です。
車両手前の角が運転席、その後ろにBRT用のドアが2箇所付いています。通常、運転席側は面白くないので余り撮影しないのですが、この車両は特別です。

(2018/7/1)
上海[1250]路天山路
Tianshan Lu Furongjiang Lu
地下鉄2号線、威寧路駅の近くを走る東行きの[1250]路です。バス停名は天山路芙蓉江路になります。双流路ターミナルを
出発した東行きは、広い天山路を通って延安路に向かいます。  (2018/7/9)

上海[1250]路天山路   天山路は近年整備された幹線道路で、沿線にはほとんどが上掲のような高層マンションやオフィスビルが建ち並んでいます。しかし例外的に、比較的古い住宅が残っている場所があります。

(2018/7/4)
上海[1250]路天山路   Tianshan Lu Zhongshan Xilu

天山路中山西路を走る[1250]路です。この先もう少しで、延安路に合流します。
BRT[71]路の支線になる以前の[1250]路は、ここから中山西路、武夷路を経由して凱旋路に向かっていました。バス停も中山西路にあったので、中山西路天山路がバス停名でした。
※凱旋路の乗り場は天山公園の東口にありました。

上海[1251]路茅台路   Loushanguan Lu/ Maotai Lu

婁山関路から茅台路へ左折する[1251]路です。背景のツインビルは金虹橋の国際センターで、ショッピングモールやオフィス街があります。金運を願う招き猫の巨大なオブジェが目に付きます。
仙霞路から芙蓉江路までの区間は1km以上バス停がなく、知らずに歩くと大変なことになります。この地点へ行くには[1250]路、もしくは地下鉄2号線の婁山関路駅が便利です。
上海[1251]路茅台路   Maotai Lu Shuicheng Lu

プラタナスの街路樹が茂る茅台路を[1251]路が走ります。早朝なのでクルマの姿は見えません。このあと水城路で左折しますが、一方通行なので道路の左端に寄っています。
尚、この区間は[1250]路も走っています。

(2018/7/8)

上海[1251]路水城路   Shuicheng Lu Xianxia Lu

[1251]路の終点、水城路仙霞路のターミナルです。この地区の周辺には日本人のビジネスマンやその家族が大勢暮らしていることで知られています。

(2018/7/1)
上海[1251]路仙霞路  

Xianxia Lu Gubei Lu

ターミナルを出発した[1251]路は、仙霞路を東へ向かいます。ここは古北路の交差点、街路樹が美しい場所ですが、あいにく雨降りでした。

上海[1251]路尊義路   Xianxia Lu Cunyi Lu

[1251]路の西行きは婁山関路を通りますが、東行きは尊義路を経由して天山路へ抜けます。複雑な二重ループになっているので、経路がなかなか覚えきれません。 

References:
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E5%85%AC%E4%BA%A41250%E8%B7%AF
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E5%85%AC%E4%BA%A471%E8%B7%AF
http://newspaper.jfdaily.com/xwcb/html/2017-12/03/content_53014.htm
http://www.chinabuses.com/product/buses/12570.html


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