(20) 「名古屋まつり」の花電車 |
撮影: 1969, 制作: 2016/1, 改訂:2024/8 |
名古屋最大の祭りは、毎年10月に開かれる「名古屋まつり」です。呼び物は、郷土が産んだ三英傑、信長, 秀吉, 家康を主役とする戦国時代の武者行列です。これらの配役は一般市民から公募で決められますので、今年の濃姫が誰に決まるのか、いつも市井の話題になっていました。 「子供達だけで盛り場へ行くな、勉強しろ」と、日頃口やかましい中学校の先生も、「名古屋まつり」の日だけは遊ぶ事を黙認して下さいました。 前置きが長くなりました。例年「名古屋まつり」に運行される花電車の写真をご覧下さい。 |
瑞穂区役所の先代庁舎を背景に走る[33]系統です。車体に「名古屋まつり」の飾り付けがついています。 右端と電車の奥に、装飾された花トラックが見えます。もうすぐ花電車が来る頃です。 (1969/10/12) |
瑞穂通四丁目~瑞穂運動場前です。お目当ての花電車がやって来ました。春日井製菓の飾り付けをした花16 号です。 変わり者の小生railbusにとって、子供の頃から名古屋まつりの楽しみは、英傑行列よりも花電車を見ることでした。 余談ですが、鉈(なた)で切ったようなフロントスタイル(アローライン)の3代目トヨペットコロナのバンが写っています。右端は6人乗りのマツダ・ルーチェ、4ナンバーのバンタイプです。いずれも懐かしい車です。 |
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こちらは花14号、青柳ういろうのデコレーションが施されています。 花電車は地元で良く知られた企業がスポンサーになっていました。 |
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装飾前の花電車、上掲の花14号です。タネ車は1150型の1177号です。両端の運転台を残して、客室部分がすべて撤去されています。 沢上車庫にて (1969/3/6) |
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午後7時25分、花電車の一行が名古屋駅前に集結し、花11~花16の6両が勢揃いしました。先頭を走るのは花15号です。 背景の建物は、右から順に名鉄百貨店、近鉄ビル、名鉄バスターミナルビルです。 (1969/10/14) |
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花12号(左)と花14号(右)です。右端名鉄百貨店の壁に、大阪万博のカウントダウン時計が光っています。 |
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花11号、その後ろに花13号車が停車しています。 背景右が大名古屋ビル、左が国鉄名古屋駅です。 冒頭の写真もこのアングルで撮影しました。 |
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花11号は大須ういろうの飾り付けで、「ゲゲゲの鬼太郎」が登場していました。『週刊少年マガジン』に連載中の人気漫画で、前年からTVアニメも始まったところでした。 右に[11]系統の1633号が写っています。 |
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花16号(春日井製菓)の正面です。 花電車の照明はとても明るく、常用のASA100フィルムで、1/125 秒, f 4の手持ち撮影をしたことが、メモ帳に残っています。 |
Reference: 全編を通じて開業年月日や路線名などは、下記を参照しました。 中日新聞本社編集局『名古屋市電物語』, 中日新聞本社, 1974年4月 |