ある、満月の夜。
旅の途中に寄った街で宿をとった三蔵御一行の出来事である。
「・・・・・はぁ」
事は、玄奘の大きなため息が発端である。
「最近、姫さんやたらとため息が多くないか?」
「何を今更言ってるんだ、そんなの俺達のせいに決まってんだろ・・・9割がたな」
「悟空・・・・・誇らしげに言っても説得力がないぞ、寧ろ反省すべきだ、玄奘様のお心を
考えろ」
「相変わらず固いな悟浄は、姫さんのため息の中にお前も入ってるって言うのに」
「なっ!そんな理由がないだろう!?そっそんな恐れ多いこと!」
「・・・・・お師匠様が可哀想・・・やっぱり全員にあの世に逝ってもらえばお師匠様も安心
するかな」
「ぎょっ玉龍!!落ち付け!そんな事は姫さんは望んでないって!」
「そうかな?」
「とっとりあえず、もう一度玄奘様の様子を見よう」
「おいおい、やめとけって、あんま見てると見付かるぞ玄奘に」
あれこれと、玄奘のため息の原因を自分達のせいだと解釈したお供達。
しかし、当の本人はと言うと・・・・・・。
「はぁ・・・・また会えますでしょうか?あの方に」
「いっいえいけません!あの方は天上界の方だと言うのに!」
「もし、もう一度会えたらもう少し長くお話をしたいですね、木叉様と!!」
その言葉を聞いてしまった、お供達はその場で固まったとさ、1時間程。
2009,11,25 玄奘の想い人が真君かと思いきやまさかの木叉とか。
いや、私の願望です、これがFD祝SSか!?
ため息の矛先