「砂漠は、まだ抜けそうにありませんね」


天竺への道は、まだまだ遠い。
観音様の言い付け通り、私玄奘、悟浄、八戒、玉龍、そして・・・・・
おかしいですね、何か違和感が。


「どうした?姫さん、急に立ち止まって」


「何か気になる事でもおありなのでしょうか?玄奘様」


「お師匠様、どうしたの?こいつらが嫌になった?殺そうか?」


「おいっ」


玉龍の言葉に、悟浄と八戒は突っ込みを入れる。


「いえ、そうではありません」


そうです、一人足りません、悟空です。


「悟空は何処に・・・?」


「あーそーいやいないな、はは、また体力切れかよ」


私は八戒の言葉に深いため息を漏らす。


「まったく、仕方がないのでしょうが・・・貴方達はここで待っていて下さい
 私が悟空を捜してきます」


「えっしかし玄奘様、お一人では危険ですっ俺が一緒に」


「いえ、大丈夫です」


私は、悟浄の申し入れを断り、悟空を捜す事に。
何故だか分からないが、悟空の気配を感じ取れる気がします。
私の想いが強いからなのだろうか?

案の定、悟空は砂漠のど真ん中で力尽きて、もとい、体力限界で倒れていた。


「悟空!しっかりして下さい!お水ですよ!」


私は悟空に一口水を飲ませた。


「あー・・・ん・・・・玄奘か・・・・・?」


「玄奘か?ではありません!まったくあなたは!目を離すとすぐいなくなるのですから!」


「・・・仕方ねーだろ・・・・・虚弱体質なんだからよ」


「それは重々承知です、・・・・・私は心配なのです、悟空の身体の事もですが悟空自身の
 事もです・・・・・・」


「・・・・・・玄奘・・・・悪かったよ、そんな顔すんな」


泣きそうな顔をしていたのか、悟空の右手が私の頬に少しだけ触れる。
私は悟空の手が好きです、心地よくて安心を覚える。
体質なのは分かっているが、本当に心臓に悪いです。


「悟空、立てますか?」

「ああ、大丈夫だ、少し眠ってたからな」


暑くなかったのだろうか?と突っ込みを入れたくなるがそれは心に閉まっておいた。


「では、仲間達の所に戻りましょうか」


天竺への旅はまだまだ遠い、出来ればもう少しだけ仲間達と旅を続けたい、悟空の身体の
事を心配しながら、不安を消し去りたいと願う。

天竺は逃げませんからね。



2009,9,3 書いてしまいました、悟空×玄奘です。
甘さとかないです、あっちなみにお互いの事を意識はしてます。

虚弱体質